ガルド南ダンジョン攻略②1~2層攻略
「ふぅ・・・・家まできましたね、あれ?剣の入っていた箱がなくなってる・・・・」
道中新しいシュラフを試したり、水遊びをしたりと、楽しみながら帰ってきたので昼頃になりました。
カルラに錆び錆びの剣と馬鹿にされたので、師匠の箱に入れていた剣を物色しようとしたのですが、箱ごしなくなっていました。
「ああ~あの箱ね、盗賊とかから盗んだやつを入れているのよ、マナのその剣もそうね。まぁいいじゃないの、気を取り直してダンジョンまで行きましょ」
カルラは笑いながら走っていきました。休憩というものを知らない女です。
「待ってくださいよ、私道知らないんですからね~~」
私も走って追いかけました。
鬱蒼とした茂みの中にそのダンジョンの入り口はありました。
「看板がありますね・・・どれどれ・・・「はいるな、きけん、推奨アハト・・あはとあはと」成る程!!余裕でいけそうですね!!」
ちょっとしたジョークをかましてやりました。カルラが
「あのねぇ・・・近衛兵団で入っても全滅するような場所よ、ここは・・・血文字で8っていっぱい書いてるでしょ」
カルラも物騒なことを言っています。
「まさしく我々向けのダンジョンということですね、さぁいきますよ!」
「あ、ちょっとまっ」
ダンジョンとやらの入り口を入った瞬間、体が浮くような感覚に陥り、青空と砂浜が広がりました。
「カルラ、これは何でしょうか?私たちは森にいたはずなんですが・・・」
わけがわかりません。カルラに説明を求めます。
「だから待ってって言ったのに・・・各階層のボスを倒しながら進むのよ。ここは・・・まぁ楽しみにしておいて、じゃあ隅々まで探索しましょ、島自体はそこまで広く無さそうだから・・・・あ、敵さんのお出ましよ」
カニがわんさかと出てきました。1メートルくらいのカニです。
「おいしそうですね・・・・食べれるんですか・・・?」
剣を前に構えると、カニがハサミをジョキジョキしながら威嚇してきました。
「ええ、細かく刻めば霧散するけども、基本的には外の魔物と同じよ。でもこの種類は・・・ダガークラブと言って身がほとんどないのよね。ま、先も長いしちゃちゃっと捌いちゃいましょうか」
そうカルラは言い終わると、持っていた剣でカニさんたちを砕いていきました。
「私もやりますかね・・・ほいほいっ」
思ったより硬い甲羅です、私の剣では粉砕できないので、目玉から内臓をほじってやりました。
「ふぅ・・・これで終わり・・・20匹くらいね。今のところ敵影なし。ほら、マナ、あの海岸に漂流してるのが宝箱よ」
カルラが海岸に落ちている木箱を指さしています。
「へぇーー、こういう風に落ちているんですね、では早速・・・」
ガチャっと木箱を開けると、中にはバナナが入っていました。
「これは・・・バナナね。よかったわね、マナ」
「ええ、おいしいですよこのバナナ」
私はバナナを食べた。
この島はカニが敵としているらしく、宝箱もフルーツばかりでした。
私とカルラは次々とカニを葬り、海岸を歩いて回りました。
「カニは返り血が見えないので良いですね。しかし海に入れないのはいかなものか・・・」
私は海に入ろうと走ったのですが、謎の壁に阻まれました。まるでゲームの見えない壁の様です。
「詳しくはわかってないのだけれど、結界みたいなものらしいわよ。じゃあ、森の中も探索しましょうか」
カルラも良くわからないものが私にわかるはずもないので、気にするのを辞めました!
「森の中っていっても・・・もうお腹いっぱいですよ・・・」
パイナップル、バナナ、マンゴー・・トロピカルなフルーツばかり宝箱から出てきたので、ほとんど私が食べてしまったのです。
「私はこっちの方が好きなのよね~、探検って感じで・・・あら、次はヤドカリだわ。これは私も見たことないわね。とりあえず潰す!」
言い終わる前にカルラがヤドカリに接近し、剣を抜く勢いと重さを利用して、飛び上がって兜割を放ちました。ヤドカリは潰れました。
思った以上に脳筋プレイです。
「カルラは情熱的な剣を使いますね。おや、あそこが光っていますよ?」
森の中で光りの柱が立っているのを見つけました。
「え・・・今のがボスだったみたいね・・・あそこに入ると次の階層に行けるのよ」
カルラにも予想外の展開だったみたいで、冷や汗を流しています。
「私だったら苦戦していたかもしれませんよ、この剣であの殻を切れる気はしません。カルラは凄いですね」
カルラが背中に剣を担ぐのを見ながら私はフォローしてあげました。
「あ、ありがとう・・・と、とりあえずボス倒しちゃったから雑魚は居なくなってるはずよ、少し散策しましょうか」
そう言いながらフルーツ宝箱を開けて回り、鞄の中はフルーツでいっぱいになりました。
「これだけあればフルーツには困りませんね。では次に行きましょうか」
カルラと手を繋いで光の柱に入りました。
「眩しいですね~~~~。ここは・・・?採掘場ですか?」
光りに目が慣れると、ダイアモンドの採掘場のような、すり鉢状の岩盤の中央に立っていました。
「ここは・・・何かしらね?あ、危ない」
ヒュンヒュンと矢が飛んできたので、私とカルラはそれを掴みました。
「危ないですね~~、ここは一発かましてやりましょう。おのれ卑怯者!!姿をみせい!!!」
気分が盛り上がります。
「キェーーーキェエエーー!!」
もふもふの人型の何かがこちらを見ています。
「あれは・・・・ウェアウルフね。人っぽいけど喋れないし、何より臆病よ。あの祭壇に座っているのがボスっぽいわね」
カルラが祭壇の方を見つめています。
「ぅっ眩しい・・・・とりあえず、荷物を置いていきますか。ドラゴンちゃんたち、かも~ん」
のそのそとアイスちゃんとドラゴンちゃんが鞄から這い出てきました。
モンスターにはあまり興味が無さそうに、二匹で採掘場に空いた穴の方に向かっていきました。
「今日はあまり協力する気はないみたいね、じゃあ、いくわよ」
カルラがクスクス笑うと、矢を躱しながら走っていき、ウェアウルフの顎を蹴りあげました。
ウェアウルフの頭がポーンと飛びました・・・カルラは脳筋です。
私も負けてられないので、徒歩空手で挑みます。
「こいつら動きが遅いですね・・・せいせいせい」
カルラの蹴りにビビったウェアウルフたちはちりじりに逃げまとうので、一匹一匹頭を掴んで顔面をぼこぼこにしてやりました。
「久しぶりにすっきりしますね~~~ああ~祭壇の足組んでるあいつ。なんかむかつきます」
掴んでたウェアウルフを力いっぱいぶん投げてやりました。
ドゴッという音と共に祭壇がぶっ壊れ、大きなウェアウルフは地面に叩きつけられ、絶命しました。
「マナ・・・・・」
こちらにスタスタと歩いてきたカルラが立ち止まり、哀れんだ目でこちらを見ています。
「どうやらあいつがボスだったようですね、悲惨な事故でした・・・革命とはこうやって起きるのだと実感します。生きてたウェアウルフは消えてしまいました。宝箱を探しましょう」
採掘場の真ん中に光の柱が経ちました。私たちはそれを無視しドラゴンちゃんたちが向かった方に二人で歩いていきます。
「あら、アイスちゃん・・・狭いところに入ったのね」
アイスちゃんのしっぽが壁から出ていました。壁の中から「キュイッキュイッ」と鳴く声が聞こえます。
「これ、隠し部屋じゃないですか?どれどれ、こういうのは壁のどこかに・・うおっ!」
一部分だけホログラムのようになっていたのでこけてしまいました。
「へぇ~、こうなってるのね。ってすごい量の宝石ね・・・」
部屋には机があり、あちこちにルビーやサファイアなどが置いています。
「カルラ、ちょうどいいじゃないですか。いくつか頂戴して剣の装飾にしましょうよ。ん?ドラゴンちゃんしっぽに何か絡まっていますよ?」
「そうね、じゃあ、これとこれを頂いていこうかしら。アイスちゃんもそれが気に入ったのね?」
アイスちゃんは首に小さなネックレスを、ドラゴンちゃんはしっぽに小さな指輪をつけていました。
「「キュイーー」」
どうやら気に入ったようです。二匹はそのまま鞄の中に潜り込んでしまいました。
「あの椅子、気になります」
私は壊れた祭壇にある椅子で無性に足を組みたくなりました。
「え、ええ・・行ってみる?」
カルラは渋々といった感じで後をついてきてくれます。なんだかんだいって付き合いはいいのです。
「ふむ・・・これは・・・・・いい感じですよ、カルラも座ってみてください」
足を組み、肘をついてみると気持ちがよかったのでカルラに席を譲ってあげました。
「あ・・・いいわねこれ。何か下々を見る王の気持ちになりそうだわ・・・うふふ」
カルラが危ない顔になってきています。私は思うのです、この人に権力を持たせてはいけないと。
「ではカルラ、そろそろ夜になるのでここで休んでいきましょう。水も節約したいのでアイスちゃんに手伝ってもらいましょう」
カルラの一声でアイスちゃんが氷を生成、持ってきた干し肉とスパイスを火にかけ、スープを作りました。
「できましたよ、今日はスープとパンにしましょう」
カルラと私はのんびりと星空を見上げながら夕食を摂りました。
「ふぅ、ご馳走様。世界にはいろんなダンジョンがあるらしのだけど、こうやってランダムにどこかに飛ばされるダンジョンや、普通の地下迷路みたいなダンジョン、いろいろあるみたいなのよね」
カルラが空を見上げながらそう言いました。
「その中にも、カルラが会いたいドラゴンが居るのですか?」
私はその綺麗な横顔に問いかけました。
「わからないわ・・・ドラゴンに会うというか・・・・私はドラゴンを真っ二つにしたいのよ」
カルラがこちらを見ながらにちゃぁと笑いました。
「物騒ですね・・・・あはははは!」
カルラは思っている以上に脳みそまで筋肉になっているのでしょう。でも面白いので良しとします。
お互いの鞄からガサ・・と音がしました。
「さぁ、そろそろ寝ましょ、明日はどこまで行けるかしらね」
カルラはもう一度空を見上げ、そう言いました。
ダンジョン攻略スタートです。




