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[完結]引きこもりの少年は異世界で森に引きこもる、はずだった。~幼馴染の聖女の為になし崩し的に異世界を連れまわされた件~  作者: 安ころもっち
第二章・大森林争奪戦

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27.大森林の遺跡攻略 01


「ここが入り口なんだな!」

『そうじゃな。森の中心地でダンジョンがありそうな場所、と言われればこれぐらいじゃろうな』

 俺は、その朽ちかけた様子の遺跡のような建物にぽっかりと開いている穴を見つめている。


 やっと拠点の改装がひと段落した昨夜、未波達から大森林の中心地にはダンジョンがあってそれを帝国が欲しているという話を聞いた。

 俺は帝都の中心地にあるダンジョンには元クラスメイト達が出入りしていることは聞いていたので、ダンジョン探索という心躍る異世界体験は諦めていた。

 だがここにもダンジョンがあると、しかも手付かずっぽいというので、俺は朝早くからテンション高くルリの案内で心当たりがあるという中心地までやってきた。



「だが、これ大丈夫なのか?今にも崩れそうだが?」

 俺は今にも瓦解しそうな壁などをペタペタと触ってみる。


『大丈夫なのじゃ』

 そう言ってルリは俺が触っている反対側を束ねた糸の攻撃を叩きつけ始めた。


「ぜ、全然変化なしだな。これは不思議なパワーで守られたダンジョンってことなんだろうな。あまり深く考えるのはやめよう」

『以前も無意味に攻撃を仕掛けたことがあるのじゃが、全く変化なしなのじゃ!まったく忌々しい、と思っておったのじゃが、カツキの為になるのであれば嬉しいことなのじゃ!』

 そう言って俺を蜘蛛足で抱きしめるルリ。


 そんな俺を見ている未波と目が合って、少しムッとしている感じがした。きっとお姉さん役を取られたなんて思ってるんだろう。俺は気まずそうにルリから離れると、深呼吸をした後、ダンジョンへと入ろう足を踏み出した。


 だが、そんな俺はルリにより止められてしまう。


「どうしたルリ」

『ここは、我は入れないのじゃ……危険かもしれないのじゃ……』

 そんなルリの告白に思わず「マジか」と呟いた。


 きっとダンジョン内の魔物と外の世界の魔物を隔てる何かがあるのだろう。なら仕方ないな。


「ルリ、少し待っててくれ。コガネも入れないってことで良いんだよな?」

『うむ。私も試したことはあるが入れないようだな。なのでカツキ、ここに入るのはやめた方が良い!』

 そう言うコガネだが、俺の心はすでにダンジョンの中に赴いていた。


「とにかく、危険なのは分かってるから。ルリとコガネはここで待っててくれ!あっそうだ、アクアとレッドも入れないよな?」

 2人も鳴き声をあげながら頷いている。


「じゃあみんな、気を付けて慎重に。この周辺にいるランクの魔物が出るようなら即時撤退。で良いかな?」

 女性陣も緊張しながら頷いき俺の後へと続いた。


「何かあったらすぐに[結界]張るから!」

「いや、俺も[鉄壁]使うから……けど、未波もいざという時には頼む!」

 俺は未波に守られてばかりじゃない、と思ったが一応念の為だ。


 もう一度頷き合って一歩、また一歩とダンジョン内に入って行く。


「うおっ!」

 中に入ると体に圧迫感を感じるような気持ち悪さを感じた。


「ああ、勝基君は初めてだもんね。ダンジョンに入るとなんか変な感じするんだよ」

「そ、そうなのか。だが大丈夫だ。一瞬びっくりしただけだから」

 そう言いつつ呼吸を整える。


「今のところ周囲には魔物の気配は感じないよー」

 玉井さんが[気配察知]で周辺を確認したようだ。


「何かあったら言うね」

「ああ、ダンジョンだからな。罠が合ったら頼む」

 罠師の加藤さんは[罠感知]を持っているからそのことだろうと思った俺は、テンション高めに返答している。


「勝基君、楽しそうだね」

「いや、それほどでもないだろ?」

 未波の詩的に恥ずかしくなってそう返す。


「あ、近くに何か近づいて来てる。1体だけだと思う」

「じゃあ[聖結界]使っとくね」

 影術師の玉井さんが気配を感じたようなので、魔物を弱体化することのできる[聖結界]をあたりに作り出す未波。


 そこにやってきた魔物に、未波以外の女性陣が悲鳴を上げた。


「ダメ!無理だって!無理無理無理!」

「いやー!早く、早く倒してよ!」

 加藤さんと玉井さんが未波の後ろに隠れそう言っている。


 野村さんと山崎さんもさらにその後ろに隠れ顔を隠して固まっている。


 俺は[鼓舞]を使いってみんなを再起動させようとしながら、腰の剣を抜きそのでかいネズミ、小型の鼠(スモールラット)に切りかかった。


「スモールラットって……じゃあ普通のラットはどんだけでかいんだよ!」

 文句を言いながら目の前の自分の腰より高さのある鼠の首を狙って一撃を放つと、意外と簡単に真っ二つとなりその姿が塵となって消えた。足元には小さな魔石がコトリと落ちた。


「この程度なのか?」

「そうみたいだね」

 俺と未波は平然としていたが、他の4人の顔色はまだ優れないようだ。


「ごめんね。突然でびっくりして」

「でも意外と弱いみたい」

「だったら慣れれば大丈夫かな?」

「うんうん」

 そう言う彼女達もそう言うが、まあ大丈夫だろう。いざとなれば俺がソロでも……そう思った時、玉井さんが再度声をあげた。


「また来た!今度は3体ぐらい?」

「げっ!複数はまだちょっと……」

 そう言ってまたも未波の背後に隠れる4人。


「あっ」

 そこに現れたのは4体の群れを作ってこちらを伺っている狼であった。


小型の狼(リトルウルフ)か……これなら大丈夫だろ?」

「うん!じゃあサクッと倒して ―――」

「待って!あれなら隷属試してみたい!」

 加藤さんが狼に向かっていこうとした時、調教師の山崎さんが緊張しながらも前へ出ると両手を前に翳していた。


 山崎さんは[隷属]が使えるようになったが今のところ成功したのは角兎とスモールスライムだけであった。目の前の狼もさっきの鼠ぐらい弱いなら[隷属]できるかもしれない。


「おいで。怖くないよ」

 そう言いながら緊張して顔を強張らせている山崎さん。


 その光景にちょっと笑いそうになった俺は頬に力を入れて堪えていた。背後で「ぶふっ」と加藤さんの声が聞こえたので俺も堪えきれずに吹き出してしまう。


「ちょっと!佐田君ひどくない?」

 顔だけこちらを向けた山崎さんが文句を言うがその顔は赤くなっている。


「いやだって、加藤さんが……」

 そう言って加藤さんを見ると、加藤さんは俺を無視して狼の方に向かって歩き出していた。


「[隷属]できたねー。かわいー!」

「うん。これで先行させて、鼠出たら分かるから心構えできるよ!」

 その言葉に鼠嫌いの3人もホッとした表情を見せていた。


「山崎さん、まだ数匹いけそう?」

「うーん、今無駄に[隷属]してた外の何匹か開放したから、まだ2~3匹はいけるかな?」

「そう。じゃあこのまま慎重に進もうか」

 そう言って俺達は先へと進み始めた。


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