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この世界の住人じゃない俺だけが最強形態《オメガ》に変身できる  作者: mr.iwasi


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復活(第一話)

Fate is not done yet.


Project Billion is over.

But fate? …It’s not done yet.


その一文は、機密記録の最終ページに残されていた。


――1年前


瓦礫の街。

炎は消え、戦いは終わったはずだった。


「……終わった、のか?」


宇佐美啓太郎は、崩れた建物の前に立ち尽くしていた。


Project Billion。

世界を救うために始まり、

世界を壊しかけた計画。


後藤龍馬――

その中心にいた男は、死亡が確認された。


「兄さんは……もう……」


その場に膝をついていたのが、

後藤孝太朗だった。


龍馬の弟。

計画に巻き込まれ、すべてを失った青年。


啓太郎は、何も言えなかった。


孝太朗は泣かなかった。

怒りもしなかった。


ただ、空を見上げて、こう言った。


「これで……終わったんだよな」


その声は、やけに静かだった。


――数か月後


Cicada内部・極秘会議室。


「後藤孝太朗、1年前に消息不明。その後も、連絡が取れない状況です。」


淡々と告げられる報告。


「死亡確認は?」


「……できていません」


啓太郎は、その名を聞くだけで胸がざわついた。


「生きてる可能性は?」


「ゼロではない」


それだけで、十分だった。


――現在


夜の都市。

雨に濡れた高層ビルの屋上。


宇佐美啓太郎は、縁に立っている。


「Target confirmed」


低く英語で呟く。

任務開始の合図。


コードネーム――ナンバー6。


「ナンバー6、侵入を許可」


インカム越しに、浅沼美兎の声。


「Roger」


ワイヤーを展開し、闇へ降下する。


――Clear.


着地。


だが。


「……警備が薄すぎる」


嫌な予感。


次の瞬間、照明が一斉に点灯した。


「っ!」


銃口。

だが、引き金は引かれない。


代わりに、聞き覚えのある声。


「久しぶりだな、啓太郎」


影から現れた男。


啓太郎の呼吸が、一瞬止まる。


「……孝太朗?」


後藤孝太朗。

失踪したはずの親友。


「生きて……たのか」


「さあな」


孝太朗は、曖昧に笑った。


その笑顔は、

記憶の中の彼と、どこか違っていた。


美兎が緊張した声で割り込む。


「ナンバー4……なの?」


「一応、な」


一応?


啓太郎の背中を、冷たいものが這う。


「Project Billionは終わった」


啓太郎が言う。


孝太朗は、少しだけ間を置いて答えた。


「そう思ってるのは、人間だけだ」


その言葉に、

啓太郎は確信する。


――戻ってきた親友は、

もう“同じ存在”ではない。


Project Billion is over.

But fate? …It’s not done yet.


その言葉は、

今度は現実として、彼の前に立ちはだかっていた。

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