修行⑫マナの実力
「よし、返事の手紙を書いたから、また議長に届けてくれるかな?あいつと文通と思うとぞっとするけどね・・・そうだ、世界樹は大きくしたま置いていってくれるかい?」
俺はクルト宛にお礼の手紙を書き、カルラに渡した。
泊っていけば?と勧めたが明日は朝から仕事があるらしい。
「確かにお預かり致します。では、また来ますね。世界樹もここに掛けておきます。マナも、障壁の練習・・・がんばってね」
カルラは鞄にアイスちゃんを詰め込み、世界樹を壁に掛け、マナの頭を撫でると走って行った。
「ふんふんふーん、カルラが来たら合体攻撃をたくさんつくるのですよ~。ねー、ドラゴンちゃん。次はなんて名前にしましょうかね~~」
マナはすごく上機嫌で、ドラゴンちゃんを頭に乗せ夕食を作っていた。合体攻撃等と不穏なことを口走っている・・・
「マナ、君は普段一本しか剣を使わないよね。一度、試しに二本使ってみるかい?世界樹が二本になったのも何かの縁かもしれないし」
俺はマナの木刀を二本持ち構えてみる
「どうでしょうねー・・・あ、でも今日はやりたいことがあるので明日にしましょう!」
珍しくマナが断ってきた。普段は誘うと外まで飛んで走っていくのに・・・・どうしたというのだ。
「あ、はいわかりました。では明日朝食後にやりましょう」
何故か敬語になってしまった。
「ん?おかしな師匠ですね~~夕食食べますよ!」
ニコッとマナが笑顔でこちらを見た。美人だ。
夕食を食べ終わると、そそくさとマナは自室に入り、次の日の朝まで出てこなかった。
「うーん?茶はうまいが何だったのだろうか・・・気になるな・・・」
翌朝、朝食を摂ってからのティータイムだ。マナはなかなか起きてこない。
昨晩は遅くまで
「あー。どうだったかなぁ・・・こうだっけ、いや違うなぁ~~・・・」
等と部屋から聞こえてきていたので、何かしていたのは間違いないと思う。
「ふわ~~、おはようござます師匠・・・朝ごはん食べてきます・・・」
マナはすごく眠そうな顔でふらふらと食卓に向かっていった。
まさか・・・夜遅くまでイメージトレーニングでもしていたのだろうか・・・!なんと殊勝な心掛けか・・・
「ごちそうさまでした~・・・今日は二刀やってみるんでしたっけ」
マナがまだ眠そうな顔で腰に差した世界樹を両手に持つ。
「うん、俺もそこまで詳しくはないんだけど・・・片方を防御に、片方を攻撃にするってのは聞いたことがあるよ、やってみようか」
俺は木刀を正面に構えた
「ああー・・・私も聞いたことがありますね、半身に構えて・・・うーん、こうかな、こっちかな・・・こっちの方がしっくりきますね」
マナはいくつか構えを取っていたが、左手を前に出し、右手を上段に構えるスタイルがしっくり着た様子だ。
「なんとなくしっくりきたみたいだね、右足が前か・・・よし、一度軽く打つから防御からのカウンターでやってみよう」
俺はマナに一歩踏み出し軽く兜割を放った。
「ん・・・こうですね・・ほいっ」
マナは左手で俺の剣の軌道を逸らし、左足で地面を蹴り出し、右手の剣で袈裟切りを放った。
「へぇ・・・これはなかなか・・・やりにくいね」
マナの放った斬撃は防御障壁によって防がれた。もしこれがなければ一撃で肩は持っていかれていただろうと思う。
「ですね、確かにしっくり来た感じです。もともと受けるのが主体でしたからですかね・・・師匠、次元・・じゃなくてソニックブレードお願いできます?」
マナがおねだりしてくるなんて珍しい・・・と思い、少し俺にも気合が入る。
「わかった、死なない程度に行くけど・・・受けるんだよ。せいっ」
十連撃を放つ
「ちょ・・・多っ・・・でもこうだ!」
マナは器用に両手の木刀で八発の斬撃を捌いた。残り二発は障壁でカバーしている。
「へぇ・・・すごいね。多分これをガードできるのは人類でも一握りだよ。世界樹がマナの特性を見抜いていたんだね」
俺は素直に関心した。いくら手加減しているとは言え、全て防御されるとは思っていなかったからだ。
「へへへ・・・じゃあちょっと私もしてみますね・・行きます。超・次元斬!!うおおおおお!!」
マナの右手から放たれた斬撃を受けた瞬間、左手から放たれた斬撃も同時に襲い掛かってくる。
普段マナの使うソニックブレードは俺のとは少し違い、魔力を込めて残像のようなものを残す。
それが左右から連続で襲い掛かってくるものだから滅茶苦茶だ。思わず後ろに飛び退いてしまった。
「これは・・・素晴らしい。見えるけど・・・受けるのは無理だと思って、思わず退いてしまったよ。まさしく幻想のような太刀筋だね。」
マナはかなりばてている様子で
「ハァ・・ハァ・・・魔力消費も二倍ですね。片手でこの速度で振り続けるのはかなりきついですよ・・・しかし師匠もわかってきたみたいですね。この技、イマジンブレードと名付けます!!」
テラスからこちらを見ていたドラゴンちゃんが、トコトコとこちらに向かって歩いてきた。
「ドラゴンちゃん!見ましたか、新技が完成したんですよ!!あでっ(バチバチ)」
マナが感電し、ドラゴンちゃんが消えた。本体はテラスでこちらを見てドヤ顔をしている。
「おのれ・・謀ったな・・・・見事な幻影じゃ・・・おぬしの方が上手・・・」
マナは前のめりに倒れた。
「成る程・・・魔法で幻影か・・・トラップみたいなもんだね・・・・しかし、放置されたからってやりすぎじゃないかな?」
「キュッ」
ドラゴンちゃんは怒った顔でマナの頭をかじった。
ハジメ・カルラ・マナの3人は馬よりも早く走ります。「走る方が早い」が口癖の人たちです。




