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スペイン内戦(1936~1939)

背景:1930年代スペインの不安定化

• 第一次大戦後のスペインは中立国だったため直接の被害は少ないものの、

政治・社会の分裂は激化していました。

• 1931年、アルフォンソ13世が亡命し、スペイン第二共和政が成立。

• 土地改革、反教権政策、軍縮などをめぐって保守派・軍部が激しく反発。

• 1936年、人民戦線(左派連合)が選挙で勝利 → 軍部・右派が武装蜂起。

これが史実のスペイン内戦の始まりです。

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この世界線での大きな違い

項目 史実 この世界

ドイツの体制 ナチス(反共) 共産党政権(親ソ)

ソ連の対応 限定支援(内政干渉を警戒) 共同主導(独ソ共同支援)

国際世論 不干渉政策(英仏が中立) 英仏が反赤化支援で右派側へ傾斜

スペイン共和派 内部分裂(無政府派vs共産派) 統制された「人民戦線政府」へ統一

結果、国際関係が完全に逆転します。

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戦争の推移(1936〜1939)

● 1936年夏:軍部蜂起と戦線分裂

• モロッコ・セビリア・サラゴサで反乱軍(フランコ、モラ将軍)が蜂起。

• しかし、共和政府は即座に独ソ両国に援助要請。

• モスクワとベルリンが共同で「人民義勇隊」を派遣。

• 戦車:T-26、BT-5

• 航空:ドイツ製He 51、ソ連I-16

• 顧問団:独ソ混成の“国際革命軍事団”が創設される。

→ 史実ではフランコ軍が制空権を握ったが、ここでは共和派が航空優勢を確保。

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● 1937年:国際的代理戦争の拡大

• イギリス・フランス・イタリアが「反赤化支援委員会」を結成し、

右翼側(国民軍)に資金・物資支援を開始。

• しかし英仏は国内世論の分裂で大規模派兵ができず、

実際の介入はイタリア義勇軍(ムッソリーニ指導下)が中心。

→ イタリア空軍がバルセロナを爆撃するが、独ソ製防空砲で迎撃され損害を被る。

• 一方、赤化ドイツは宣伝戦を強化。

「マドリードは世界革命の門」と喧伝し、国際義勇兵(史実の国際旅団)が倍増。

→ フランス左派・イギリス労働党系・アメリカ共産党系などから数万人が参加。

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● 1938年:フランコ軍の壊滅とポルトガル介入

• ドイツの大規模装備支援で、共和軍がアラゴン戦線突破。

• フランコ将軍、ブルゴスからポルトガル領内へ撤退。

• ポルトガルのサラザール政権が介入を試みるが、英仏の支援が不十分で敗北。

→ ポルトガル国内で反政府暴動が発生し、翌1939年にサラザール体制も崩壊。

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● 1939年春:マドリード陥落、共和派の勝利

• 国民軍残党がバスク山岳地帯で降伏。

• フランコは捕虜となり、軍法会議で処刑(1939年4月)。

• **スペイン人民共和国(República Popular Española, RPE)**が成立。

初代議長:ラリャゴス(共産党系指導者)

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スペイン人民共和国(RPE)の成立と国際波紋

● 体制

• ソ連・ドイツ両国の協力を背景に、人民委員会・評議会制を導入。

• カタルーニャ・バスクは自治を認められつつも、

経済・軍事は中央集権的に統制。

• カトリック教会は国有化、貴族・地主層の土地は没収。

● 国際認知

権。

• 承認国:ドイツ、ソ連、チェコスロヴァキア、スウェーデン、トルコ、中国共産党政

• 未承認国:英国、フランス、アメリカ、イタリア、日本。

→ ヨーロッパは完全に**“赤化大陸 vs 海洋自由陣営”**の二極構造に突入。

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波及:地中海・アフリカ情勢の激変

1. ジブラルタル危機(1940)

• 英国はジブラルタル要塞の防衛強化を宣言。

• スペイン人民共和国が「領土の一体性」を主張し、外交的緊張が高まる。

2. 北アフリカへの革命拡散

• スペイン領モロッコで共産蜂起。

• フランス領アルジェリアでも労働者運動が過激化し、

フランス内戦の火種となる。

3. ラテンアメリカへの影響

• スペイン系移民の多い中南米で共産勢力が増加。

• 特にメキシコ・アルゼンチンで「イベリア革命連帯運動」が台頭。

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まとめ:スペイン赤化は「欧州冷戦の前哨戦」

• ファシズムの象徴だったフランコが敗れたことで、

欧州における「反共の砦」はフランスとイギリスだけに。

• 大陸の南北を共産主義が覆い、

英仏は防波堤として中東・アフリカへの勢力転換を迫られる。

• 同時に、ドイツ・ソ連・スペインの「赤化トライアングル」が成立。

以後10年、地中海は「赤い海」と化し、

英国の帝国航路が根底から揺らぐことになる。

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