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夜人を討伐しよう!

「これから町に入るけど、マナは問題起こしてないよね?俺が入るとちょっと面倒なことになるんだよね・・・・」

町が近付いてきており、俺は少し不安になる。

「私がどこでも問題を起こすと思ってるんですか?買い物は毎回私が来ているのに・・・問題なんて起こしてませんよ!!」

マナが胸に隠したドラゴンちゃんの目をピカピカ光らせながら抗議する。胸元から顔だけ出しているグランドドラゴン像が哀愁を漂わせている。

「ならいいんだ・・・冒険者証を出しておこう・・・・」

先にマナが衛兵に冒険者証を見せる。

「よし、確認した。通れ」

若い衛兵が無表情でマナを通そうとする。

「へへへ・・・どもども~~」

マナがへらへらしながら町に入ろうとする。

「待て貴様!貴様胸に何か仕組んでいるな!?」

もう一人の衛兵がマナの胸の膨らみに気付く。そりゃあ赤く光ってるから怪しいよな・・・・

「こ、これは・・・あたいの大切な友達なんですぅ・・・」

普段のマナならこの辺で切りかかりそうであるが、腰をくねくねしながら木彫りのドラゴンちゃんを衛兵に見せる。

「普段より胸が大きいと思ったらこんなものを入れていたのか。まったく紛らわしい・・・通れ!」

衛兵からそう言われると、明らかに顔をピキピキさせたマナがドラゴンちゃんを胸元に隠し、先に行く。

俺は町の入り口に立つ衛兵に冒険者証を見せる。

「こ、これはハジメ様ではございませんか!!!!皆を呼・・・」

俺はさっと若い衛兵の後ろに回り意識を飛ばした。

「わかっているな・・・・?」

俺はもう一人の衛兵に圧をかける

「お通りください!!!」

もう一人の衛兵は顔を引きつらせながら通してくれた。今日も平和に町に入れそうだ。


少し歩くとマナが待っていた

「師匠・・・何してるんですか。衛兵殺しは極刑ですよ?」

ドラゴンちゃんも目でピカピカと非難をしてくる・・・

「殺してはないよ・・・騒がれたくないんだ・・・あまり歓迎されるとのとか、人が集まるのとか苦手でね・・・」

「なるほど、だからあんな林の中に家を建てているんですね!でも懸賞金がかかってますよね。私もそれを見て殺しにかかったんですから・・・いいリンゴですね買いましょうか」

マナは果物を物色しながらこちらを向かずに話を続けていた。

「リンゴか・・・バナナも欲しいな・・・あの懸賞金は賊たちがかけたものだな。この間みたいに賊を襲って食料を奪い続けてるから。そもそも名前が違うだろ・・・お、うまそうな肉もあるな。買って帰ろう」

「いいですね、魚ばかりも飽きてきた所です。今日はお肉を焼きましょう・・・そういえば懸賞金にはカジメって書いてました。カジメですよ、超弱そうですから殺れると思ったんですよ・・・米も買いましょう」

マナは荷物を持ち始めたので、ドラゴンちゃんを頭に器用に乗せながら歩く。

「おーい、マナちゃん!今日はおかしなものを頭に乗せてるね。良い野菜があるよ!」

向かいにいたおっちゃんが声をかけてきた。

「おおー、野菜売りのトマスさん!見てください。これ光るんですよ。面白いでしょ」

ドラゴンちゃんの目がピカピカと赤く点滅する。

「こりゃあ不思議な魔道具だなぁ・・・まぁいい、今日のおすすめはカブだよ。一つ40ガルドだ」

トマスさんと呼ばれたおっちゃんがドラゴンちゃんを一瞥したが、あまり興味は無いようだった。

「では三ついただきます。ほら、ドラゴンちゃんもありがとうって」

ドラゴンちゃんの目が四回光った。器用なことをしている。

「ははは、マナちゃんは相変わらず面白いな。おまけで一つつけてやるよ!」

ドラゴンちゃんが何度もピカピカした。お礼のつもりらしい。


「よし、とりあえず食料は調達できたから・・・目的の鍛冶屋にいこう。そこの曲がった先の、階段を降りたところにある」

あちこちでドラゴンちゃんを光らせたせいか、マナは少し疲れた様子だった。

「はぁ・・・今日はみんなにサービスし過ぎましたね。魔力のコントロールは繊細なのですよ。しかし薄暗い怪しいところですね。よし、魔力ちゅーにゅー!」

ドラゴンちゃんの目が赤く光り、マナの前を照らした。

「おいおい・・・赤いから余計見難いよ・・・・あ、前危ない」

角を曲がる瞬間、眩しい赤い光に惑わされた人がマナと衝突してしまった。

「いたた・・・眩しい光ですね・・・ん?マナですか?」

ぶつかった相手はカルラであった。

「なんですか、そのカメレオンは。あっ!まぶしっ!やめなさい!!」

マナがカルラに向かってドラゴンちゃんの光を照射し続けている。

「久しぶりですねカルラさん。私の小枝はドラゴンちゃんに進化したのですよ!」

カルラはすごく困惑していた

「え?世界樹が?カメレオンに?あっ!まぶし!」

「カメレオンじゃないです、ドラゴンちゃんです!!」

そういうとまたカルラに向かって光を照射した。

「まぁまぁ・・・今日はカルラはどうしたの?」

俺はマナからドラゴンちゃんを取り上げた。心なしかドラゴンちゃんが寂しそうな顔をしていた。

「今日はお休みなので、剣を新調しようかなと思いまして。師匠は例の剣の相談ですか?」

カルラは腰に差した小枝と新しい剣をこちらに見せた。

「相変わらず良い剣を打つね、戻ることになるかもだけど、カルラも一緒にいくかい?」

マナが俺の頭に乗っているドラゴンちゃんめがけて何度も飛んでいる。

「もちろんご一緒させていただきます」

カルラが微笑みながら返事をした。

「マナもあまり光らせすぎないようにね、はい」

マナにドラゴンちゃんを返す。ドラゴンちゃんが少し嬉しそうな顔になっていた。細かい芸当だ・・・

俺は鍛冶屋のドアに手をかけた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

私はマナ。ドラゴンちゃんの創造主となったのだ。つまり神に等しい存在となったのだ。ぐふふ・・・

ここからは鍛冶屋で起きた事件を私が語ろう・・・


「こんにちは、お久しぶりですね、ライアンさん」

師匠がライアンと呼ぶこの男。ムキムキである。師匠もムキムキなのでそういう仲間なのであろう・・・

「マナ、何をボーとしてるのですか店を見てみなさい」

カルラがこちらを向いてそんなことを宣った。

仕方がないので店の中をぐるぐる回ってみると・・・大きな鎌や小さな鎌、鎖付きの鎌、投げるための鎌・・・鎌ばかりおいている。おかしな店だ。

逆のほうに目をやると剣がいくつかおいてあった。金額は20ゴールド。ぼったくりじゃないのか?カルラの腰から下げている剣と同じものが置いてあった。50ゴールド。・・・・カルラにドラゴンちゃんの光を照射してやった。

「うわっまぶし!やめなさい!」

けけけ・・・ざまぁないぜ・・・

ふと何かが呼んでる気がして振り向いた。おかしい、大鎌がこちらに語り掛けてきているのだ

「我は夜人・・・・我の魂を呼び起こそうとするのは誰だ・・・」

ど偉い中二病である。さすがの私も恥ずかしくなるような台詞だ・・・関わらないようにしよう。

わざと視線を鎌から逸らす。

「そこの貴様・・・聞こえてるのであろう・・・我は夜人の中でも四天王である・・・」

ぅゎー・・・こじらせてんなぁ・・・ひくわぁ・・・・

とりあえずドラゴンちゃんの光を浴びせてみた。

「ぐわぁぁああ!!!なんだこの光は!!ぐわっぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!」

鎌が折れた。

ムキムキ二人とカルラがこちらを見ている。

「なんなんですかね?なんか鎌が喋って勝手に折れたんですけど」

皆これは私が折ったと、言い逃れはできないという顔をしている。

「マナ・・・・それ高いですよ・・・値札・・・80ゴールド・・・」

カルラが可哀そうな顔をしてこちらを見て値札を差し出してくる。

「いやいや、私じゃないんですけど」

師匠に助けを求める

「鎌は喋ってなかったよ・・・・・」

だめだ、私の見方はもう一人のムキムキしかいない。

「おめぇ・・・何をした?」

こいつもダメだ。

「私は鎌が喋ってきたので、きもいのでドラゴンちゃんの光を浴びせてやったのです。そうしたら折れました。私の責任ではありませんね」

これは真実なのだ。私に責任はない。

「ふむ・・・素材が素材だからその可能性もあるか・・・・その頭のカメレオンは何だ?」

ライアンとかいうムキムキは話が通じそうである。

「これはドラゴンちゃんです。世界樹の枝からできています」

そう言い終わるか終わらないかの間に

「世界樹だと!!!ということはまさかハジメお前・・・魔剣か?そっちの嬢ちゃんもか?」

ムキムキ2が驚いている。ドラゴンちゃんの魅力に気付いたようだ。

「そうなんだ。二振りお願いしようかとおもって・・・・ごにょごにょ」

カルラはムキムキ1の横でウンウンとうなずいているが、絶対こいつも適当にうなずいているに違いない。私にはムキムキたちの話が全くわからないからな!!


とりあえず鎌の件は有耶無耶になったので良しとした。

ドラゴンちゃん恐るべし

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