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プーチン初期政権(2000~2010)

Ⅰ. プーチン政権の基本理念(2000年)

プーチンは就任演説でこう述べたとされる:

「ソビエト連邦は、過去の帝国ではない。

世界の安定のために存在する多民族共同体である。」

つまり、当初のプーチンは

“連邦を崩壊から守るための安定の執行者” であって、

まだ「ロシア民族中心主義者」ではない。

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Ⅱ. プーチンが直面した国家課題

課題 状況 プーチンの捉え方

多民族連邦の維持 チェチェン・カフカスなど分離圧力 「分離を許せば連鎖する」

緩衝地帯の管理 東欧・満州は半自主管理状態 「境界は国家そのもの」

経済停滞 重工業中心 → 同質的限界 市場導入は必要だが統制は必須

情報統制 民主化運動・域内民族主義の拡大 統治の正統性を国家物語で再編する必要

つまりプーチンの国家思想ははじめから:

“連邦=秩序” / 秩序の崩壊=戦争の再発

で統一されている。

---

Ⅲ. 初期政策① ― “国家の中枢を統一する”

1) KGBの再編→「国家保全庁(SBG)」へ

• 旧KGBは 反乱対処・情報分析・民族調停の三分野に再配置

• 粛清ではなく、“現場官僚が国家統治の頭脳” として復権させる

→ プーチン政権の土台は 武力ではなく統治技術。

2) 「地方長官会議」を制度化

• 地域代表が中央と直接協議する仕組み

• **「中央が強いほど、地方は安定して自治できる」**という構造を作る

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Ⅳ. 初期政策② ― 経済の“制御された市場化”

史実ロシアの衝撃療法は発生しない。

代わりに 日本・韓国・台湾モデルに近い「国家主導資本主義」 が採用される。

分野 内容 効果

エネルギー ガス・石油を国家が握る 外貨と外交の武器化

中小企業 地方自治体と連携で緩やかに民営化 失業を出さない改革

インフラ シベリア鉄道・満州鉄路を高速物流網に再整備 大陸と海の接続強化

この世界のプーチンは “資本を統制する国家”を強化する方向 へ向かう。

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Ⅴ. 初期政策③ ― 「連邦アイデンティティ」再編

プーチンは「ソ連を美化」したのではなく、

“多民族連邦は歴史的な文明モデルである” と定義し直した。

キー概念:「ユーラシア共同文明」

• ロシア・イスラム・仏教・遊牧文化を「共存する文明」として提示

• 教育、メディア、文化事業で 「ロシア語=共通語」 として統一

→ これは 帝国主義ではなく“多文化的国民国家”の構築。

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Ⅵ. 初期政策④ ― 外交方針は「衝突回避・境界維持」

相手 関係 理由

日本 協調関係(海洋+経済連結) 貿易と技術を得られる

米国 対テロ戦争で協力的競合 正面衝突は無駄

東欧 緩衝帯として管理 再統合は狙わない

満州 “連邦にとって最重要の防波堤” 太平洋出口を守るため

→ この段階では 満州を支配しようとしていない。

→ だが 「失うことは国家生存に関わる」と理解している。

これが後の 遼東占領 → 満州戦争 の精神的前提となる。

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Ⅶ. ここまでのプーチンはまだ「防御型帝国」指導者

この時期のプーチンのスローガンは簡潔に言えば:

「連邦を壊さない者だけが自由を持つ。」

つまり、

• 帝国を“取り戻す”ためではなく

• 帝国を“崩壊させない”ために強権を使った

ここまでは完全に 防御の政治。

しかし、ここから “防御” は徐々に “再主張” に変質する。

その転換点が:

満州の西側接近(日本・米への統合志向)

である。

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総括

段階 プーチンの性格 政策目的

2000〜2005 秩序回復の管理者 分離防止・治安安定

2005〜2010 多民族連邦の象徴 経済成長・交通と物流統合

2010以後 帝国的中心の自覚 満州・遼東・太平洋出口の再主張へ

満州戦争は“突発”ではなく、プーチン初期政権の論理が自然に到達する帰結である。

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