表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/54

もう無理マジ死にたい……


「……学校行きたくない」

「何馬鹿なこと言ってんのおにぃ!」


9月。

夏休みが終わり、高校1年の2学期がついに始まってしまうこの日。


「もうマジ無理死にたい……」

「もうっ! そんな程度で死なないの!」

「だってさーひまー……」

「心春ちゃんにフラれたくらいでいつまでもウジウジウザい!」

「ぐぅっ……!!」


俺は、妹の日向咲(ひまわり)に、早く用意をしろと急かされていた。

しかし妹よ……お前それ言ったら……戦争だろうが……っ!


「ひまてめぇ! 俺が今一番気にしてる事をっ!」

「ぎゃー! セクハラ! 胸触んな! お母さんに言いつけてやるからねっ!」

「ごめんなさいそれだけはやめてください」

「ふんだ……さっさと準備しないと、遅刻するんだから!」


バタバタと部屋を出て行く日向咲を見送り、もう一度ベッドへと横になる。

はー……ほんとに行きたくない……いや、正確には行きたくないんじゃない。


「心春に会いたくない……」


終業式の日に心春にフラれてから1ヶ月半。

こんなに長い間、あいつと会わなかったのは初めてだった。

今更、どんな顔をして話しかければいいのか。

夏休みの間、俺は当然として、心春からもなんの連絡もなかったところを見るに、俺と同じ気分なんだろう。


「はぁ……遅刻ギリギリに行けば、心春に会わなくて済むかなぁ……」


どちらにしろ、いつもの待ち合わせ場所に、心春がいることはないだろう。

学校でも出来る限り話す必要がないように気を付けて……あとは……。


「時間が解決、してくれんのかねぇ」


1ヶ月経っても未だジクジクと痛み続ける傷口に手を当て、俺は一人、項垂れた。

ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ