プロローグ
人類の技術発展はめざましい。それについてここで述べる必要はないだろう。
その原動力とは何か。
欲望である。満たされることのない欲が、どこまでも人を突き動かす。その渇きを癒すためなら他者を傷つけることもいとわず、限りある資源を蕩尽し、その果てに一時の安らぎを得る。
実に、すばらしいことだ。
知りたくはないか、その欲望の正体を。
ここにおもしろい言葉がある。「七つの大罪」。人間を堕落させる欲望を戒めるために作られた言葉だ。しかし、仮にそういった悪しき感情こそ人間の本質だと考えるとしよう。そのとき、人間の欲望はこの七つにカテゴライズされる。
そして、その七つの欲望のうち、どれが最も強い“力”となるか。気にならないだろうか。
そこで一つのゲームを催すことにした。七つの大罪の頂上を競うゲーム。
と言っても、取るに足らないお遊びのようなものだ。こんなもので人間の欲望を計ることができるとは思っていない。サンプルの一つにでもなればいいと考えている。どうか君もあまり気負いせず、気軽に目を通してほしい。
挨拶はここまでにして、要件を伝えよう。おめでとう、君には今回、ゲームのプレイヤーとしての参加資格が与えられた。これは決定事項だ。君に拒否権はない。次の武器の中から好きなものを選んでくれ。
1.剣
2.鎖
3.鋸
4.棒
5.鍵
6.釜
7.灯
なお、どれも選ばなかった場合はこちらで勝手に決めさせてもらうのであしからず。ゲームの開始時間は明日の12:00だ。詳細はそのときに連絡しよう。
では、また。