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[完結]引きこもりの少年は異世界で森に引きこもる、はずだった。~幼馴染の聖女の為になし崩し的に異世界を連れまわされた件~  作者: 安ころもっち
第二章・大森林争奪戦

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28.大森林の遺跡攻略 02


 ダンジョンへ入り2時間程度が経過した。


 結局その日は緊張感もあったため1階層を見て回ったところで終了しようという話となった。


 1階層には他にスモールスライムや吸血蝙蝠(リトルバット)が出ることが分かっている。狼の偵察により鼠が出ると分かった瞬間、加藤さんが[麻痺沼]を作って行動不能にした後に、俺と未波が仕留めたりしていた。

 狼は隷属した狼を囮にして翻弄し各自が止めを刺していた。蝙蝠は未波が結界を張るとそれにぶつかりひっくり返っていたので交代で倒していった。全く問題のないレベルだったので、早く鼠が出ない階層まで進みたいと話し合っていた。


 それならと、次回からさらに先まで進むことを決め、愛着の湧き始めていた4体の狼はダンジョンの入り口付近で開放したが、開放した瞬間狂ったように襲い掛かってくるので、山崎さん以外の女性陣がそれぞれ1体づつ受け持って倒してしまった。

 俺と山崎さんはそれを何とも言えない気持ちで見ていた。


「まあ、仕方ないよね」

「そう、だな」

 結局魔物は魔物。たとえ今は感動的な別れを遂げれたとしても、きっと次に出会ったらその個体かは分からずに殺し合うのだ。割り切ろう。そう思った。


 収穫は大したことはなかった。

 屑魔石に狼の毛皮、鼠の歯、蝙蝠の肝だけなので、後でアクアに食べさせようと思った。正直ここらの魔物を一体狩った方が何十倍も旨い素材が出るし、能力値も早くあがるだろうと考えた。


「たっだいまー!」

 加藤さんが元気に入り口から外に出ると、その横をすり抜けて俺の前まで駆け寄ってきたルリ。俺は少しホッとして入り口を抜け外に出た。


『怪我は無いのじゃな?強い魔物は出なかったのじゃな?中はどうなっておったのじゃ。で、もう満足したじゃろ?またこの周辺で狩りを続けてば良いじゃろ?』

「ルリ、分かった。分かったから」

 俺は心配そうな顔を向けるルリに中の様子を説明した。


「でも俺は、もう少しだけこの先を見てみたいんだ。でも直接的に戦えるスキルがないから、まだ暫くは外での狩りを手伝ってくれるか?」

『なるほどの。ダンジョンの中は我がそばにはおらんのじゃからな!カツキがもっと強くなるよう我も協力するのじゃ!』

「ありがとう」

 俺はルリに強く抱きしめられながら、『私も私も』と言いながら尻尾を高速で振り回すコガネの頭を撫でていた。


 それから数週間、俺達は森の中心地付近で大森林の大鹿フォレストラージエルク竜鱗の大蛇(ドラゴンスネーク)魔を吸う大樹(ドレイントレント)などを狩りつくす勢いで狩っていた。

 もちろんルリとコガネの全面協力の上で。


 スキルは増えなかったが能力値もそれなりに増えた。

 何より戦闘経験という部分でも勉強にはなった。そして中心地の大鹿の肉はとんでもなく旨かった。


 そして、剥ぎ取った素材を換金する為に玉井さんにはまた冒険者ギルドへと向かってもらった。中心地に近いここの魔物の素材はさぞかし高く売れるだろう。それで装備を大量に購入して戻ってきてもらう予定だ。

 ダンジョンの深くに入った場合は、帰還の札や、転移の札といったダンジョンで使える専用の魔道具を使わなくてはならないらしいし、その為にも資金は多い方が良いと思い在庫を全部持たせて送り出した。


 俺達は拠点まで戻り玉井さんを見送った後、俺は拠点の城壁を強化したりする作業を行い、野村さんは今晩の夕食の仕込みを始めた。他のメンバーはルリ達と集まり何やら女子会でもしているようだった。



――――――

佐田勝基 / 人族 / クラス [引きこもり]

力 G+ / 知 E- / 耐 G

<スキル>

[拠点防衛] 自分の陣地を認識しその範囲を防衛拠点とする力

[偵察] 人知れず相手のステータスを確認する力

[城壁] 拠点内に石造りの壁を作り出す力

[鼓舞] 味方の能力を引き上げる力

[強制退去] 突風により敵対者を陣地から退ける力

[防壁] 目の前に鉄の壁を出現させる力

――――――

志田未波 / 人族 / クラス [聖女]

力 G+ / 知 C / 耐 E-

<スキル>

[結界] 自身の指定した範囲で耐物耐魔の結界を作り出す力

[治癒] 癒しの力で傷を回復させる

[浄化] 解毒効果のある光を放つ力

[範囲回復] 周囲に常時回復の領域を作り出す力

[聖結界] 周囲に魔の者を浄化する領域を作り出す力

――――――

加藤愛理 / 人族 / クラス [罠師]

力 G+ / 知 F- / 耐 E

<スキル>

[足止め] 自身の周辺の指定場所に見えないくぼみを作る力

[罠感知] 罠を見抜く観察力を得る力

[爆弾付与] 自身の周辺の指定場所に爆発を起こす罠を設置する力

[麻痺沼] 自身の周辺の指定場所に麻痺効果のある液体を設置する力

――――――

野村千佳 / 人族 / クラス [調理師]

力 F- / 知 E- / 耐 E+

<スキル>

[神の舌] 口に含むことで食材の情報を読み取る力

[食材鑑定] 可食できる物の全てを見通す力

[包丁術] 包丁の扱いが上手くなる力

――――――

山崎沙耶 / 人族 / クラス [調教師]

力 E+ / 知 F- / 耐 G-

<スキル>

[意思疎通] 魔の者と心を通わせる力

[親睦] 魔の者から慕われやすくなる力

[隷属] 親密度の上がった魔の者を隷属する力

[信頼の絆] 隷属している魔の者の力を強化する力

――――――

玉井京子 / 人族 / クラス [影術師]

力 G+ / 知 D / 耐 E-

<スキル>

[認識阻害] 他者の意識から外れる力

[影走り] 気配を消して高速で走る力

[影分身] 真っ黒な影の分体を作り自由に操作する力

[気配察知] 周囲の気配を感じる力

[影縛り] 自身の影を操り他者を拘束する力

――――――



◆◇◆◇◆



 いつものようにコガネさんに乗せてもらって森の出口まで到着する。


 コガネさんにお礼を言いながら存分にモフらせてもらう。こんな可愛いコガネさんが王国側の人々の恐怖の対象だというのだから信じられない気持ちだ。


 暫くして満足した私は森から出ると、[影走り]を使って足早に帝国と王国へと継ぐ主要道へとぶつかる地点にある管理所までたどり着く。その管理署の兵に軽く挨拶を交わし、帝国側へとさらに向かう。

 ここの護衛の兵士達は顔見知りなので軽く挨拶を交わすだけで素通りできる。

 私が森の外周で夜営しながら日々弱い魔物を狩っては納品している程度に思われているようだ。そんな認識も特に支障はないので訂正はしない。


 ややしばらくすると帝都の中心地へとたどり着く。

 私は周りをキョロキョロと見渡し、警戒しながら冒険者ギルドへと入っていった。今日はクラスメイトは見当たらないようだ。別に鉢合わせしたところで問題は無いのだが、彼是と言われるのは少し苛立つ時もある。


 そんなことを思い出しながら受付へと足を進めると、見知った受付のお姉さんがにっこり笑顔で奥の方を親指で示して誘導された。

 私はため息をつきつつ奥のギルドマスターの執務室まで移動し、ノックしてからドアを開けた。


「ドレイクさん、何の用ですか?」

「ああ、キョウコちゃんか!待ってたんだよー。今日も素材の納品かな?」

 いつも以上に気持ち悪い仕草で手揉みするギルドマスターのアーノルド・ドレイクが席を立ちこちらににじり寄ってくる。


「な、なんですか?いつも以上に気持ち悪いですよ?」

「いやー、実はな?今まで納品してくれた森の大猿(フォレストモンキー)森の大鹿(フォレストエルク)の素材がな?少ぉーしばかり問題が発生してしまってな」

「そう言うことですか?」

「いや、あの素材が盗品だって通報する者が現れてな?」

「は?」

 私は思わずドレイクさんを睨んでしまった。


「いや、分かってるよ?俺だって元冒険者だ。こうやって目の前にいれば相手の力量はなんとなくわかる。そこらの冒険者よりキョウコが強いのは分かってるんだよ。そしてキョウコちゃんのパーティには聖女様がいるんだろ?

 だったらあれぐらい狩れて当然なのは知ってるし、理解している。だが、こっちの立場も分かって欲しいんだ。一度だけで良いからその相手と顔合わせをだな……お願いだから頼まれてくれないか?」

 不器用な笑顔を浮かべながら必死にお願いをするドレイクさんに少し可哀想になる。


「相手は、誰なんですか?」

「あー、怒らないでくれよ?」

「もう怒ってますけど?もっと怒らせるような相手なんですか?」

 私の言葉にドレイクさんは「うっ」と言葉を詰まらせる。


「子爵様だよ」

「は?」

 私はまたドレイクさんを威嚇するように睨みつける。


「子爵って、あの例の護衛を断ったボンボン案件じゃないですか?」

「多分だが、そうなるな?」

「絶対に面会なんてお断りです!」

「そこをなんとか、な?俺も立ち会うから、他のメンバーも一緒になんて言わないから、な?頼むよー」

 ドレイクさんが必死過ぎて少し恐怖を感じた。


 恐るべし中間管理職の板挟み状態に社会人にならなくてよかったと感じた。ドレイクさんの頭が寂しくなっているのも納得である。


「とにかく、日程を何時にするか確認してください。私も忙しいんでちょっとの時間だけなら顔合わせ程度はやりますから。私は納品してますから早めに返事下さいね!」

「わ、分かった!すぐに返答するからロビーで待っててくれ!」

 慌てて引き出しから通信用の魔導具を取り出したドレイクさんを横目で見ながら、私は受付へと戻った。


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