1話 ー朝ー【余命僅かからの再恋の話はいかが?】
1話 ー朝ー【余命僅かからの再恋の話はいかが?】
チュチュン…チュン
ー朝ー
鳥のさえずり。
妻が開けてくれたのか、開いた窓から朝の眩しい光と爽やかな風が僕の体を包み込む。
ああ、重たい…体が自由に動かないな。
僕がベッドから立ち上がろうとすると
「ああ、あなた起きたのね。ちょっとまってね」
奥のリビングで食事を作っていた長い艶やかな黒髪がよく似合うクリッとした二重が特徴的な可愛らしい女性…妻が僕の方を振り向く。
「あ゛う゛か゛」
今日も…僕の口は思うように動いてくれない。
妻はそんな僕を見てニッコリと笑り
「お腹が空いたのね」
と言って、僕をベッドから立ち上がらせ、先程食事の支度をしていたキッチンに行きの鍋から何かをすくいお椀に入れて戻ってきた。
「はい、どうぞ。まだスープしかできてなくてごめんね…ふーふー」
今ちょうどできたであろうそのスープは金色に輝くポトフスープだった。
妻が作る料理はいつもとても素晴らしいもので、調理をする姿を見ているだけでよ惚れ惚れするものだった。
味はと言うと逸品絶品、コレほどまでに美味しいものはないだろう…
可愛いくて、愛おしくて…なんでもできる最愛の妻だ。
「おいしい?はい、あーん」
妻が僕の口にスープを運んでくれる。
これだけで僕は十分幸せだ。
だが、妻はどうなのだろう…日頃絶対に泣いている姿を見せない彼女は素直に聞いたところで
「幸せだよ」と言ってくれるに違いないだろうが…
魔力枯渇性神経欠陥…僕はその病に犯されていた。
名前の通り、魔力という魔法を使うための力を使いすぎてしまったのだ。
魔力は一度使い切ってしまうともう戻ってくることはなく、魔力をなくした人間は大木のように乾燥し足から徐々に腐りはじめる。
不治の病と称される病気の一種である。
一般人が日常を生きている中では滅多に使わない魔力であったが軍人であった僕には必要とされる能力であり、莫大な魔力の量だけそこそこの役職に抜擢されていた。
しかし、第一次五カ年戦争により、僕は徴兵され魔法による戦闘を強いられた。
魔法に攻撃は恐ろしく、たった一度の魔法で数十〜数百もの人を殺せるほどの威力だった。
5年間も続いたその戦争は多くの犠牲をだしたが現在でも完全な終戦には至っていない。
ただ魔力の量が莫大な僕のような人間は稀で戦争では大変貴重な戦力とされ、戦争の第一線にいながら他の仲間たちに守られ続けた。
そのおかげで、僕は魔力を枯渇させ魔力枯渇性神経欠陥となってしまったが、この戦争を生きぬき、国から莫大な金銭を受け取り、こんな体でも不自由なく暮らせていた。
今も、また僕の口にスープを運んでくれている彼女は幸せなのだろうか。
ねえ、聞かせてよ。
僕のこと好き?
愛してる?
今の僕に、彼女からそんなことを聞く術はなかった。
神様。
どうか、彼女の気持ちを教えてくれないだろうか。
どうか、僕の気持ちが伝わってくれないだろうか。
そう願いながら死を待つだけの僕であった。
彼女はまた僕の口に優しくスープを運んでくれる。
明日は何か変わるのかな。
どうでしょうか。
ここまでまだ、起承転結の起しか起こっていませんが楽しんでいただけると幸いです!
もっと明るいバカパニックしてる話書きたかった!!笑
なんでこんなに暗いの!?
初投稿なので、緊張とワクワクです。
ご指導ご鞭撻、いいねフォロー(あるのかな?)ブクマよろしくお願いします!
催促してくれたら1日1話は書いて行こうかなと思います。
では1話 ー昼ーでお会いできたら嬉しいです!