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[完結]引きこもりの少年は異世界で森に引きこもる、はずだった。~幼馴染の聖女の為になし崩し的に異世界を連れまわされた件~  作者: 安ころもっち
第二章・大森林争奪戦

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24.新たな生活 01

2025/1/30 19:40 前話に [第一章・登場人物紹介] を割り込みさせていただきました。


 あの襲撃から2週間が過ぎた。


 初日に何とか[城壁]を駆使して女性陣が眠れるだけの小屋を作成した。

 俺はルリに抱かれて壁にもたれて寝た。


 翌日から、ルリに手伝ってもらいながら狩りをしていた。

 もちろんお肉の補充と能力値を上げるためだ。


 午後からは建物を追加してゆく。

 少しづつ元通りにはなってくるが、女性陣との共同生活に幾分居心地が悪い。拠点内に俺専用のスペースを作って引きこもろうかな?まあ実際そんなことをやろうにも、朝になれば未波が起こしに来るのだろう。

 きっと未波は、俺の事を出来の悪い弟のようにでも思っているのだろう。


 2週間もするとすっかり拠点は元通りになった。

 毎日の食事は宣言通り調理師クラスの野村さんが担当している。本当に美味しい料理ばかり作ってくれるので今までの肉を焼いて塩味をつけただけの食事には戻れそうにない。


 影術師クラスの玉井さんに何度か帝都の雑貨屋に買い物を行ってもらった。その資金は冒険者ギルドに素材を納品して得た金だ。冒険者ギルドの話を聞いた時、やっぱり魔物がいる世界にはそう言うのがあるのだなと興奮した。


 未波達が城で支給された魔導具である魔法のバッグには、凡そ1畳分程のものが詰め込めるどうなので、森の大猿(フォレストモンキー)などここらの強敵と言われる魔物を適当に解体し毛皮や骨、魔石など入れて納品していた。

 猿はかなりの高額になったようだ。やっぱりこの森の素材はかなり珍しい類いの素材のようで、納品時にはギルドマスターに呼び出され彼是と聞かれたようだが、未波が聖女クラスだと言うと納得したそうだ。


 森を抜けるまでの行き帰りでは、護衛を兼ねてコガネが玉井さんを乗せて移動してくれている。女性陣とコガネ達はすっかり打ち解けたようで、ルリを含めてガールズトークを楽しんでいるほどだ。

 俺はコガネが雌だという事すら意識してなかったのに。


 玉井さんの買い出しのおかげでフライパンなどの調理器具を始め、食器類などもそろえることができた。何より石鹸が売っていたのが嬉しかった。高かったらしいけど。俺用のナイフと剣、胸当ても買ってきてもらっている。

 上着は街から購入した物を利用しているが、下着類は相変わらずルリが作成した物を身に着けている。それに慣れてしまった俺にはこの世界の下着は無理だった。女性陣もルリにおねだりして履いているらしいが、そう言った話を俺の前ではしないでほしい。


 一応は装備も整いこれで多少は狩りやすくなった気がするが、結局はルリに捕獲してもらって殺るだけで今までと代り映えはしない。というかこの森の魔物は強いものだらけだと言う。

 未波達も戦闘系のクラスではないので、結局はルリとコガネに手助けしてもらい、修行中という感じだ。俺達だけで狩るなら森の外周辺りで狩るか、たまに出る角兎とスライムを狩るぐらいだろう。


 非効率的なのでルリ達に思いっきり甘えているが、いずれ何とかなるだろう。例え引きこもりという意味不明なクラスであっても、異世界人な俺達はきっとこの世界の冒険者よりはチートな存在になれるはずだ。

 そう思うことにした。


 5人の中で玉井さんだけは他中学の出身で今回が初対面であったが、そもそも中学時代は他の4人ともほとんど関わってこなかったので未波以外の4人はほぼ初対面と言っても良いだろう。


 だが4人は未波から色々聞いていると言うので、そう言った一方的に知られている状況がさらに居心地の悪さを加速させていた。


 それでも徐々に話をするようにと、未波が4人と一緒にやってきて、今後の事などを話し合うこともあったが、最終的には未波とだけ話す感じになっていた。周りからニヤニヤした視線を向けられるが、何がそんなに面白いのか?

 多分だが俺が挙動不審になるのが楽しいのだろう。


 あー、気ままだったあの頃に戻りたい。


 そんな生活を続けていた俺は、未波達がランクが上がったという話をしていたので珍しく気になって聞き耳を立てていた。すぐにばれてその輪の中に入らされた。加藤さんの手によって。

 女性陣は冒険者として登録しているようだが、今回の納品で遂にCランクまで上がったそうだ。よく分からないが、Cランクになれば一流の冒険者と認められるらしく、それ以上のランクについては試験があるらしい。


 面倒なのでCランクのままのベテラン冒険者もいるらしいが、大抵はさらに上を目指すという。この森の魔物は基本ランクが高く、ギルドへの貢献度も高いため5人は異例の早さでのCランクとなるそうだ。

 5人はパーティ登録をしていうる為、全員のランクが上がるらしいことも、異世界あるあるだなと思った。


 そんな話を聞いていると思わず俺も冒険者登録したくなるが、正直指定された依頼をこなす気もまったく無いし、それ以上に人の付き合いをするのもしんどいので諦めた。


 そんな5人だが、今回はギルドマスター直々に「ぜひ指名依頼を受けて欲しい」と伝言を受けたそうだ。俺は邪魔にならないように息を殺していたが、結局意見を求められ、5人の視線が向けられ緊張してしまう。


「で、その護衛任務なんだけどね。依頼主の情報も集めてきたんだけど、子爵家のボンボンらしくて、私達が女だけで5人組のパーティを組んでいることを聞きつけて、ギルドマスターに依頼を出したそうなんだ。……カツキくんはどう思う?」

「いや、どうって言われても、そのボンボンのことも全く知らないし……」

 俺を未波以外の4人がニヤニヤしてみている。


「ちなみにそいつはかなりの女好きみたいよ」

「えっ、それは……」

 俺はちらりと未波を見てしまう。


「もしかしたら私達の体が目当てなのかもね?貴族のボンボンだからねー」

 加藤さんがそんなことを言っている。


「いや、それは、あまり良くないかもしれない、かな?」

「何が良くないの?」

 そんな加藤さんの質問と他の4人の何かを期待する視線に、俺の心臓がバクバクと脈打ち汗が噴き出してくる。


「女好きのボンボンなんだよね」

「うんうん」

「じゃあ、危険かも、しれないかも」

「……まあ、で、どうしたら良いと思う?」

 なんだろう。期待していた返事と違う感じなのだろうか?見られすぎて緊張感に泣きそうだ。


「やめた方が、良い気もするけど、断れたりするのかな?」

「やめた方が良い?」

「う、うん」

「未波が心配?」

「「ふぇっ?」」

 突然の質問に俺と未波がびっくりしすぎて声を上げた。


「ぶふっ!息ぴったりじゃん!」

 野村さんがそう言って笑いだしたのを、未波がバシバシ叩いている。


 結局、その話は野村さんがすでに断っているという報告により打ち切られた。なんの時間だったんだ。そう思って流れる汗をぬぐっていた。


 それが、後々問題になるとも知らずに……


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