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夢数夜  作者: 厭堂 疎
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第六夜 寝肥り-ねぶとり

 目を瞑って横になっていると、右腕がだんだん膨らんで重たくなってくるような気配がした。


 おや、と思いながらも目を開けずにいると、今度は左腕まで重たくなってくる。

いよいよ寝苦しくなって寝返りを打つと、両腕はどんどん大きくなって布団に沈み込んでしまった。それでも膨らむのは止まない。

 腕を動かそうと思ってもさっぱり力がはいらず、もう動けなくなってしまった。


 そうしている内に、じりじりと妙な感覚が腕から足に移ってきた。

温かいような痺れるような感じが広がって、足も腕もどんどんと嵩を増していく。

どんどん嵩を増しながら、溢れた溶岩が冷えるように外側からじわじわと固まっていって、そうして私は頭を残したまま、体中がぶわぶわと大きな石になってしまった。

 ほんの少しの間に起き上がることも出来なくなってしまったので、一体これはどうしたものだろうか、と考えた。


 すると部屋のどこからか、碁石のように小さな鼠が一匹出てきて、わたしの左の爪先をちょん、と囓った。

その破れ目からふぅっと空気が抜けて、たちまち体は元に戻っていた。



-了-

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