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[完結]引きこもりの少年は異世界で森に引きこもる、はずだった。~幼馴染の聖女の為になし崩し的に異世界を連れまわされた件~  作者: 安ころもっち
第三章・帝国を欲する者達

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54.自治区最強の7(-2)将軍 01


 城の中に入った俺達。


「こっちだな」

 通路では石川が行先を決めていた。


 石川が試練で得た[天啓の閃き]により、選択問題は最善が選べるらしい。またチートな能力だなと思ったが使いどころは限定的なのかもしれない。いや、ギャンブルなら……そんなことを考えたがそもそも俺達がこの世界で金に困ることはないだろうな。


「ここだよな?」

 見るからに大きく豪華な扉を見れば、緊張した表情の兵士達が4人、こちらを見ている。


「どうする?」

 その兵士達に石川がニッコリ笑顔で尋ねるが、兵士達は首を左右に振りつつ扉を開いた後、その場を逃げ出した。


「話が早くて助かるな」

 そう言う飯田の言葉に合意し開いた扉の先を見ると、中には5人の男が立っていた。


「良く来たな!早くこっちは入ってくるがいい!」

 中央の大剣を肩に担いでいる大男がそう言って俺達を手招きしている。


「どうする?」

「そりゃ、行くしかなだろな?」

 飯田の確認にそう返し俺達は部屋の中へと入って行く。


 部屋の広さは中学の校庭ぐらいだろうか?

 天井も高く部屋の彼方此方には魔道具の者と思われる明かりが光を放っている。


 そんな室内を見渡すが、フランの姿も、そして藍川の姿も無かった。ただ、部屋の壁に沿って多数の兵士達が並んでいた。鎧を身に纏った兵士達に交じってローブを着こんだ魔導士風の者達もいた。


「俺はサクリエル王国の7将軍の1人、オルベイル・セルベイルだ!お前達がここに来たって事は、外の2人を倒したという事だな!」

 大男がそう叫びながら大剣を床へと突き刺していた。


「俺は兄者と並び立ち、セルベイル家の双竜と言われた男、ミルベイル!外の2人は俺達7将軍の中でも最弱の2人だ!あれに勝ったからと言って浮かれては大怪我するぜ!」

 その隣に立っていた長身の男は手に持っていた大きな槍を頭上で振り回してアピールしている。兄弟揃ってうざいなと思った。


「そうそう!このルードリヒ・エリンコがいる限り、お前達の命もこれまでだ!」

 その反対側では細身の金髪ロン毛男が、手に持っている長弓を器用にくるくると回している。もしかして、このまま自己紹介が続くのか?


「そ、そうだ!このサダム・セインチアがいる限り、お前達の命もこれまでだー!」

 ワンテンポ遅れで同じことを繰り返すように言うのは白いローブを着込んだ小柄な青年であった。俺はこめかみを揉んだ。


「ハリール・ポスター!わしの風に切り裂けない物はない!」

 青ローブのおじいちゃんがそう叫んだところで両手を高く上げ鶴のようなポージングをしている。


 自己紹介が終わった部屋には沈黙が訪れる。


「どうした!そっちは名乗らないのか?」

 なんでだよ!と心の中で突っ込みを入れる。少し楽しくなってきた。


「俺は飯田浩平!勇者としてフランソワーズ姫はこの手で必ず取り戻す!」

 突然飯田が叫ぶので、思わず噴き出したがそれは俺だけではなかった。


「飯田、やっぱあんたバカだよね」

 加藤さんがおでこを押さえてそう言っているが、隣の未波は口元を押さえて肩を震わせていた。


「な、なんだよ!自己紹介って言われたから俺は……」

 振り向いた飯田はまだ笑いをこらえている者もいる光景を見て、恥ずかしそうに顔を下げ前を向いた。


「俺は、こんなことには負けない」

 小さくそう呟けたのは、飯田が試練で苦労して手に入れた[不屈の精神]の効果だろうか?早速スキルが役に立ったな。おめでとう。


「それはそうと、フランはどこへ隠した?藍川ははどこにいる?」

 俺がそう尋ねると、中央の大男はニヤリと笑う。


「囚われの姫は後ろの扉だ。だが、俺達を倒さなければあの扉は開くことは無い!この部屋には自慢の結界が施されている!たとえ俺の豪剣から繰り出されるスキルであっても破れない程のな!だから安心して全力を出すが良い!」

 そう言った大男、オルベイルは大剣を床から抜くとくるりと回して肩に担ぎなおした。


 その破壊された床、結界が利いていないのではないかと思ったが、今は突っ込まないことを決めた。この世界の奴らはどうも飯田クラスの頭の悪い者が多いような気がして、まともに話をすると疲れるのだ。


 俺は、とりあえず目の前の5人のステータスを確認した。


――――――

オルベイル・セルベイル / 人族 / クラス [重剣士]

力 C+ / 知 F- / 耐 C-

<スキル>

[肉体強化] 身体能力を向上させる力

[剣術] 剣の扱いを極めし力

[剛腕] 腕の筋力を倍増させる力

――――――

ミルベイル・セルベイル / 人族 / クラス [槍術士]

力 C+ / 知 F+ / 耐 D-

<スキル>

[槍術] 槍の扱いを極めし力

[連撃] 高速の連続攻撃を行う力

[鷹戟槍] 槍から強烈な一撃を放出する力

――――――

ルードリヒ・エリンコ / 人族 / クラス [弓士]

力 D+ / 知 E / 耐 E-

<スキル>

[弓術] 弓を巧みに操る力

[連射] 続けて弓を放つ力

[魔力矢] 魔力で矢を生み出し放つ力

――――――

サダム・セインチア / 人族 / クラス [大神官]

力 F / 知 C- / 耐 E

<スキル>

[治癒] 癒しの力で傷を回復させる力

[上級治癒] 高い癒しの力で傷を回復させる力

[戦意向上] 他者の心を高揚させ戦闘力を上げる力

――――――

ハリール・ポスター / 人族 / クラス [風術士]

力 F / 知 C- / 耐 F-

<スキル>

[風魔法] 風属性の魔法を自在に操る力

[風弾] 乱回転する風の渦を飛ばす力

[風鎧] 全身に風を纏わせ攻撃を防ぐ力

[風送] 声を風にのせ遠くまで届ける力

――――――


 能力値だけで言えばセルベイル兄弟は強いが……こっちは人数がいるしチートな奴らも多い。やはり負ける気はしない。

 早い所あの5人を倒してフランを助け出さなくては……


「いざ、尋常に勝負だ!」

 楽観的になっていた俺は、セルベイル兄弟が1歩前に出たのを確認する。


「分かった!志田さん、サポートを頼めるか?」

「えっ、なんで?」

 そんな2人の様子を見ていた飯田が未波に顔を向けそんなことを言いだしたので、未波はかなり戸惑っている様子だ。


「いや浩平、何言ってんだ?」

 俺が突っ込む前に石川がそう言ってくれたので俺は安堵する。本当に何を言っているのかわからん。


「いや、向こうは2人ってことだろ?だから俺は、志田さんと2人であいつらを―――」

「浩平?お前は……」

 石川は飯田を残念そうに見ながら途中で言葉を止めたが、多分だが言いたかったことは分かる。


「飯田君ってあんなだっけ?」

 未波が小声で耳打ちしてくるが、俺はそれに何も答えなかった。


「浩平、行くぞ?」

 石川は飯田の意向は無視していくようだ。


「えっ……あ、ああ、そうだな。そうだった!あいつらはフランソワーズ姫を攫った奴らだ。そんな卑怯者のルールに従う必要はなかった……んだな?」

「そ、そうだぞ浩平!」

 挙動不審な飯田を清水が宥めているが、清水も戸惑いを隠しきれてはいない。


「よし、行こう!」

 松本が剣を抜き声を掛けている。


「ああ!行くぞ!」

 ここでようやく飯田に笑顔が戻った。良かった……のかな?


「ちっ、クソガキどもめ!」

 5人で戦う様子を見たセルベイル兄が舌打ちをする。なぜこちらが乗ると思ったのか?


「俺達も援護するか」

 そう言って無言で5人に向かって[鼓舞]を使い、壁際の者達に向け[強制退去]を使う。


 突然の強風に驚いたのだろう。壁際からは悲鳴が聞こえる。

 こちらに向けて殺気を放っているので何かすることは明らかだったからな。


 その様子を見た加藤さんは壁際に近づく様にぐるっと半周していたので、床の彼方此方に[爆弾付与]でも使ったのだろう。未波は[結界]で俺達の周りを覆った。みんな無言でスキルを発動させているので、心に余裕があるのだろう。

 本当に負ける気がしないからな。


 その他の者達は飯田達の戦闘をチラ見しながら談笑しているようだ。


 そうこうしている間に、飯田達があっちの5人の7将軍達を追い詰めていた。俺は結果の分かり切った映画を見るような感覚で眺めていた。


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