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修行②小枝を折ってみよう

「ああ、静かな朝だ・・・」

俺はお茶を片手に小鳥の囀りを楽しむ。

昨日は大変精神的に疲れ果てたので、夕食を済ませ早々に就寝した。

「これが俺の望んでいた平和・・・・このお茶というものも良い香りだ・・・ん?なんだこの紙は」

この世界の依頼書は白紙であり、冒険者タグの魔力を感知して表示される仕組みになっている。

「依頼書か・・?誰が置いていったんだろう。どれどれ・・・近衛兵訓練依頼・・?めんどくさいのがきたなぁ・・・あいつら弱いから訓練するのも大変なんだよな」

はぁ、と大きなため息をつき気付いた

「となると、この手紙を置いていったのはあの二人のどっちかか?寝てたから気付かなかったのか・・・」

思いを巡らせていると

「おはようございます師匠」

寝ぐせだらけのマナが起きてきた。胸元がはだけているのが無駄に色っぽく癪に障る。

「ちゃんと身支度してから起きてこい。飯はそこにある」

「はぁい・・・」

そう言い残すとマナは洗面所に消えた。

「俺の優雅な朝もここまでか」

あきらめて外に出て空気を吸う。ふと魔力探知に動かないものがずっと放置されているのが気になった。

「なんだ、えらいでかいものが落ちているなぁ、見に行くか」

20秒ほどで現地に到着する。

「・・・・キマイラじゃねぇか」

そう、倒されていたのはキマイラである。

「槍っておい、これファイアランスじゃねぇか、しかもこの大穴。どうみてもあいつだろう」

そう、このような芸当ができるのは同じパーティーだった魔法使いだけである。

「どうりでややこしい依頼書があるわけだ・・・はぁ・・・平穏が崩れていくな・・・帰ろう」

気分は落ちたが、この森の空気は悪くない。のんびり歩いて帰るとマナが外に出ていた。

「師匠、そろそろ剣の修行をしましょう」

マナが無駄にやる気を出している。

「はぁ・・・やるか」

俺も少し気合を入れる。


「ではまずは、少し俺に打ち込んでみろ、障壁は使わない。単純な剣技で受け流してみる。」

すっと小枝を正面に構える

「ふはは、舐めてもらっては困る。いくぞおおおおおお!!!!」

「・・・・こいつ切りかかる時はこんなキャラなのか?」

昔・・・パーティにいた異世界人が話していた内容を思い出す


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「中二病っていうのがあんねん。大体13歳くらいから発症する恐ろしい病気でな。悪とか正義とか、ぐっ俺の右腕が・・とか。言い出してしまうねん。それを引きずると高二病や。これもまた痛い・・・」

「ああ、涼子ちゃん・・・・それって加奈ちゃんのことだよね・・・あの子クールぶってるけど、かなりのもんだよ・・・」

「あいつはおもろすぎるわ、思い出すだけで笑える・・・うひぃーーーーー!!」


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いわゆる中二病みたいなもんだろうな・・・と俺は思いつつマナの木刀を小枝ではじき続ける。

「ハァッ・・ハァッ・・・なぜ当たらない!!!!」

「いやもうばてたのかよ。人が回想してるうちに・・・・」

「ゼハァーー!!!おのれ・・・ではこれを受けよ!!」

マナが上段の構えをとる、初めて会った時に放った剣撃の中でも一番重い型だ。ガンっと鈍い音が鳴る

「なんで小枝で止めれるの・・・」

「ふむ、大体わかった。まずは基本からのおさらい。北部騎士団では・・・今のは確か重剣だね。木刀貸してみ」

マナから木刀を借りると正面に構える

「体重の移動と振り下ろす力、踏み込むスピード・・・震脚のイメージで振り下ろすっ!」

空気の弾ける音が衝撃波となりマナを吹き飛ばした。衝撃波は地面を抉っている。

「いやいや、人間じゃないでしょその攻撃・・・・普通の人だと今ので死んでるわよ・・・・」

マナは倒れたままこちらを見てドン引きしている。

「重心移動のタイミング、足の位置・・・数ミリ違うだけで威力は段違いになる。やってみろ」

マナに木刀を投げ渡す

「やってみろって・・・木刀焦げてるんすけど・・・」

「さぁ、俺にはよくわからんが、あの二人は摩擦熱なんていってたな」

「あ、はい、やってみます・・・せいっ」

バキッ・・・小枝が折れた

「おお、すごい進歩だ・・・小枝が折れた!!!!やったなぁ!!」

俺のコエダカリバー(世界樹の枝で作った特製の剣)を折るなんて、大したやつだ!!


「あ、はい、小枝は折りました・・・私の心も折れました・・・」


何故かマナはそのあと夜まで一人で何かを叫びながら素振りをしていた。


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