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師匠との出会い

「今日も、いい天気だ・・・この世界はいつも晴れている」

そう言いながら男は盗賊と戦っている。

足元には数人の盗賊と冒険者の死体が転がっている。

男の後ろには片輪の外れた荷台があり、馬、商人の夫婦が座り込んでいる。


「お頭こいつやべぇ、こっちを見もせずに・・・ウガァッ・・・」

「や、やばいにげ・・・ぐあっ・・・」

男は揚々としながら盗賊を切り伏せている。

「おや、君が頭領かな?そこの馬車を襲った、間違いないね?」

男が笑顔で頭領に近づいていく。剣は抜かれていない。

「なんだこの化け物は・・・俺が馬車を襲った証拠なんてな・・」

そう盗賊の頭領が喋り終える前に首がはねられた。

その場にいる誰も男の剣筋を追うことはできなかった。


「助かりました・・・もう少しで捕えられ、嬲られるところでした・・・。感謝を。」

商人が深々を頭を下げる。護衛のため同行していた冒険者はどうやら盗賊に殺されてしまったようだ。

「いやいや、かまわないよ。こいつらの首をそこの町にもっていくと懸賞金くれると思うから、冒険者ギルドにでも寄付してあげてくれ」

男は冒険者たちの埋葬を済ませると、手早く車輪を荷台に取り付け、冒険者タグを商人に渡す。

「あなたは町に行かれないのですか?懸賞金もそれなりの金額になると思うのですが・・・」

「俺はお尋ね者だからね、これがこの人たちの冒険者の証、名前も入ってるから冒険者ギルドにもっていってくれるかい・・・俺が町に入ると面倒なことになるから、後は頼んでおくよ」

そう男は言い放つと、そそくさと林の中に入っていった。

「はぁ、人助けってのもたまにはいいものだな・・・・しかし冒険者か・・・」


「そこのお前、待て!!!!!」

「え、俺?」

背中から話しかけられたので思わず素っ頓狂な声が出る。

魔力探知にずかずかと入ってきているので、輩だとは思わず、獣あたりであろうと思っていた。

途中で壮大にずっこけていたので、子供か何かが迷い込んだのかもとは思っていた。

「そうだ、お前の首もらい受ける!!」

ふと襲撃者の姿が目に入る。

襲撃者という割には綺麗な身なりであり、文様の刻まれた大振りの剣を腰に携え、鎧もきちんと磨かれている様子であった。

「ん・・・?女・・?黒い髪・・?もしかして・・・」

男が質問を投げかけようとした瞬間、襲撃者の剣が抜かれ、一瞬で距離が縮められる。

「なるほど、早いのか」

首筋に向かって剣筋が走った。しかし男は指先で剣の軌道を逸らす。

「はぁ、スローモーションかと思った・・・遅い剣だ」

「遅い剣だと!?そんな軽口を叩けるのは今のうちだけだ!!」

襲撃者が足を踏み込み、一撃を男に加える。

男はそんな剣の一撃を笑いながら躱す。

「はははは、お前の持ってるその剣、北部の者だな?少し遊んでやるよ」

そう言いながら男はそばにあった棒きれを拾い、襲撃者の剣に合わせ、剣の腹を叩くようにして軌道を逸らしていく。

「手強い・・・はぁ・・はぁ・・・舐めるなよ、私の全力はまだまだだ!!」

そう襲撃者は自分に気合を入れると、一気に間合いを詰め横薙ぎ、突き、袈裟斬りと流れるように襲撃者の剣が男を襲う。

「へぇ、型は綺麗だね~、でもそれだけだ」

男はそう言うと棒切れで軌道を逸らし続ける。

「はぁっ・・はぁっ・・・」

「うーん、一発当ててみるかい?立っててあげるから切りかかってみなよ」

「なめるなぁあああ!!」

襲撃者は最後の力を振り絞り、男の胸を貫こうと突きを放つ。しかしその剣は虚空で止まった

「ば・・・馬鹿な・・・防御障壁・・・?」

襲撃者がそう言い放った瞬間、男が剣を抜く。男の剣は赤く、炎を纏っているように見えた。

「ああ~でかいのは態度と・・・うーん、そこは小さいなぁ・・それにお前・・まかいいか。ほらよ」

男は一瞬で襲撃者との間合いを詰めた。

「貴様・・・失礼な・・・え?」

その刹那、襲撃者の持つ剣が粉々に砕かれ、襲撃者はその場に倒れ込んだ。

「おっと、危ない危ない・・・こうでもしなきゃ黙ってくれないだろう?」

男は襲撃者を倒れない様に受け止め、帰路に着く。

「・・・おい・・・殺さないのか・・・」

「回復が早いな?腹がグーグーなってるぞ。家に連れて行ってやるよ」

この襲撃者、腹ペコなのであろう、戦闘中もお腹がグーグー鳴っていたのである。

「やめろ・・・おろせ・・・・」

そういうと襲撃者は意識を飛ばした様子であった。

「こういうのも因果なのかね・・・・もう魔王も居ないはずなんだがな・・・なんでまだ居るんだろうか」

男はそう呟いて襲撃者をベッドに降ろす。

「・・・・弓恵は今どこにいるんだろうか・・・しっかし・・・最悪な出会いだなこれ・・・」

男は棚に置いている指輪を手を取り、大きなため息をついた。



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