表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/40

ガルド南ダンジョン攻略⑧7層ボスリザルト

「しかしこっぴどくやられましたね・・・・私も身体がまだ動かせそうにないです。カルラも物凄い勢いで地面に叩きつけられてませんでしたか?大丈夫ですか?」

マナがカルラの方向を心配そうな顔で見つめる。

「半分気合で立っているわ・・・・アイスちゃん、ポーションをお願い。もう死にそうよ」

アイスちゃんがトコトコとカバンからポーションを咥えてもってきた。

ポーション飲み干し、カルラはその場で前のめりに倒れた。

「アイスちゃん、私にもお願いですよ・・・」

アイスちゃんはトコトコとポーションをカバンから持ってきた。マナはポーションを飲み干すとガクッと意識を失った。


先に意識を取り戻したのがカルラだった。辺りは一面闇。

「寝てしまってたみたいね・・・腕はまだだめか。マナは・・・寝てるのね」

カルラは状況を一つ一つ確認するように言葉を繋いでいた。

「ドラゴンちゃんとアイスちゃんが守ってくれてたのね?ありがとう」

「「キュイー!」」

寝ている2人を虫やヒル、爬虫類等から守ってくれていたようで、いくつかのサソリや羽虫やヘビの死骸が辺りにいくつか落ちていた。

「マナが起きる前に食事を作るので、お手伝いしてもらえるかしら?」

「キュゥー・・・」

アイスちゃんがドラゴンちゃんを指差し首を横に振る。

ドラゴンちゃんが動きを止めている。魔力の供給が完全に途絶えていたのだ。

おそらくマナのほうが重傷だったのだろう・・・そんなマナは涎を垂らしながら寝息を立てている。

「頑張りましたね、2人とも。アイスちゃん、2人を守ってあげてね」

「キュイッ」

カルラが微笑むと、アイスちゃんは敬礼してトテトテと二人の方に走って行った。

次の階層への光柱が見えるため無事ボスは討伐できたようだった。

カルラは片手で器用に火を起こし、スープを作る。

「しかし・・・・ここまで手こずったのは久しぶりね。ん?何かしら」

カルラは地面に落ちている自分の剣と、その隣にかすかに光る物があるのに気付いた。

「刃こぼれしちゃったわね、高かったんだけどなぁ・・・・」

カルラは少しがっかりした様子で、隣の剣を手に取る。

「これは・・・剣かしら・・・?鞘はすごくいい金属ね・・中身は・・・片刃ね」

鞘から抜くと黒い刀身がギラっと輝く。

その瞬間、魔力が吸われる感覚に陥り、カルラは片膝をついた。

「くっ・・・・魔剣の類か・・・」

カルラは急いで剣を鞘に戻した。

「ふぅ・・・鞘に入れておけば何もないみたいね・・・・とりあえず貰っていくわね。あなたは強かったわ。私一人では勝てなかったと思うわ」

今はもう消滅してしまった強敵の落とし物に向かって、カルラは賛辞を述べた。


カルラが剣を研いでいると

「ぅーん、涼子はでかい・・・・カルラは小さい・・・・甲乙つけがたし・・・・」

マナは何かの夢を見ている様子だ。手が何かを掴んでいるように見える。

「くっ・・・こいつ・・・こうしてやる」

カルラがマナのほっぺたを抓った。

「ほぇっ、あ、おはようございます。カルラ」

マナの意識が戻ったようだ。

「おはようマナ、あなた寝言で失礼なこと言ってたわよ」

カルラはニコッとしながら剣先をマナに向けた。

「寝ているときの発言は責任を取ることはできませんよ・・・よいしょっと。いてて・・・・カルラはもう腕もよさそうですね」

「まだ完全ではないけどね、骨は繋がってきてるわよ。念のために明日は1日休みましょう。周辺を散策しておきたいしね。ほら、スープとパンを用意してるから食べなさい」

マナはカルラの横に行きパンを頬張るが、座っていてもふらふらする様子である。

「しかし、強かったですね・・・ふざけたヤツだと思ってたら一瞬でやられましたよ。それはそうと、カルラのあの攻撃はどうなっていたんですか?ありえないくらい早く落ちてなかったですか?」

チーズを焼きながらマナはカルラに問いかけた。

「ああ、あれは透明の氷を蹴ったのよ、空中で回転したでしょ?アイスちゃんの魔法で階段を作って貰ってたけど、実はもう1段上に足場があって、そこの裏を地面に向かって蹴り抜くのよ。怖いわよ?」

カルラはクスクスと笑った。

「笑ってますけどあれ、相当な威力出てますよね。師匠の重剣並みだと思いましたよ。猿の足地面に埋まってましたし・・・・しかしあの猿は皆あの強さなんですか?」

マナはパンにチーズをのせ頬張っている。

「そうでもないわよ。明らかに大きかったのと・・・・力、スピードどれをとっても普通の個体とは桁違いだったもの。普通の個体なら私一人で叩き潰してるわよ」

「ほぇ~・・・チーズの油で火が大きくなりましたね、丁度いい棒があるじゃないですか」

マナは黒い棒で薪を広げた。

「特殊個体って奴ですかね?世界はまだまだ広いです・・・ガルドですら全然知りませんけどね。しかしこの棒、火をつつくのにに丁度いいですね」

マナはケラケラと笑っている。その手元をカルラは見つめながら

「まだまだ若いものね。それはそうと・・・・ドロップ品があったのよ。ダンジョンボスと言えども珍しいのよ。あなたが火をつついてるそれ」

マナは手に取っていた黒い棒を見つめ

「ん?この棒がそうなんですか?すいません・・・灰まみれになっちゃいました」

マナは火の中から棒を取り出す。鞘部分の半分くらい灰色になってしまっていた。

「ああ、よく見るとこれは刀ですね。どれどれ・・・ここ、抜けますね」

カルラがお茶を飲みながら無言で、どうぞ、と手で促していた。マナが刀を抜くと


「我を持つにふさわしいか確かめてやろう」

刀がマナの心に直接語り掛けた。


「うわキモっ、何か喋った!!」

マナは驚き、思わず刀を火に投げ込んでしまった。

「私には喋りかけてこなかったけど・・・・魔力を吸うのよそいつ。役に立たなさそうだから捨てていく?そのまま火に突っ込んでてもいいわよ。鞘は頑丈だからそれだけ貰ってもいいわね」

カルラはニチャァと笑っていた。

「魔力を吸うのですか?喋るし気持ち悪いですね・・・鞘だけ使って、火かき棒で十分ですよ。お、ドラゴンちゃんも復活ですバチバチバチバチッ

急にドラゴンちゃんが刀に向かって電撃を放った。

「うおっ!ドラゴンちゃんどうしたのですか、いくらキモいからってそこまでしなくても・・・」


「もう十分だ、認めてやろう・・・だからこれ以上は・・・早くここから出すが良い・・・」


カルラの眉がピクッと動いた

「これは私にも聞こえてきたわ。かわいそうね。もう少し焚べておきましょうか」

カルラが刀にかかと落としをし、地面に食い込ませた。

「ははは、カルラの魔力を吸うから悪いんですよ。刀さんもそこで反省していてください。これに懲りたら魔力は吸わないことですね(バチバチバチバチ)」

マナは腹を抱えて爆笑している。なぜかドラゴンちゃんも追撃していた。


「私が悪かったです、もう勘弁してください・・・」

魔剣が震えた声で訴えてきたが、二人は無視をした。


突き刺さった魔剣に火の当番をさせ(吸った魔力で火の調節ができるらしい)、カルラが剣で辺りの木をなぎ倒し整地、二人で木を組み合わせて簡易の小屋を作った。

その小屋に荷物を放り込み、床にシュラフを広げ休むことにした。

「はぁー、ポーションが効いてると言えども、まだまだ全快とは言えませんねぇ」

マナは倒れ込み、シュラフに顔を擦り付けている。

「そうね、自然治癒力を極端に早める効果だから・・・万能ではないのよね。今日は寝ましょうか」

「はい、明日はこの周りを散策してみましょう。お宝の匂いがします」

「そうね、何があるかしら。そろそろ一層の果物もなくなってきてるし、食料があるといいわね」

カルラが微笑む。

「今日は本当に助かりました。カルラ、ありがとうございました、、、」

そう言いながらマナは眠ってしまった。



「ふふ・・・あなたがいるから無茶ができるのよ。私がとどめを刺せなくても・・・あなたがやってくれたでしょ?」

マナの横顔を見ながら、カルラは笑顔でそう呟いた。

魔剣の運命やいかに。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ