1/54
俺と幼馴染の心春ちゃん
俺には幼稚園の頃から、一緒に育った幼馴染がいた。
「はるきとこはるで、はるがおそろいだね!」
それが、幼馴染と話した初めての会話だったのを、今でもはっきりと覚えている。
これがきっかけで、彼女と仲良くなったようなものだ。
彼女とは小学校、中学校と同じ学校に通い、朝も二人で待ち合わせて登校するし、帰りも時間が合えば二人で帰る。
休日だってよく一緒に遊んでいたし、示し合わせたわけでもないのに高校まで同じ!
となると、当然こう考えると思うんだ。
「もしかして……あいつ、俺のこと好きなんじゃないか!?」
ってね。
もちろん俺はずっと彼女が好きだったし、これはもう行くしかないだろう、と!
とは言え、今はまだ早い。
二人とも高校生活に慣れた、1学期終了前が勝負所だ!
そうして舞い上がった俺は、断られることは100%ないと考え、二人で楽しむ夏の計画を念入りに立て……。
「ご、ごめん……ぼく、ハルのこと、男の子として見たことない……」
「へぇ……?」
あっさりとフラれ……。
こうして俺、天方 日葵の三枝 心春への初恋は、あっけなく終わりを告げた……。