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第弐話 - 麒麟の青年

圭吾は、前も言ったように日本内戦の戦災孤児だ。

「アリアケ」という洋食店を営む夫婦の間に産まれた息子で、姉に「東野静奈」と云う者がいた。


ある日、2人が流星を見に行っている間に、彼らの親は殺された。

その日から2人は施設で暮らしていたのだが、まぁその施設の管理が杜撰(ずさん)杜撰(ずさん)で…


そして圭吾が拾伍(じゅうご)となった日、その施設さえも日本内戦に巻き込まれ、静奈は死に、圭吾はその後に施設から逃げ出して今に至る。 


以上が彼の簡単な追い立ちだ。


(…一応撒いたものの…これ以上私がここ(文京市)で生きてゆくのは不可能に等しい…)

おや、危うく言い忘れるところであった。

彼には昔ながらの親友がいたのである。それも人外の。

それは人に幸福を(もたら)すとされる「麒麟」という神獣だった。

圭吾が昔から親の形見として持っているヒトガタの札から現れる神獣で、大人達はその神獣を売ったら高いと思い、その主とも言える圭吾は、この弐年間自らのことを"麒麟"と呼んで死に物狂いで追いかけてくる大人達から命からがら逃げ回っていたのである。


まぁ、圭吾はそういうことで悩んでいたのである。もうそろそろここを離れようかと、そう思っていた時だった。


「?どうしたんだ?お前、こんなところで」

突然、圭吾の後ろから声が聞こえた。

圭吾が驚いて座ったまま振り向くと、ブレザーを着た、圭吾と同い年くらいの青年が目に入った。


「…君は、一体誰だい…?」

圭吾は少し落ち着きを取り戻したように青年に聞く。


「俺は『村上春樹』!お前は?」

「…私は東野圭吾…」

「そうか!よろしくな!」

そう言って春樹は屈託なく笑った。

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