暴走特急フェルディナント
お昼上げです!出来たら今日は後二本くらい上げたいと思ってますが予定は未定です。
「何だあれは!?」
「分からん!分からんがとりあえず報告だ!」
そう言って発光信号を挙げる魔族の兵士達、そうしている間にも土煙は近付いてきて。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
彼らを無視して過ぎ去っていく。
「なあ、今のって……」
「ああ、信じ難い事だが……」
「「敵襲~~~~~~~!!!!!」」
なんか居たけどとりあえずどうでもいいか。
そう思って魔王城を目指してひた走る。
とりあえず魔王と話して、そんで平和にする方法を探さなきゃヒルダを迎えにもいけねえ。
ったく、何でこんな面倒な事しなきゃいけねえんだよ……本当に戦争始めやがった奴等一回〆ねえと気がすまねえ。
そんでダメなら両方潰しちまうか。
そんな事を考えながら走っていると周りが騒がしくなってくる。
それと共に何か飛んできているが無視だ無視!
とりあえずこのまま走っていけば朝には魔王城だからな、余計な寄り道なんざしてられねえ!
そう思い走っているのだがどうもそうはいかないようだ。
「止まれ!貴様は完全に包囲されている!大人しく投降してお縄につけ!」
目の前にずらりと武器を構えた軍勢が並びその集団の指揮官が叫ぶ。
「邪魔すんなあああ!こちとら魔王城へのカチコミじゃあああああ!雑魚はすっこんでろおおお!」
そう言って速度を緩めずに突貫をかける。
「んなあ!?ええい構わん!打て!うてええええ!!」
その号令と共に構えられた武器の先から様々な魔法が雨霰と降り注ぎ視界を埋める。
そして着弾、それと共に舞い上がる土煙、命中を確信したのか指揮官は拳を握り締めあの言葉を叫ぶ。
「やったか!?」
その言葉を言った次の瞬間、叫び声が響く。
「それはフラグだあああああああああああ!!!」
そう叫びながら魔族の軍勢の中央を走りぬける。
触った奴が吹っ飛んでいった気がするが気にしない。
「追え!追えええええええええ!!」
そんな声が聞こえるが気にせず走る。
左右からも何か飛んできているようだが気にしない。
そして走る走る走る。
湖があれば足が沈む前に水を蹴り進み、崖があれば一飛びで飛び越す。
湖を走る俺の後ろを見送った軍の指揮官が「なんだあれは……」と絶句していたのは後から聞いて知った話。
そうして俺は魔王城への最短距離をひた走る。
誰にも俺は止められないぜ!
一方その頃魔王城では。
「魔王様報告します、勇者の襲撃が始まりました。現在、国境の部隊から突破されたと報告がありました」
側近の一人が玉座の間で魔王に報告を行う。
「なんだと?被害は?」
その報告に立ち上がり驚きを露わにする美麗な黒髪の麗人……それが今代の魔王。
「はっ!勇者に跳ね飛ばされた兵士数十名が重傷を負ったとの事ですが、幸い死者は出ておりません」
「そうか……」
ホッとしたように玉座に力が抜けたように座りなおす魔王に報告を続ける。
「現在樹海に入ったという事ですので一直線に此方に向かっているものかと思いますが、いかがいたしましょうか」
それに対し悩みを表に出す魔王。
「兵を差し向けても足止めにもならず、かといって放置するわけにもいかずか、厄介な……」
そう呟くと控えていた宰相が口を開く。
「ここは四魔将の出番かと」
「四魔将か、しかしあやつらは」
そういってためらう魔王に宰相は言葉を続ける。
「あの者達も武人、御身のための戦働きこそ彼らの誉れ、出陣の許可を」
「そこまで言うならば仕方ない、しかし、死ぬ事は許さぬ、これは王命である!」
「はっ!それではこれより出陣致します!」
そう言って彼は玉座の間を後にする。
宰相、それは四魔将を率いる者で彼自身が四魔将筆頭である。
その名を鉄壁のボルドー。
新婚でつい最近子供が生まれたばかりの彼は決死の覚悟で勇者に向かう。
自らの妻の恩人たる魔王と、自分達の国を守る為に……
木々の立ち並ぶ樹海を抜けたところでまた歓迎されるかと思ったがそれもなく。
そこからは順調に距離を稼ぐ。
そして夜になると何か騒がしかったが気にせずに走り続けて日が明けた頃、漸く遠目にそれが見える。
「見えたあああああ!あれが魔王城おおおおおおおお!」
徹夜明けで走り続けテンションが高くなっていた為叫んだがそうしたところで答えるものなど誰も居ない……はずだったが。
「そうだ!そしてここから先は通さんぞ!そこの人間!」
答えるものが居たのだ、しかし!
「推し通おおおおおる!」
そう叫びながら疾走する。
右に、左に、時には上や右上左上と空中を走ったりして軸線をずらして通り抜けようとするがその悉くに対応される。
そして互いの距離は小さくなっていき……
「ちぇすとおおおおおおおおお!!」
「剛力流奥義!不動鉄壁いいいいいいいいいい!!」
走る勢いそのままの前蹴り、通称ヤクザキックで押しのける事になるのだが、なんとそれにも対応されてしまう!
気合一発、構えた鋼鉄の盾を構え踏ん張ったその足はガリガリと地面を削り五十メートルの軌跡を残すがその勢いを止める事に成功する。
ここまでこうやって対峙できた奴がいなかったが、ついに現れた事に少しの感動を受けてしまう。
「貴様何者だ!」
その声が放たれた方を見るとそこには……
お読み頂きありがとうございます、設定はベッタベタなので後は彼らの大暴走に私は期待しております。
よろしければ下の評価欄をぽちっとしてブックマークもついでにしてくださいw