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1.それはそれ、これはこれ

「あまりにも物分りが良すぎませんか!?」


女神様…エメラダ様が叫んだ。

そんなに驚くことかなぁ。今のご時世異世界転生くらい想像できる事象である。

かく言う俺も、その手のラノベやゲームが大好きで、自分の身に起こってくれないかずっとずっと考えていた。


「エメラダ様…。俺はですね、家族もいないし、友人と呼べる人間もいないんです。それに俺にとって地球は生き辛すぎるんですよ。」


「生き辛すぎる…?それは…。」


「ひどいアレルギー体質なんです!!!」


そう!俺の直接的死因となった猫をはじめ、犬、鳥、ホコリ、もうありとあらゆるものが!俺の身体に合わないのだ!1年中マスクは手放せないし、新しいことに挑戦しようとしてもアレルギー!アレルギー!アレルギー!!


「自分でもアレルギーが多すぎて、何がダメなのかもわかりゃしないこともしばしば!!それが生まれ変われるんですよ!こんなに嬉しいことってないです!!」


そう言って俺はエメラダ様を見る。なんかちょっとエメラダ様が引いている気もするが…本当に願ったり叶ったりなのだ!


「そ、そうなのですか…。それはなんというか…大変でしたね…?」


わかってくれますか女神様。

本当に辛いんですよ。


「い、一応私の世界の説明をさせて頂きますと…」


ちょっとテンションが下がったエメラダ様は、自分の世界の説明をしてくれた。

要約すると、勇者もいるし魔王もいる、魔法ありスキルありドラゴンありのファンタジー世界だった。やったぜ!


「転生しても、特に魔王を倒してほしいとかそういうアレはないんですよね?」


「はい、今回はイレギュラーですし…勇者も既におりますので…。近々今代の魔王が生まれそうですが、貴方に倒してほしいとかはないですので…。自由に生きてくださって構いませんよ。」


それはよかった。魔王とか怖いしね。

そりゃあちょっと冒険もしたいが、来世では心穏やかに暮らしたい。


「ではそろそろ定時…いえ、時間もありませんので転生の説明進めさせていただきますね。」


今定時って言った?神様も9時17時で働いているのだろうか。その後エメラダ様が説明してくれた内容としては

・転生先は選べないこと

・今の身体ではなく、向こうの世界で身体は再構築されること。

・0歳からのスタートであること

など、俺にとっては特に問題ないことだった。


「問題ないです!!」


「では転生のほう始めさせていただ…」


「ちょっと待ってください!」


「!?どうされました…?」


「そちらのミスで死んだんですから、ちょーっと特典とかあってもいいのかなー、なんて思うんですけど?」


「え!?貴方生まれ変われること喜んでましたよね!?」


それはそれ、これはこれです。

やっぱり異世界転生なんだし、チートまでとは言わないけど、少し欲張っても良いかなって。ダメ?ダメかな?

チラッチラッとエメラダ様に視線を送っていると、エメラダ様は はぁ、とため息をついた。あ、やっぱりダメ?


「…わかりました。こちらのミスですしね。では、好きなスキルを5つ差し上げます。こちらのカタログからお選びくださいね。」


やったぜ!言ってみるもんだな!

俺はエメラダ様が差し出してくれたカタログ(スキル大全…と書いてある)を受け取り、吟味に吟味を重ねた。


「(定時めっちゃ過ぎてるよぅ…残業減らせって言われてるのに…)えー、ゴホン。そろそろ決まりましたでしょうか?」


「えーっと…この、アイテムボックス、言語理解、全魔法適性、鑑定、は決めたんですけど、あと1つ迷ってまして…オススメありますか?」


「オススメですか…そうですね、こちらのスキルコレクトはいかがですか?スキルの中には、生まれつき持っているものと、生きている中で得るものがあります。こちらのスキルを持っていると、通常よりスキルを得やすくなります。地味ですが、お役に立つと思いますよ。」


スキルを得るのに必要な経験値が少なく済むってことかな?それはいいな!


「じゃあそれで!」

「はいじゃあ転生手続きさせて頂きますね!良い人生を!

あ、何か用があれば私の教会に来ていただければ対応しますので〜!行ってらっしゃい!」


え、ちょ!なんかすごく急がれた気がするんですけど!

まあ良いか、必要なことは説明してもらったし、何かあれば教会に行こう。


「ありがとうございましたエメラダ様!では行ってきます!」


そこで俺の意識は一旦途切れた。次に目覚めたら念願の異世界だ!!


------


「はぁ、やっと終わりましたね。すんごい時間かかってしまいました…今日の報告まとめてあがらないと…あら?着信?あ、どうもお世話になっております〜。先程はありがとうございました。こちらの世界に転生ということで先方にはご納得いただきましたので…はい、なんだかアレルギー体質が辛かった?ようで、転生喜んでいらっしゃいました。…え?アレルギー体質についてはそちらの世界でのデバフスキルのようなもので魂に刻まれてるから転生前に取らないとダメ!?え!もう転生させてしまったのですが…!あ!ちょっと!切らないでくださ…!えええ!?」

初投稿です。不慣れな部分もありますが、少しでも楽しんで頂けるよう頑張ります!

続きが気になる!面白い!と思って頂いたら、是非評価のほどお願い致します。

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