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カルラの夢

「師匠、お休みのことろすいません」

カルラが優しく声をかけてくれた。身なりは整えてきた様子で、ぼさぼさだった髪や服は綺麗になっている。う~ん、美人だ。

「おはよう、面倒事押し付けてごめんね」

「いいえ、師匠が町に行くと騒ぎになりますからね。あとの二人はテントで先に寝かせました。隣失礼しても?」

カルラがこちらを見て微笑む。

「ああ、どうぞ。お茶もあるよ」

俺は新しくお茶を入れ、カルラに手渡した。

「実はあの賊共・・・気が付いた後に自害しました。奥歯に毒を仕込んでいた様です。冒険者として行ったのでそれ以上の情報はわかりません。彼女たちも事情聴取で連れて行かれてそのままですね。魔石は・・・誰も特に言及していなかったので、使ってもいいんじゃないでしょうか?剣を作るんですよね?それと、懸賞金はかかってなかったのですが、それなりの報酬はいただけました。こちらです」

カルラが小さめの麻袋をこちらに手渡した。

「2ゴールドか・・・十分だね。全て頂いてもいいかな?」

カルラは頷きながら

「ええ、もちろんです。500シルバーくらいだと思いましたが、それだけあれば十分かなと思いまして受け取らせていただきました。しかし、懐かしいですねこの景色も・・・お茶の味も変わらず、ここだけは時間が止まっているようです」

カルラは空を仰ぐ

「そうだね・・・彼女たちのおかげでこうやってのんびりさせてもらってるけど、それもいつまで続くやら」

カルラは心配そうにこちらに振り向き

「魔法というのは不思議なものですね。私は勢いで使っていますが、魔法使いは理論で使うんですよね。その魔剣も私には意味が分かりませんよ。この世は不思議なことが多いです」

そう言うと、カルラはクスクス笑いながら俺の魔剣を見た。

「カルラは・・・旅に出る気は無いのかい?マナは・・・修行が済んだらここを追い出そうと思っている」

俺はカルラをじっと見つめる

「私は・・・・立場もありますからね。マナは今の様子だと二年くらい先ですよね?私も冒険者の端くれですから・・・夢はあります。マナとなら・・飽きない旅にはなりそうですね。ですが・・・あの二人は本当に優秀なのです。将来的には私の地位を譲り渡したいと思っています。議長もそれには同意してくれていますし・・・それがいつになるか、というところですね」

カルラはテントを見ながらそう話した。

二人は静かにお茶に口をつけ、星空を眺めた。


「そうか・・・夢は確か・・・ドラゴンを真っ二つにするんだったよね?俺でも無理だよそれ。いや・・できるのかも・・・」

俺の魔剣の性能をもってすれば、命を賭せばできるのかもしれない・・・思いに耽る。

「師匠、それだと本当に死んでしまいますよ。私はまずドラゴンというものに会ってみたいですね。色々な種類があると聞いています。中には人の言葉を話せる奴もいるとか・・・夜人の国なんてのも気になりますね。それに技だってもっと開発したいと思っています」

フンフンいいながらカルラが熱く語る。

「そうだね・・・カルラはまだ若いから、きっとドラゴンや夜人、悪魔や魔族・・・俺達が見たこともないものに会えると思う。俺は4年しか冒険をしていないけど、それでも多くの出会いがあった。最後の方は異邦人達が蹴散らしていたけどね。勇者なんかそれを見ているだけだったから、それでも楽しかったよ。このお茶だって、彼女たちが居たからこそ今の俺を助けてくれている」

俺はカルラのカップにお茶のお替りを入れる。

「・・・・師匠は悪い人ですね。わかりました。あの二人は私が責任をもって育て上げます。では私からもお願いがあるのですが、いいですか?」

カルラが真剣な目でこちらを見ている

「いいよ、言ってみて」

「あの魔石、魔剣にするおつもりですよね?丁度二振り分ある。世界樹を私に預けていただき、成長させるのでそれで一振り作っていただけませんか?」

カルラの目がいつもより輝いて見える。

「そうだね・・・あの枝は君の物だから、もっていってくれていい。今の感じだと・・・一年後にもってきてもらえるかな?マナもなかなかのものだよ、負けないようにね。たまには顔を出して打ち合ってみるといいよ」

カルラは立ち上がり、こちらを振り向く

「ありがとうございます。師匠。私・・・がんばります。あの小娘には負けませんよ!!剣、楽しみにしています。ではおやすみなさい」

カルラがニコニコしながら家の中に入った。

「いや、小娘ってあなたもまだ18歳でしょうが・・・」

俺の声は届いていなかった・・・


マナはここにきて数週間で強くなった。

カルラはここで3年修行をし、強くなった。

ヤンもエンデも筋はいい。もしかしたら二人以上に強くなれるかもしれない。

この国が建国される前に力のあるものはほとんど死んでしまった。

しかしこうやって才能ある若者達が将来この国を担っていくのだと思うと、不思議な気持ちになる。


「国に留まるのもよし、旅に出るのもよし・・・俺もいつか決めないといけないかな」


カルラとの会話が、自分の心を少しだけ動かしたのかなと・・・俺は思った。


今の時期は星空が綺麗ですね。

皆さんの夢は何ですか?私の夢は世界征服です。

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