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夢数夜  作者: 厭堂 疎
2/9

第二夜 柿の木-かきのき

残酷な描写あり(保険)

 宛てもなくぶらぶらと散策していると、「落ちるぞ」と声がした。

何事かと思って振り向くと、柿の木に男の生首が生っている。

生首は「ほうい」と声を上げると、そのまま木から落ちてぐちゃりと潰れた。

 唖然としながら見ていると、どこからともなく小さな赤い蟹たちがガサガサと湧いて、潰れた生首を残さず食べてしまった。

そしてガサガサガサと草むらに消えていく。


 見上げるとまたさっきと同じ生首が、さっきの枝にさっきと全く同じ格好で生えていた。

 柿の根本から「落ちるぞ」と、さっきの声がする。

それに生首は「ほうい」と返事をすると、茎からぷつりと離れて落下した。ぐしゃりと潰れて、辺りに血や肉や、よくわからないものが飛び散る。

 そこへまた蟹が湧いてきて、アスファルトに散った生首を全部こそげて食べてしまう。


 4回ほど繰り返したのを見たところでふと我にかえると、辺りはすっかり日が落ちて、星が光りはじめていた。

道にはもう生首も蟹もなく、熟れた柿が落ちているばかりだった。



-了-

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