両半島戦争後の世界(1981〜1990)
① 欧州情勢:緩衝と連邦と“イタリアの時代”
■ 再統一イタリアの台頭
• 南による再統一成功
• 立憲君主制+議会民主制+カトリック共同体主義
• 工業は北、港湾物流と地中海外交は中南部
→ **イタリアは「力でなく調停で均衡を作る国家」**となる。
■ ドイツ(共産党一党独裁)は存続するが弱体化
• イタリア敗北と核ショックで士気喪失
• 国家像は「革命の先駆者」から「過去の遺制」へ
• 経済成長停滞、文化表現は統制へ逆戻り
→ **旧ナチス体制に代わる“もう一つの抑圧的ヨーロッパ像”**になってしまう。
■ フランス(非共産・議会民主)は欧州中核へ復帰
• 両半島戦争中、軍と国民統合が再活性化
• イタリア・フランス・英国 の三角連帯が成立
■ 欧州の勢力図(1982)
英国
│
[自由西欧] │ [ドイツ共産圏]
仏 ── 伊 │ 独
\ │ (バルカン社会主義諸国)
\ │
地中海連携
→ 冷戦は「米ソ」ではなく「西欧 vs ドイツ+残存ソ連」へ軸が移る。
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② 東アジア情勢:日本が“秩序の中心”になる
■ 日本は無傷で勝利した連合国として再台頭
• 戦争被災が少ない
• 朝鮮半島南部および台湾を掌握
• 「大東亜共栄圏」は帝国ではなく自治と交易の連合圏に再編
■ 朝鮮半島
北朝鮮 韓国
戦争加害国として国際的に孤立 経済停滞に苦しむも、日本資本で再建
ソ連の保護国で実質的半封建 東アジア版「西ドイツ」化
→ 国境は固定され「高密度軍事境界地帯」と化す。
■ 中国は「中華人民共和国崩壊後の分裂状態」が続く
• 3発目原爆で最高指導層消滅
• 地域軍閥政権・自治政府・民族政権が併存
• 日本・ソ連・インドが影響力争い
→ この世界では 中国は“国家”ではなく“地理的表現”に戻る。
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③ 中東・アフリカ:代理戦争ではなく“発展圏の争奪”へ
■ 植民地はほぼ全て独立
• フランス・オランダは本土混乱により植民地を維持できず
• 日本と英米が支援する形で東南アジアは独立と近代化に成功
■ 産油国は英日米と協調
• 中東は「反共・反独」ブロックとして育成される
• イスラエルは英日米の保護下で安定化
• アラブ連盟は発展国家連合へ変質
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④ 大国関係:米国、ソ連、日本の三極時代
国 状況 国際役割
米国 核と海軍で覇権維持、だが軍事介入は減少 「世界秩序の管理人」
日本 アジアで最も安定した先進工業国家 「共栄圏経済圏の中心」
ソ連 スターリン死後の権力闘争で弱体化、ドイツ支援も限定的 「旧革命の象徴的遺存国
家」
→ 世界は二極ではなく三極。
この結果:
冷戦は「思想闘争」ではなく「市場圏の競争」になる。
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総括
地域 特徴
欧州 イタリアを中心とした“連帯と調停の西欧” vs ドイツを中心とした“革命国家圏”
東アジア 日本を中心とした経済連合圏、分裂中国、固定化朝鮮
中東 英日米が後ろ盾の「発展協調圏」
世界秩序 二極対立ではなく 三極均衡
この世界は、「勝った者が支配した世界」ではなく、
“持久した者が中心に立った世界” である。




