もう無理マジ死にたい……
「……学校行きたくない」
「何馬鹿なこと言ってんのおにぃ!」
9月。
夏休みが終わり、高校1年の2学期がついに始まってしまうこの日。
「もうマジ無理死にたい……」
「もうっ! そんな程度で死なないの!」
「だってさーひまー……」
「心春ちゃんにフラれたくらいでいつまでもウジウジウザい!」
「ぐぅっ……!!」
俺は、妹の日向咲に、早く用意をしろと急かされていた。
しかし妹よ……お前それ言ったら……戦争だろうが……っ!
「ひまてめぇ! 俺が今一番気にしてる事をっ!」
「ぎゃー! セクハラ! 胸触んな! お母さんに言いつけてやるからねっ!」
「ごめんなさいそれだけはやめてください」
「ふんだ……さっさと準備しないと、遅刻するんだから!」
バタバタと部屋を出て行く日向咲を見送り、もう一度ベッドへと横になる。
はー……ほんとに行きたくない……いや、正確には行きたくないんじゃない。
「心春に会いたくない……」
終業式の日に心春にフラれてから1ヶ月半。
こんなに長い間、あいつと会わなかったのは初めてだった。
今更、どんな顔をして話しかければいいのか。
夏休みの間、俺は当然として、心春からもなんの連絡もなかったところを見るに、俺と同じ気分なんだろう。
「はぁ……遅刻ギリギリに行けば、心春に会わなくて済むかなぁ……」
どちらにしろ、いつもの待ち合わせ場所に、心春がいることはないだろう。
学校でも出来る限り話す必要がないように気を付けて……あとは……。
「時間が解決、してくれんのかねぇ」
1ヶ月経っても未だジクジクと痛み続ける傷口に手を当て、俺は一人、項垂れた。
ここまで読んでいただいて、ありがとうございます。