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修行③空を飛んでみよう

「今日もいい天気だ・・・・・」

小鳥がチュンチュン囀っている。お茶の香りを楽しみながら俺は一人の幸せを噛みしめる。

「今日も平和だ、これが俺の望む平和・・・」

お茶を一口飲む。芳醇な茶葉の香りが口に広がる。

「おはようございます!師匠!」

今日はちゃんとした格好で出てきている様子だ。

「今日はきちんとしているな、だがもう八時だ・・・・・・飯を食え」

マナは朝起きるのが遅い。こっちは六時には起きて朝食を作っているというのに。この弟子は一体何様のつもりなんだろうか・・・・・

「いかんいかん、お茶を楽しまねば・・・うん、うまい」

茶葉に癒しを求める。


「さて、今日は受け流しの練習だな。北部騎士団の悪いところでもあるが、受けるのが主になっているな」

俺はテープでぐるぐるまきにしたコエダカリバー(仮)を構えた。

「うっ・・・今日もその小枝なんですね・・・はい、前そこで訓練したもので」

マナは明らかに嫌な顔をしている。この枝すごく硬いんだぞ?

「そこで一つ、改善すべき点がある。今日は俺が打つから流してみなさい。いくぞ」

すっとマナの懐に入り、横薙ぎ、袈裟斬りを繰り出す。マナはなんとか食いついている。

「ちゃんと相手を見ろ、全体だ。相手の起こりを見ろ」

「そんなこと言ってもぉあぉぉぉひゃぁああぁぁぁ」

軽く打っているものの、マナは必死でさばいている。目がキマッている。

「いいぞ、そうだ、相手をよく見て次の攻撃を読め、次は?」

「右ですぅぅうひぃぃいいいいい」

とてもうるさい。だがちゃんと見ている様で攻撃には対応できている。

「よし、打ち合いはここで終わり。騎士団で言う柔剣だな。しなやかに剣と体を動かし相手の行動を制御していくんだ」

「ブハァ!!ゲホゲホゲホ!!!」

マナは息をするのを忘れていた様子で死にかかっている。

「良い集中力だ。では真髄をお見せしよう。マナ、木刀をこちらに」

「げほげほ・・・ああ、はい・・どうぞ・・・って・・え?私が小枝なんですか????」

マナの声を聴かなかったことにし、木刀を正面に構えた。

「打ち込んでこい」

「え、いや、小枝ですよ?あ、でもこの小枝結構重いな・・・・ええい、しねえええええええ!!!!!でりゃああああああああ!!!あへっ!?」



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私は小枝を渡され・・・奴に切りかかったんですよ。小枝だから殴りかかっただけ?かもしれませんね。

でも気付いたら空に居たんですよ。私ついに死んだんだと、魂が空を飛んで行ったんだと思いましたよね・・・・

でも違ったんです。私空を飛んでたんです。あの浮遊感は今でも覚えていますよ。いやぁ元の世界でバンジージャンプしたとき、あの感覚ですね。ハハハ。バンジージャンプとは何か?糸でパーンと飛ぶんですよ、ハハハ


マナがのちにギルドの伝説として語り継ぐおとぎ話の始まりである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「びゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ」

うん、今日も高く飛ばした。20mくらいか。調子が良い。

「どうだーーー、わかったかーーー」

「わかるわけがああああああああねぇだろおおおおおおおおおおしぬううううううう」

マナはとても楽しそうだ。俺も満足した。人を飛ばした時の最高記録かもしれない。何より普段のストレスがすっきりしたような気がする。

「あああああじめんがあああああああああ・・・・ふぇぇぇ・・・・・」

うるさいのが止んだ。どうやら気絶した様子だ。俺はマナをキャッチする。所謂そよ風の応用だ。

「どうだ。ちゃんと見たか?」

お姫様抱っこされているマナに話かけるも、目が反転し反応がない・・・残念だ。


マナが目を覚ましたのは20分後。小枝でぺちぺち叩きにきた、痛い。

「死ぬかとおもいましたよーーーー、というか死んだと思いましたーーーーー、なんですかこの糞硬い小枝はーーーー、なんでテープ巻いたとこ再生してるんですかーーーー、なんで人が空を飛ぶんですかーーーー」

どうやらまだ現実を受け入れてない様子。マナを外に引きずって行き立たせる。

「身体の起こりを見るんだ、そして相手の力と自分の力を同じ方向に合わせると・・・飛んじゃうよね?いやほらだって、上に飛ばさないとミンチになって死んじゃうからさ・・・」

俺は苦笑いをする。

「・・・・・」

マナはこちらを見ながらドン引きしている。


そのあとマナはまた何かを叫びながら夜まで素振りをしていた。



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