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[完結]引きこもりの少年は異世界で森に引きこもる、はずだった。~幼馴染の聖女の為になし崩し的に異世界を連れまわされた件~  作者: 安ころもっち
第一章・異世界召喚

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02.異世界転移と新たな出会い 02


 森でアラクネと思われる美女と遭遇した俺は全てを話し始める。


 多分だけど他の世界から突然ここに来たこと、ここがどんな世界なのか分からないこと、アラクネのような存在は空想上でしかない世界で暮らしていた事などを正直に話し始めた。

 なぜか少し緊張してしまい上手く話せない俺を、彼女はやさしく包み込むように……実際にその長い8本の足に包み込まれながら話をしている。


 よく分からないが気にいられたようだ。


『お主、カツキは召喚術で呼ばれたのかもしれぬの?』

「やっぱりあるんだ。勇者召喚とかいう奴か?」

『勇者じゃと?』

 そう言う彼女は俺を一度て足の中から解放すると、観察するように上から下へと視線を送っていた。

 

「いや、勇者ではないよなきっと」

『うむ、でも我はカツキはある意味勇者じゃと思うのじゃ!』

 どこらへんがだろうか?


 聞いてみたいような気もするが今回はスルーしよう。


 俺の話が終わると、彼女はこの世界のことをわかる範囲で教えてくれた。そして彼女自身の事も色々と教えてくれた。

 この森はかなり広大な範囲で広がっており、東西で縄張りが分かれているようで、彼女はその東側の支配者だそうだ。


 この場所は森の中心地からそれなりに東に行った場所、森の中心の場所から外側への距離で考えると、凡そ3分の1程度の距離の場所らしいが、普段はここまで入ってくる冒険者はいないらしい。


 彼女から冒険者というファンタージなワードを聞き、俺は思わずワクワクしてしまった。


 普段はもっと中心地に近い場所でのんびりと他の魔物(この世界でも普通に魔の者、魔物と呼ぶそうだ)の命を奪って暮らしている彼女。食事などではなくただ単に殺すのだと。それにより他者の魂を吸収し、能力を伸ばしたり、寿命を延ばしたりするようだ。

 レベルアップと同じ概念なのだろうが、寿命を延ばすこともできるようだ。


 人族でもそうなのか気になって確認すると、冒険者の中では長生きの者を多いが、人族はそこまで長生きな者はいないらしいので能力を上げる方に勝手に割り振られるのでは?と彼女は予想しているようだ。

 あくまで彼女から見た冒険者は、という限定付きの情報であったが、その説明がしっくりくるのだろうと納得してしまった。


 そして彼女はアラクネではなく、アラクネから進化した固有種で、自我がはっきりと目覚めたのは固有種となったと思われる時、自分はそういう存在なのだと感じたらしい。


『それと冒険者達は色々な攻撃をするのじゃ。火を飛ばしたり剣から光を飛ばしたり、もちろん我には効かぬのじゃがな!』

「へー。俺も何か使えたりするのかな?」

『うむ。カツキはそのような物の無い世界から召喚術で呼ばれた存在なのじゃろ?元々なかった能力が増えたりはせぬろ思うのじゃが、何か確認する方法があれば良いのじゃが……』

「そうだね。俺達の世界の空想の話だとステータスという言うと―――」

 俺は、禁断のファンタジーワードであるステータスを口走り、目の前の光景に動けなくなった。


――――――

佐田勝基 / 人族 / クラス [引きこもり]

力 G- / 知 F+ / 耐 G-

<スキル>

[拠点防衛] 自分の陣地を認識しその範囲を防衛拠点とする力

――――――


『どうしたのじゃ?』

「いや、俺の、ステータス?能力とかが目の前に出てるんだけど、気のせいって事はないんだよな?」

 そう言いながら俺は目の前に浮かぶゲームのような青い背景の表示を、両手で触ろうと空中を泳がせてみた。


『何をやっておるのじゃ?』

「ここら辺に、色々書いてあるんだよ。クラスとか、スキルとか」

『ほう?』

 彼女はまたも俺をジロジロ舐めまわすように見ていた。


 少しづつ冷静になってきた。ここは異世界だ。ステータスぐらい出るだろう。そう開き直ってきたら冷静にその数値の低さに落胆する。それと同時にクラスが引きこもりとは?と困惑する。

 このクラスというのはクラスで引きこもりだっただろ?という意味ではないのだろう。やっぱり俺の職業的なものが引きこもり?いやいやそんな……


 (かぶり)を降って否定しようとするが、否定できる材料がない。数値についても比較対象が無いので本当に低いか確証が……いや絶対低いだろこれ。。

 色々悩んだ末……俺は考えることを諦めた、


「追々考えることにしよう……それよりも、俺はこれからどうしたら良いのだろうか?というか、どうなるんでしょうか?」

 そう言って目の前の彼女に伺いを立ててみる。


『なぜ我に聞く?カツキの好きにして良いと思うのじゃが?人の街に行くも良し……こ、ここで我と一緒に暮らすも良し……』

「じゃあ、ここに置いてくれますか?」

 俺がそう言うと彼女は嬉しそうに『そうかそうか』と頷いていた。


 それを見ながら俺は、今更この世界で人と関わるなんてうんざりだ。引きこもりを舐めるな!と脳内で逆切れしていた。


『では、いつまでも"あなた"とか呼ばれるのも、あまり良い気はせんのぉ』

「不快、でしたか?」

『いや、そう不快でもないのじゃがな?』

「じゃああなたの名前を教えて下さい!」

 少し緊張しながら聞いてみる。ナンパしてるみたいで恥ずかしい。


『我は森の支配者、アラクネレジェンドじゃ!』

 どうやらそう言う種族名らしい。


「じゃあアラクネさんと呼んで良いですか?」

 微妙な顔をされた。


「レジェンド様?」

 大きな溜息が聞こえた。


『我に固有名はない。種族は固有種で唯一無二の存在だと自負しておるのじゃが、カツキのように名という物は無いのじゃから、カツキが好きに名付ければ良いじゃろ!』

 少し怒ったようにそう言う彼女の勢いに負け、つい「ルリ」、と返してしまった。


『ルリ?』

「俺の世界で瑠璃色って言うのがあって、その髪色の様に綺麗な青だから、似合うかなって」

『ほうほう!綺麗な色の名じゃな!我にぴったりではないか!ではカツキ!我を今からルリと呼ぶのじゃ!』

 気に入ってくれたようだ。


 こうして俺は、ルリと一緒に暮らす異世界での生活が始まった。


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