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21.闇に差す一条の光≪ネスティ視点≫

 翌日から再び始まった討伐は、熾烈を極めるものだった。

 懸命に討伐をしていても、魔物は益々増えていくばかりで、一向に減る気配を見せないのだ。


 しかし、ミアが告げたのだ。

 精霊王が、平原中央に行けと言っている、と―― 


 その言葉に従い進軍してはいるが、不安は拭えない…。

 これだけの魔物が溢れていて、未だに中心地を発見したという報告は無いのだ。

 魔術師によって齎されるものは、発見できず、の報のみだ。


 いったい…何が起こっているのか…。


 辺りを一瞥すると、まるで追い込まれるかのように平原中央に向かい討伐を進めている。

 

 誘い込まれているのか…?


 疑問に思うも、その問いに明確な回答を示すものはいない。

 唯一、精霊王の声を聞くことの出来るミアは、一団を先導するかのように力を奮い魔物を一掃しているのだ。

 

 その様相に、背筋を冷たい汗が流れる―――


 このまま、進んでいいのだろうか?


 私ことネスティ・ブレイクスは、不吉な予感を振り払うように、聖女を守りひたすら魔物を切り付けていた。




 私達が中心部に辿りついた時、すでに平原は一変していた。

 平原を埋め尽くさんとする魔物の群れ。そのすべてが、中心部に向け進軍してくるのだ。

 しかし、その魔物にも変化が訪れていた。

 私達が到達した中心部一帯を取り囲むように集まりつつあるのだが、なぜか、ある一定の場所よりは侵入してこないのだ。

 ミアは、「精霊王がここに魔物が来ないようにしてくれている」と言ってはいたが、それを信じても良いのだろうか?


 疑心に思いながらも、私達はそこに結界を張り巡らし、魔物の脅威と戦いながら一夜を明かした。






 ―――実りの季節3の月、1巡の4日。


 辛うじて難を逃れてはいるが、生き残っている者達の精根は既に尽きかけていた。

 静観している魔物がいつ再び行動を起こすのか分からないのだ。

 結界の外に目を向ければ、この中心部を取り囲むかのように未だに魔物が大挙してきている。その数は、ざっと見ても数十万――絶望的な数だ。


 魔物が、倒れ伏した騎士や冒険者を無残にも踏みつける姿も見える。自分が、今生きている事の方が奇跡と思えるような現実が目の前に広がっていたのだ。

 

 犠牲者を悼む余裕すらない。

 懸命に結界を張り巡らす魔術師の力が尽きた時、ここは落ちるだろう―――


 ふと視線を巡らすと、結界の外側で魔物と対峙しているミアがいた。

 騎士たちに守られ、すでに討伐を開始していたのだ。

 危険だと断じたらすぐにでも結界内へ退避できるよう側で討伐をしているのだろうが…あまりにも無謀すぎる。ミアからは、討伐がうまくいかない事の焦りが、ありありと浮かんでいるのだ。

 それでも、魔物討伐をミアに一任するしかない事も、事実なのだ。

 精霊の――精霊王の力を持ちえるのは、ここにはミアしかいないのだから…。


 我々は、あまりに無力すぎる…。


 何も出来ない事に苛立ちを感じながら、私は、現状を報告するため殿下の天幕へと急いだ。






「ネスティ、状況は?」


 天幕へ入ってくる私を見るなりエスリードは問いかけた。

 その声は、何処か焦りを感じさせる。


「駄目だ…。騎士団はほぼ壊滅、ここの結界も何時まで持つか…」


「…ここまで、かな」


 エスリードは誰ともなしにぽつりと呟いた。


「エスリード?」


「…いや、なんでもないよ。それよりミアはどうしている?」


 まるで問い詰められるのを拒む様に、エスリードはミアの事を訊いてきた。


「騎士に守られ、結界の外で魔物と対峙している…。力を振るってはいるが、あまり効果は上がっていないようだ…」


「想像以上の魔物の数に萎縮していると思ったけど、意外と強いね…」


「強いというか…殲滅出来ない事に苛立っている」


 エスリードの口調は何処か皮肉めいていた。しかし、その表情はずっと強張ったままだ。


「やはり、偽の聖女だと手に負えないみたいだね……」


「伝承に聞く魔物大量発生、ここまでとは思わなかった…」


 甘く考えていたのだろう…。

 伝承など、結局は文献にて得た情報でしかないのだから、真実かどうかなんて誰にも分からない。


 どうも、精霊王の言葉に踊らされているような気がするのだが…。 


「ミアは相当焦っているようだね。自分が聖女と思い込んでいる所為なのか、この現状が納得できないらしい…」


 私は、先ほど見たミアの姿を思い出す。懸命に何度も繰り返し力を奮う彼女の姿を…。

 それゆえ、エスリードに問う「…これで良かったのか?」と――


「ミアが望んだんだ。これで良いんだよ…」


 エスリードは、何処か後悔を滲ませた声音でぽつりと呟いた。

 本当は悔やんでいるのか? いくらシエラを守る為であっても、彼女を聖女としたことを…。


「エスリード…一つ訊く。ここからの撤退、可能と思うか?」


「…難しいだろうね。ミアの力が及ばないなら、もはや打つ手はない」


「…そうか」


 絶望とも取れる現状に僅かの希望でもあればとの願いは、あっさりと覆された。

 やはり、このままここで魔物と戦い続けるしかないのか……。

 覚悟を決めて戦い続けていたが…やはり辛いな。

 

「それにね、ネスティ」


「…ん?」


 二度と彼女に会えないのではないかと不安に駆られる私に、エスリードは視線を合わせてきた。

 そして、まるで自らに言い聞かせるかのように、毅然と前を見据え、言葉を紡いだ。


「私は、ミア一人にこの責を背負わせるつもりはないよ」


「エスリード?」


 エスリードの声には一片の迷いすらない。


「ミアを聖女としたのは私だからね。とっくに覚悟は出来ている」


 そう告げるエスリードは、今も戦い続けているミアを思いやっているのか、視線を天幕の外へと向けていた。


 覚悟を決めたのか?

 ここで、最後までミアと共に戦う覚悟を…?

 いや…もしかしたら、初めから――ミアを聖女としたあの時から、エスリードは既にこうなることを予期していたのかもしれない……。


 エスリードは視線を私に戻すと、申し訳なさそうな笑みを浮かべ「後悔してないのかい?」と問いかけてきた。自らの覚悟に、私を巻き込んだことを悔いているかのように…。


 本当にこの方は、非情に徹しきれないお方だ。

 シエラを…妹君を守りたいがためミアを利用しているように見せかけ、自らも覚悟を決めていたとは…。いや、シエラを守る為、自らをも犠牲にしようとしているのか…。


「何が……?」


 問いかけの意味を知っているにも関わらず、あえて問いかえす。


「ここに来たこと…」


「…していない」


 エスリードの目を見据え断言する。

 私も自ら望んできているのだ。今更、後悔などしない。

 このまま彼女に会えなくなるのは、辛くないと言えば嘘になるが、それでも――


「そうか…それを聞いて安心した。なんにせよ、シエラを巻き込む事だけはしたくないからね」


「ああ…シエラ、いや、ユーフィア様が無事なら、それでいい」


 そう、彼女を守る為なら、私はこの身を戦いに投じる事が出来る。


 エスリードと共に――




 事態が一変したのは、そのすぐ後だった。

 シエラを想い、エスリードに秘めた想いを言い当てられたその時、突然、大地が地響きを立てて揺れ出したのだ。

 

「なんだ!? この揺れは!」


 動揺している暇はなかった。

 感じたことのないその揺れに、すぐさま外に飛び出した。

 そして、目にしたものは――






「…なんだ、これは?」


 そこには、平原を覆い尽くすように、闇が広がっていたのだ。


「――っ!」


 隣に立つエスリードの息をのむ音が聞こえる。

 それと同時に、あわてたようにこちらへ向かい来る騎士の姿も目にする。


「どうした?」


「殿下! ここから急激に闇が広がっております。魔術師が言うには、この闇も魔力の塊という事です。それと今の震動と同時に、魔物が行動を開始しました! 団長が指揮し守りを固めておりますが、このままでは、結界が持ちません!」


 騎士の一人がエスリードの前に跪き頭を垂れた。

 その声は緊迫に満ちていて、伝える言が真実だと物語っていた。


「魔力の塊? この闇が?」


 エスリードは驚愕に目を見開き、辺りを凝視している。

 

 目の前に広がるのは、渦を巻き次第に拡大していく黒い塊。

 その中心が、この場所? いや…違う!


 私は、急いでミアの戦っているた場所を見た。

 だが、さっきまではいたはずのそこに、ミアの姿が見当たらないのだ。


 …いない?


「どうした、ネスティ?」


「ミアがいないのです。つい先ほどまで、そこで戦っていたはずなのですが…」


 私の指差す方角には、大量の魔物が結界に張り付き、今にも突き破ろうとしている姿が映るだけだ。


「聖女は今どこにいる!?」


 私の気迫に押されたのか、伝達に来た騎士は一方を指し示す。


 先ほどより、さらに結界から離れた場所にミアはいた。


「なぜ、あんなところに!」


「魔物を殲滅すると意気込んで自ら魔物に向かっていかれました。同行していた騎士たちは全滅です。聖女様は、精霊王の力に守られてご無事ですが、このままではっ!」


 そこには、魔物に囲まれ身動きの取れないミアが、懸命に力を奮っていた。

 辺りには、ミアを守り命を散らしたであろう騎士たちの亡骸が横たわっている。

 ミアは、気丈にも魔物と対峙し続けていたのだ。しかし―――


「なんだ、あれは…?」


 騎士の一人が呟く。


「聖女の周りから…闇が溢れて…いる?」


 恐れ戦く騎士たちの間に動揺が広がっていく。


「ネスティ、これはどういう事だ? 精霊王の力を奮う彼女から、どうして闇が広がる?」


 エスリードの問いかけに私は答える事が出来なかった。

 ただ呆然と聖女を…闇をまき散らすミアを見ている事しか出来なかったのだ。


 そう、闇は――ミアを中心に溢れていたのだ。


 そして、再び襲い来る大地の揺れが、この地を守っていた結界をすべて消失させた――






「どうして!? どうして、わたしに殲滅出来ないの! 光の精霊王、聞こえてるんでしょう? 応えてよ!」


 ミアの叫びが聞こえる。

 この声に応じるように新たな闇が生まれる。


「どうしてこんなに力を使ってるのに魔物が減らないのよ!」


 ミアは、焦りからなのか、しゃにむに力を奮い続けていた。

 しかし、その力を奮えば奮うほど闇が溢れて来るのだ。


「結界を張れ!」


 消失した結界により、この地は魔物が跋扈しだしていた。

 騎士の一人が声を張る。それに応えるように再び結界が張られ始めた。しかし、襲い来る魔物の数に押され、思うようにはいかないのが現状だ。

 私は、ひとつの覚悟を決めた。


「殿下を頼む!」


「ネスティ!」


 止めなければ――!


 ミアを止めない限り、闇は生まれ続ける!

 私は、エスリードの静止を振り切ってミアの元へと急いだ。


「戻れ、ネスティ!!」


 僅かに背後を見ると、エスリードの周囲に結界が張られていくところだった。

 残っている騎士たちや冒険者もエスリードの周りに集まりつつある。

 

 これで少しはもつだろう……。

 私を見つめるエスリードの目が、悲痛に歪んでいるのが分かる。


 お叱りは後でいくらでも受けますよ、エスリード。


「如何なさいます、ネスティ様」


 私に同行している騎士たちに目を遣る。

 いずれも隊長クラスの兵達だ。彼らの瞳に迷いなどはない。すでに覚悟を決めているのだろう。私は、ミアを見やると一言告げた。


「聖女を止める!」

 

 その言葉に力強く頷く彼らと共に、私は、襲い来る魔物に向かい剣を振るった。

 


 



 どれくらい倒しただろうか、ミアまでの距離は僅かなのに、まるで邪魔するかのように襲い来る魔物に押しとどめられ、先に進めない状態になっていた。

 その間にも、傷つき倒れゆく騎士たちが何人もいた。私を守るように魔物に立ちはだかる騎士もいた。しかし、それを悲しみ、立ち止まるわけにはいかないのだ。

 私は感情を押し殺すように剣を振るいミアを見た。


 ミアは、精霊王と話しているのか、ますます憤りを増していた。

 魔物を倒し、ミアを止める事だけを考えていた私には、その内容までは伺いしれないが、ミアから溢れる闇が濃くなってきているのは、漠然と感じていた。


 早くミアを止めないと――!


「いやぁぁぁぁぁ―――――!」


 次いで響いた悲鳴にはっとする。


「今の声は…?」


「ネスティ様! 聖女様が!」


 私と同行していた騎士の一人が悲痛な声で叫ぶ。

 

 そして飛び込んできた光景は、目を疑うような現実だった。


「なんだ…あれは?」


 項垂れ、精霊王と思しき青年に抱えられたミアから、空を覆い尽くすかのような大量の闇が出現したのだ。そしてそれは、しだいに巨大な球体を切り取ったかのような形を成し、私たちを閉じ込めるように地上へと降りた。


「…これは?」


 辺りは、暗闇と静寂に支配された。




 僅かに目が慣れてきた頃、ひとつの変事に気付く。

 魔物が襲ってくることがなくなったのだ。

 目を凝らし、闇の中を凝視すると、あれほど襲いかかってきていた魔物が、ゆっくりと後退していくのが見えた。まるで、この地から離れていくように、次から次へと散っていく―――


「何が……起こった?」


「ネスティ、無事か!?」

 

 呆然と魔物の行動を見ていた私に、結界を抜けてきたエスリードの声がかかる。

 エスリードは、魔法で僅かな光を灯す。

 それにつられ、周りに集う騎士たちも光を灯し、辺りはぼんやりとした明かりに照らされていった。


「殿下…」


「まったく…君は無茶をする…」


 呆れた口調のエスリードの表情からは、警戒の色は消えてはいない。

 エスリードは、私の体を一瞥すると、すかさず回復魔法を唱える。知らないうちに、相当の怪我を負っていたらしい。


「いったい何が起こっているのですか? これはいったい…?」


 感謝の言葉を告げながら、エスリードに問う。


「中心地――」


「―――!」


 中心地? この闇が中心地だというのか!?


「先ほど、ミアとの会話で精霊王本人が言っていた。聞いていなかったのか?」


「魔物を倒すのに集中していましたから…」


「ミアは、中心地を生む為に…利用された」


「利用された…?」


「中心地を生み出したのは、ミアの力を利用した光の精霊王本人だ」


 まさか…! という思いがよぎる。

 精霊王が中心地を生むなど聞いたことが無い――!

 それを目の当たりにしたとして、迂闊に信じられるものでもないが、ミアを抱える精霊王からは、圧倒的な威圧を感じるのだ。人を拒絶するかのような威圧を…。


 私は、ゆっくりと精霊王に視線を向けた。

 闇の中でさえ光輝く金糸の髪。瞳の色は遠すぎて判断できないが、その長い金糸の髪を靡かせて、精霊王は、ミアを抱えたまま、じっと一点を見つめていた。

 遥か遠くを見通すような目で、ただ、一点を見つめ続けていた―――




「殿下!」


 騎士の一人が慌てて近づいてくる。その顔は蒼白だ。


「どうした?」


「魔術師の一人がここは危険だと…。すぐにでもここは、魔物で溢れかえると言っております!」


「どういう事だ?」


 静寂に満ちる中心地内部に、騎士の悲痛な声がこだまする。

 エスリードは、何かを考え込むように思案した後、表情を一変させた。


「…魔物は、中心地より広がる? まさか…ここから魔物が生まれるというのか?」


「はい! 魔術師たちは、直ちに結界を張り巡らせるための準備に入りました、が、この中では無意味とも言っていました!」


「解った! すぐにでも、中心地から離れる。騎士たちに伝達。退路をさがせ!」


 エスリードの号令で、騎士たちは活動を再開した。

 



 ――しかし、すでに時は遅かった。

 魔物は生み出され始めていたのだ。

 中心地のあちらこちらで、それらは、まるで空間を引き裂くかのようにして出現し続けるのだ。


 逃げる余裕などない。

 中心地内部は、瞬く間に魔物で溢れ返っていたのだ。


 私たちは――私は、魔物と戦いながら最後を予感した。

 おそらく、ここから生きては帰れないだろう。

 次々と倒れゆく騎士や冒険者を見やり、私は背中合わせで剣を振るうエスリードに視線を向けた。


 彼は不敵に笑っていた。

 後悔はない、とでも言うように、笑みを浮かべて戦っていたのだ。


 その様相に私にも笑みが浮かぶ。


 ミアは、精霊王に抱きかかえられ気を失っているようだ。

 僅かだが、その手がまるで救いを求めるかのように動いていたのだ。


 ミアは生きている――


 精霊王は、ミアを殺すつもりはない…と、なぜかそう思う。

 その力を利用するためであっても、己が力を与えた彼女を死なすはずはないと確信するのだ。その証拠に、ミアを腕に抱え見つめる精霊王は、心配げに僅かにその表情を曇らせていたのだから…。


 たとえ私たちがここで果てても、ミアはきっと精霊王が守ってくれるだろう。


 ミアは、大丈夫だ――


 その事に安堵すると、自然と笑みが零れた。

 

「ネスティ!」


 叫ばれた声に、私は、再びエスリードに視線を向ける。


 そして、顔を見合わせると微かに頷き、次いで襲い来る魔物に向かい――剣を一閃させた。






 時は無情にも過ぎていく。

 魔物は容赦なく襲い続け、そして、倒した数以上の魔物が新たに生み出されていく。

 もう、私には周りを見る余裕などない…。

 幾度となく魔物に切り付けられ、すでに立つのも困難な私を、エスリードは守りながら剣を振るっていた。そのエスリードさえ、すでに満身創痍だというのに――


 エスリード、いったい何をしているのですか…?

 私の事より、ご自身をお守りください…!


 心の叫びは、エスリードには届かない…。

 ただ、声も出すことさえ叶わない私を、悲痛な眼差しで見ていた。

 私は、微かに笑みを浮かべると、ゆっくりと力が抜け落ちていくのを感じていた。


「まだ、倒れる事は許さない! しっかりしろ、ネスティ!」

『ネスティ様!!』


 薄れゆく意識の中、エスリードの叱咤と共に、私を呼ぶ声が聞こえた。

 ここにいるはずのない、懐かしく、そして愛おしい――彼女の声が…。


 …シエラ――


 そして、意識が途切れるその瞬間。




 中心地に、魔物で溢れ返る闇の空間に―――一条(ひとすじ)の光が差し込んだ






ありがとうございました!





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