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09 ようこそ、リアル・リアルワールドへ。


「ウソ・・・?

 ナニ、コレ・・・?!

 ドウユウコトナンヨォォッッ!!!!」



そう叫んだタマの姿は

どうみても気が狂ったようにしか見えなかった。


何かを手探るように慌ただしく宙を泳ぐ両腕に

四方八方を彷徨う視線が、正気じゃ事を物語っていた。



「タマ・・・?」



痛いのか? 毒が苦しいのか?

目が・・・見えぬのか?


妾は、どうすれば・・・



がばっ・・・・



尋常じゃない壊れ方をしたタマに

少しでも、何かしてあげれる事がないか・・・

そう思ったチセだが

これ以外の答は何も思いつかず

ゴブリンの血を浴びたタマの顔を

その胸に、力一杯抱きしめていた。



ぎゅぅぅぅ・・・



机もモニターも、部屋の様子も

パソコンもスマホも・・・

自分が座っているのか

倒れているのかすらも

タマにはもう、何も感じる事ができなかった


例えるなら

世界から自分だけが

その外へと放り出されたような

誰も・・・自分さえも感じない

ただ真っ暗な世界にいるようだった


現実の全てが消えてなくなってしまうような

そんな、不安や恐怖と、何もできない無力感が

タマの心の温度を急速に奪っていっていた・・・



ぽわん・・・



その感触は、唐突で

びっくりするほど、温かくて、柔らかく・・・


タマの顔を優しく包み込み

確かにここに、存在した。



ピクッ・・・



「あ・・・

 あぁ・・・

 何・・・?

 チセ・・・様・・・?」




ゎ・・・


ふっ・・・ ふふっ・・・


あ・・・ あほか、うち・・・


こんな、こんな時に感じるのが

チセ様のおっぱいの感触で・・・


嬉しいって感じたり

ラッキーって感じてるんが

今もここに在る

よぉ分からん、うち自身・・・とか。


なんなん・・・ カッコ悪ぅ・・・


ふふっ・・・


でも・・・ 良かった・・・


ありがと。


チセ様がいなかったら、うち・・・




ぎゅ・・・ ぎゅぅぅぅ・・・



その感触だけが

自分が存在する証のようで

タマもチセに抱きついた。


自分がここにいると実感させてくれる。


これがあれば大丈夫・・・そう思える。


チセの感触は

そんなじわぁっと来るものを

タマの心に与えてくれた。




「見えるか? タマ?

 妾はここじゃ。」


「うん・・・ 見える。

 ちゃんと、温かくて・・・・

 やらかいよぉぉ!!!」


「バッ・・バカッ!

 そこに顔を、押し付けるでないわッ!

 そんな場合か! 余裕かぁ!?

 心配したのじゃぞ!

 このまま壊れきって

 死んでしまうのではないかと思ったではないか。」


「んぅッ・・くうッ・・・ 痛たッ・・・」


「そうじゃタマ、 矢・・・

 こ、これは、このままで良いのか?」


「さ、刺さってるとずっと痛いみたいやし・・・

 抜きたい・・・

 背中・・・

 チセ様・・・お願い、抜いてくれへんかな・・・」


「よ、よし・・・ 任せておけ。

 い、痛そうじゃが・・・」


「うち、丈夫やから

 一気に、お願い・・・」


「わわ、分かった・・・ い、いくぞ?

 うぅぅぅ・・・

 ほ・・・ ほんとにいくぞ?」


「うん・・・ お願いッ・・・」


「うぅぅ・・・・ くぅッッ!」



ブシュッ!



「ぅい”ッッ!! たぁぁぁあぁッッ!!!!」


「ひぃぃッ!!!

 ぅいたたたたたッ!!!

 わっ、妾まで痛いではないか! バカ!!

 もうちょっと毅然として・・・

 あ、いや・・・ 平気か?」


「うぅ・・・ぅ・・・

 うん・・・背中の痛いんは、楽んなってく・・・。

 ありがと。

 はぁ・・・ はぁ・・・ ふぅ・・・」


「おぉ・・・

 みるみる塞がるのじゃな・・・

 逞しいにも程があるのじゃ。

 もう、平気なのか???」


「あはは・・・

 でも、毒は消えへんみたい。

 頭・・・割れそ・・・

 インチキで薬だそうとしてんけど

 なんか、インチキ使えへんくて・・・。

 困っちゃったな。」


「そうなのか?

 薬はどうやって手に入れるのじゃ。

 タマもじゃが・・・

 ポチも見ておるだけで不憫なのじゃ・・・

 あれは恐らく・・・ もう、間もなく・・・」



チラ・・・


ゴソゴソ・・・



ポチを横目で見たタマは

解毒剤がある事を願って

ゴブリンたちの死体をあさった。



ガサゴソ・・・ コロン・・・



「あ・・・あった。

 なんかそれっぽくない? これ。」



小さな小瓶が1つだけ大きい方のゴブリンから見つかった。



「それっぽい・・・気もするのぅ?

 妾には分からぬが。」


「だよねー。

 どないせーゆうんよ・・・

 UIも開けへんとか、無理ゲーやん。」


「ゆーあい??」


「あー・・・ なんでもない。

 あそっか、もう地図も見れへんのかも・・・。」


「なんじゃと?

 タマ? こんな時になんじゃが・・・

 なぜ治って欲しくないところから

 例外病を治していくのじゃ?

 俗に言う・・・マゾとか言う、そういう趣味か?」


「ち、違うはず・・・。

 てか、せめてこれが解毒剤かどうかだけでも・・・

 逆に毒やったりしたら堪らへんし・・・」



あっ・・・


そういえば、アイテムをチョンチョンって

Wクリックみたいに指でつつくと説明が出て来たり

UIもなんか決まったアクションで開けるんちゃう?


なんか似た様なゲームの誰かのプレイ動画で

そんな感じのんを見たような・・・


そんな事をタイムリーに思い出し

試しに小瓶を指でツンツンしてみた。



ブンッ・・・


『 解毒剤 : 毒状態を回復する 』



「やったッッ!

 よし! よし! 正解っ!

 うち天才やん!

 おぉぉ・・・

 宙に文字が浮かんでて、なんかかっけー・・・」


「何じゃ? 何が正解なのじゃ?」


「あ、うん、ちょっと例外病が・・・復活っていうか?

 これ、解毒剤でおうてるみたい。」


「そうか! それは良かった!

 早速飲むのじゃ!」


「うん!

 ・・・・・・ぁ。」



身体は、めっちゃ最悪に、きつい。

矢ぁ抜いてもろて、背中が痛いんはおさまったけど

頭はガンガンしてクラクラする

目もかすむし、全身、力入らへんくて、めっっちゃ怠い・・・

マジ気分悪くて、吐きそ・・・


それでも・・・


ポチみたいに、死にそう・・・ じゃない。


どう見ても・・・ ポチはもう・・・




ぅぅ・・・ もう!!!




タマはポチの所へヨロヨロと向かい

ポチに寄添って座りこみ、その頬を撫でた


弱り切った力の無いポチの大きな瞳は

タマのその手の感触で少しだけ楽になったような

そんな風にタマの目には映った・・・。


首に刺さった矢の根元からは

血が流れていた・・・



「ブル・・・ ブルル・・・」


「ポチ・・・

 こんなにあったかかってんな・・・

 大丈夫やで・・・。」



タマはポチの口の中に小瓶の中身を流し込んだ。



「タ・・・タマ?!」



ピクンッ・・・



「ブルルルルッ! ヒヒーン!」



―― ティロリン!



「あはは、流石ゲーム・・・

 ソッコー解毒できるんや。

 良かった、間に合って・・・。

 あとは矢・・・

 抜いたほうがええんかな? やっぱし。」



てか、またなんか上がった・・・? Lv?



「タマ・・・ 良かったのか?

 1つしかないのであろう?

 ポチも大事なお友達じゃが・・・。」


「うん・・・ 失敗したかも。

 何してんのやろ・・・うち。

 でも、ほっとけへんくて・・・

 ポチも、こんなに温かくて・・・

 ちゃんとここで、生きてて・・・」


「おのれ・・・ゴブリン!!

 やはりアレは沈めてやらねば気が済まぬ。

 こんなひどい目に合わされたのじゃ

 タマの分の解毒剤を奪ったら、100回沈めてくれるッ!」


「沈めるって・・・

 もうそんな力ないやん? チセ様。

 むしろヨワヨワ・・・ ってか、ヤワヤワ・・・」


チラ・・・

パコーンッ!!


「それは、まぁ、そうかもしれぬが・・・

 腹が立つではないか!

 いきなりポチを殺そうとして

 タマにもこんな酷い事をしたのじゃぞ?」


「うちも・・・

 いっぱい殺してもたけどな・・・。」


「なんなのじゃタマは!

 妾がこんなに怒っておるのに

 痛い目にあっておるタマは怒らぬのか?


 そもそも、気に入らぬぞ?!

 妾の時は意味も理由もなく殺したくせに

 なぜこの臭いヤツなどに同情しておるのじゃ!?

 特に、そこが納得いかぬ!


 まさか妾よりも、コレの方が可愛いとでも言うのか?

 タマはマゾのうえ、そんな趣味まで患っておるのか??」


「ち、違ッ!

 あ、でも、ごめん・・・

 あれは、その・・・

 ほんと、ごめん・・・なさい。」


「ふん! もう良い。

 もう、随分昔の話じゃ。

 この上、落ち込んだ美味しくない顔まで見せるでない!

 それに、今のタマは妾の大事な・・・

 大事な・・・

 んー、なんじゃ?

 嫁でよいのか? こういうのは?」


「よッ 嫁ぇッ?! って?!

 えッ?! えとあのッ・・・マブダチ!!

 そう、マブダチくらいがええんちゃうかなぁ?!?!」


「おぉ、マブダチかっ!

 なんじゃかガシッとくる感じで良いな!」


「あはははは・・・

 う、うん、ええやろ?

 あー、びっくりした・・・。」


「ふふっ・・・ マブダチかぁ♪」


「うん、よ、よし・・・

 なんかちょっと元気出たし

 うち、ちゃちゃっと、解毒剤盗ってくる。

 このままじゃ、マジヤバぃし・・・」


「よ、よし・・・ 分かった。

 しっかり守るのじゃぞ?」


「うん、しっかり守・・・ へ?

 チセ様も来るん???

 お外で待ってた方がええんちゃう?」


「馬鹿を申せ!

 こんなところで一人でおったら

 買い物にでも出掛けていた仲間のゴブリンが

 ひょっこり帰って来て

 酷い目に合わされるかもしれぬではないか!」


「買い物・・・するかなぁ?

 でも、まぁ、それもそっか

 せめて、ちょっとましな防具でもあればよかってんけど

 ・・・ん?」



チラッとゴブリンの死体を見たタマだったが

武器以外は汚い布や木の皮の服をまとっているだけで

使えそうなものもなかった。

なによりチセに着せるには汚過ぎる。

しかし、盾だけはアリ・・・そう思って1つ拝借する事にした。


出来の悪い木製の小さな盾。

手に持つのではなく腕にベルトで固定するタイプで

盾の様な、籠手のような感じのそれを

チセの腕に装備させてみた。



「どう? 重くない? 動かせる?」


「んー・・・重い。

 が・・・ 付けておるだけでなぜか安心じゃな?」



いぃー・・・よっ! んんー・・・はっ!


・・・と、のろのろと盾を右へ左へと構えるチセ。


うん。 今日もかわぃぃ。 助かります。


それをそういう目でしか見れないタマ。



「じゃぁ、心配やけど、ちょっとポチを

 もうちょい離れたとこで隠して休ませといて

 こっそり乗り込んでみよっか。」


「わ、わかったのじゃ。」




   ◇ ◇ ◇




タマたちはポチを移動させて隠れさせた。

どこかに縛ろうかとも考えたが

ゴブリンに見つかったら逃げる事もできないかも?

ということで、ここで待て・・・と言っておいた。


毒が心配だったので矢は抜いたのだが

その跡が痛々しい。

治療するアイテムもないので

リンゴや梨を食べさせながら

ゆっくりさせる事くらいしかできなかった。



ポチをおいて、タマとチセが洞窟の前まで戻ると

相変わらず死体が4つ転がっており

どうやら中に伝わった様子もなかった。


血も地面に飛び散ってるし

死体を隠すとか、結構な作業になるので放置していたのだが

まだ見つかってなかったのはラッキーだった。


その時、死体の横に転がった弓矢が目に入り

タマはそれを手に取って、試しに使ってみようとしたのだが

矢が飛ぶ前に弓が折れかけて使い物にならなくなった・・・。



ミシミシッ・・・



「あっ、引っ張り過ぎてもた。

 しょっぼい弓やなぁ。」


「よし、ならば、妾が・・・。」


「あ! 多分、先っぽに毒塗ってあるから気ぃつけて!」


「うむ!」



もう1つあった弓矢をチセが拾い、試し撃ち。



キリキリ・・・ ヒューン・・・ ポスッ。



「おおーぅ・・・ 楽しいな? これ。」


「お? ないよりマシ?

 100倍だし、練習してみてもええかも?」


「そうか! こういうことも100倍なのじゃったな。

 あと、2,3回撃っても良いか?

 300回も練習したとなれば、かなり使えるに違いなかろう!」


「そう言われると、無駄やない気ぃするね?

 あと5回くらい撃っとく?」



ヒューン・・・ ヒュンッ! ピシュ! ビシュっ!! バスッッ!!!!



「100倍・・・すごぉぉ・・・。

 こうやって見ながら実感すると、まじチートやん・・・。」


「ふっふっふっ! 妾の実力じゃ!

 正直、あの木のあたりの距離なら

 もう、誤差数センチで当てれると思うぞ?」



むっふーん! の ドヤッ! 的なポーズをチセは決めていた。


うん、助かる。


タマは成果よりもその可愛さにやられていた。


 

「もう、プロやな。 ・・・可愛さの。」


「そうじゃ、盾の練習もしても良いかもしれぬな?

 痛いのは嫌じゃからな!」




はっ! ほっ! よっ!


うん・・・かわいいがメキメキLvアップしててマジ助かる。




「盾はうまくなってるか、よぉ分からへんけど

 とにかく、ケガだけはせえへんように

 周りに気ぃ付けててな? マジで。

 チセ様、うちより、匂いとか気配とかに敏感みたいやから。」


「そうじゃな。

 つい弓を使いたくなっておったが、痛いのは嫌じゃしな。

 心得た!」




   ◇ ◇ ◇




ピチョン・・・・ ピチャ・・・



薄暗い洞窟の中は、天井から水滴が落ちてくる程湿度が高く

通路には所々明かりが掛けてあり

最低限の明るさを保っていた。



チート使えたらなぁ・・・

ガンマ調整して、明かり消したら、うちだけが見える状態にできるのになぁ。

そしたら、チャチャっと解毒剤盗んで脱出できるんに・・・


ちなみにガンマ調整とは画面の明るさの調整みたいなもので

夜でも昼の様に見えるようにできたりするチートである。


そんな事を考えながらも

今は洞窟内の温度や湿度まで体感できて

超リアルな感覚につつまれているので

もうゲームという感じがまったくしない。


超リアルに感じる生々しい?チセが隣にいたり

毒がまわって具合もすこぶる悪いのもあって

本当にリアルで嘗てない大冒険をしている感覚だった。


唯一、リアルとは違い

とんでもないスーパーボディがある事だけが救いだった。



   ◇ ◇ ◇



「タマ・・・この先に何かおるぞ。」


「マジ? 何かって・・・

 ゴブリンやんな? いっぱいいそう?」


「うむ・・・数は多そうじゃが・・・

 それほど臭くはない。

 綺麗好きなゴブリンかもしれぬな。」


「綺麗好きとか・・・

 どうでもいい。

 やり過ごせるとええんやけど・・・」



コソコソコソ・・・・ チラ・・・



「あ・・・ 」 「ほぉ・・・?」



通路を進むとそこには扉があり

その扉の上半分程が格子になっていて

部屋の中を見る事が出来た。


そっと覗くと、この部屋はどうやら

人間を入れておくための牢獄のようだった。



「うわ・・・ この大変な時に・・・

 めんどくさい予感しかせーへんし。」


「タマ、人間じゃぞ? どういう事じゃ?

 あれは、家畜か奴隷かにでもされておるのか?

 ゴブリンに。」


「それは分からへんけど・・・

 話しかけたら、絶対助けてって言われて・・・

 全員を救出せなあかん流れちゃう?」


「なるほどじゃ・・・

 タマは未来の事まで分かるのじゃな?

 じゃが、解毒剤を持っておるかもしれぬし

 話してみるのもありではないか?

 まぁ、妾があやつらと話してみたいのもあるのじゃがな?」


「ん~ ・・・うん。」



毒による深刻な体調不良の真っただ中で

ちっとも余裕なんてなくなっていたタマは

とりあえず解毒剤をすぐにでも手に入れたいだけで

この厄介ごとの種に面倒くささと不安しか感じていないのだが

チセが人間に興味を示して目を輝かせているを見てしまっては

とりあえずは、まず声をかけない訳にもいかなかった。


廊下から大きな声をかけるのは

さすがに他のゴブリンに見つかりそうなので

2人はまず、部屋への潜入を試みた。



カチャ・・・ カチャカチャ・・・


シャキーン!!!!


キィィ・・・ コソコソ・・・



扉には鍵がかかっていたので

剣でドアと壁の間を斬って

そーっと部屋の中へ入るともりだったのだが

斬った時に、そこそこの音がしてしまったので

ドアを開けて部屋に入った時には

すでに牢屋に入れられていたおばさんに気付かれていた。




「えッ?! あッ・・・ 」


「シーッ・・・・ 大きな声出さんとってや?」




おばさんも驚いた声を咄嗟にもらしたのだが

その緊張した視線がタマから離れ

部屋の奥の方を向いたところで

タマはすでに失敗していた事に気が付いた。


入ってきた扉の逆側にはもう1つ扉があり

同じように上半分が格子になっていて

その格子から監視役らしいゴブリンが目を光らせていたのだ。



「しまッ・・・ 」



ヒュンッッ!!!  パスッ!!!!



「グウォォッ・・・・」  ドサッ・・・



「おおぉぉ・・・?!

 チセ様ナイッスゥー。

 1発って・・・ すごぉー。」


「ふっふっふっ♪ 臭かったのでな。」



「え・・・嘘っ?! ちょっ・・・ええ??

 あ、あんたたち! 何?! どっからきたの?!

 た、助けてっ!」



デスヨネー・・・


そう思いつつもタマは

とにかくまずはこちらの要件を伝える事にした。




「待って!

 事情は分からへんけど、待って!

 うち、毒矢にやられて、めっちゃヤバイねん。

 今は、急いで解毒剤が欲しいだけなんよ。

 ありそな場所とか知ってたら、教えてくれへんかな?」



ザワザワ・・・ 


薄暗い部屋をよく見ると

牢屋が3つあり、それぞれに2,3人が閉じ込められているようで

タマの事情を聞いたその捕虜たちは

小声で少しだけ話をしたあと

さっきのおばさんがタマに慌てた様子で小瓶を渡してきた。



「これ、すぐ飲んで。

 ゴブリンの毒は強いから急いで!」


「?!

 なんで? なんで捕虜のおばちゃんがこんなん持ってるんよ?!」


「いいからっ! 早く!

 ほんとに、ものの数分で死んじゃうから! 急いで!」


「わ、わかった・・・ ありがと・・・」



ツンツン・・・ ブンッ・・・ 『解毒剤』



間違いなく、本物。


とにかく今は、この最悪な体調から解放されたい一心で

それだけ確認するとタマは一気に飲み干した。


効果覿面・・・

胸のあたりから何かが全身を駆け巡った感覚を感じたと思ったら

さっきまでのクラクラのガンガンも

気分の悪さもあっけなくどこかへ消え去った。



「どうじゃ? タマ?」


「はぁぁぁ・・・

 助かったぁぁ・・・

 なんか・・・ 嘘みたいに効いた。

 健康って、ええなぁぁ。

 ありがとう、おばちゃん。」


「はぁ・・・

 良かったわ・・・間に合って。

 ここは危険だから・・・

 もう、行きなさい。」


「・・・?

 さっき・・・ 助けてって・・・」


「助けて欲しいけど・・・

 奥に、家族が捕まってるのよ。」


「あぁ、なるほどじゃ・・・

 奥にゴブリンはどれくらいおるのじゃ?」


「さぁねぇ・・・

 こっち側だって、いつも5匹はいたと思うけど

 よく見つからずにこれたわね?

 それに、奥の事はあまり知らないの。

 採掘場があってそこには少なくても

 10匹くらいはいるんだけど。

 その奥のことはさっぱり・・・」


「採掘場・・・ ほぉ・・・

 まぁとにかく、奥の家族と一緒にここから出たい。

 そういう事か?」


「もちろんそうだけど・・・

 いくら弓が上手に使えるからって

 こんな小さなお嬢ちゃんにそんな危険な事頼めないわよ。

 そっちの子も毒が消えたっていっても矢が刺さったんでしょ?

 早く逃げてお医者さんの所へ行きなさい。

 それで、強い人にここの事を知らせて

 助けを呼んできてほしいの。

 入って来れたなら、なんとか抜け出して、助けを。」


「そういうクエか

 助けてもろたしなぁ・・・。

 ほな、助けを呼ぶとして、どこ行ったらええん?

 少し前、この辺に村があったと思うんやけど 」


「もう、ないわ。

 みんな、ここに捕まってる。」


「そっか・・・。

 やっぱりここのゴブリンも悪いヤツなんやな?」


「いいゴブリンなんて聞いた事ないわ。

 あいつら・・・私たちの村を・・・」


「おい・・・嬢ちゃんたち

 オレも色々聞きたい事はあるが、長話は危険だ。

 早く逃げて、助けを呼んできてくれ。

 ここから、西への道をずっと進めば大きな街へ出る。

 きっとあそこなら騎士団が助けてくれると思う。

 ちょっと遠いが・・・頼む!

 見張りを殺しちまった以上どうなるか分からん

 少しでも、1日でも早く助けを!」



おばさんの隣の牢にいたおじさんが、それだけ伝えると

部屋は、もう、話している場合じゃない

早く逃げてくれという雰囲気になったのだが・・・



テクテクテク・・・



タマは入ってきた扉とは逆の扉へと向かい

扉と壁の間を再び剣で斬った。



シャキーンッ!



うわー、うちかっけー!

剣、気持ちええなぁ・・・


とか、思っていたのはナイショである。




「おぉ・・・ すげぇ・・・

 って、ばか! そっちじゃない! 逆だ!」



剣のリアルな感触の余韻に浸っていたタマは

おじさんのその声を無視して部屋を出ると

チセの矢で倒れていた監視ゴブリンの身体をあさった。



「おっ、やっぱり・・・。」



ガチャガチャン・・・ キィィ・・・



「牢屋の鍵や、これ。

 あと、解毒剤1個持ってた。

 おばちゃんがなんで持ってたんかしらんけど

 大事やったんちゃう?

 返しとくな?」


「あぁぁ・・・ありがとう、助かるわ。」


「でも、牢屋の扉はどないしょ?

 ここ開けといても、逃げる訳にいかへんのよなぁ?

 一応隠し持っとく? とか?」




「・・・。

 お嬢ちゃん、武器はないか?」


「へ?」


「こう見えて、少しくらいは剣をかじってんだ。

 そこのゴブリンを殺したんだ

 助けが来るまでオレたちが無事でいられるか、もう分からねぇ。

 嬢ちゃんたちが悪い訳じゃないんだが

 ここで、殺される訳にはいかんのだ。

 オレは、家族を、娘を救いたい。」


「おぬし一人で奥へ行く・・・という事か?」


「あ、 ああ・・・」


「待て・・・ ならオレも行く。」



奥の牢屋からもう一人男の声がそう名乗りを上げた。



「もぉぉ・・・

 やっぱりこうなるぅぅ。

 絶対ボスとか出るんやろぉ?!

 うちが行かな絶対悲惨な展開やん・・・。

 大体なんでうちが身体はって・・・ブツブツブツブツ・・・」


「タ、タマ?」


「もうええ! 分かった!

 助けてもろたし、ゴブリン殲滅でええんやろ?!

 洞窟の入り口に丁度剣が2つあるし・・・

 はかった様にちょーど2つ・・・

 持ってくるから、待っとき!

 あー! もう!」



そう言ってタマはダッシュで入り口へと走って行った。



「おっ・・・おいっ!!

 行っちまった・・・

 あの嬢ちゃん、なんで怒り出したんだ?

 余裕な感じで1人で出てったが、大丈夫か???

 あっちにだって・・・」


「こっち側の4・・・6匹ならもう倒したぞ?

 タマが倒した。

 まぁ、そこの1匹は妾じゃがな?

 ぬしらも見ておったであろう?

 いや、早すぎて見えなかったかもしれぬがの~?」


 むふーんっ! ドヤッ!


「あ、あぁ・・・ マジか・・・

 ワラワちゃんもあのタマちゃんも

 ちっこいのに凄いんだな?

 それに、ワラワちゃんまさか・・・

 エルフ族か・・・その耳?」


「ちっこいは関係なかろう!

 それに妾はチセじゃ! 馬鹿者!」


「お、おぅ・・・ す、すまん。」




   ◇ ◇ ◇




ものの1分とかからずタマは入り口までを往復し

2本の剣を拾って戻って来た。



「あっちは変わりなかったで。

 お買い物からかえってくるゴブもおらへんかった。」


「ふむ、ならば、そこのオス・・・?二人以外は

 もう外へ出ておった方が良いのではないか?

 ここにおっても仕方なかろ?」


「そうかもやな? 誰もおらへんから

 歩いてったら出れるし

 お外で隠れてた方がええんちゃうかな?」



おばさんたちは顔を見合わせた後

お互いに顔を縦に振った。



「分かったわ。

 くれぐれも気を付けてね、お嬢ちゃんたち。

 いくら強くても、危なかったら逃げるんだよ?」



おばさんはそう告げた後

今度はおじさんに、真っすぐ顔を向けた。



「あんたも、生きてかえってきてね・・・

 出来る事なら、あの子も・・・」


「ああ、マリーも絶対に一緒に帰って来る。」


「うんっ・・・ うんっ!

 これ・・・あの子に。」



おばさんはそう言って解毒剤をおじさんへと渡した。




   ◇ ◇ ◇




女子供組はおばさんを先頭に外へと向かった。

そして残ったおじさんとお兄さん的な感じの青年と一緒に

逆の扉をそっと開き、タマたちはその奥へと続く通路へと出た。



「おじちゃんたち、道分かるん?」


「採掘場まではな。」



男二人の話によると

捕まった男たちは穴掘りをさせられているらしく

燃料となる石炭の採掘をさせられているのだが

石炭はオマケのようなもので

どうも、たまに出る真っ赤な変わった石を

ゴブリンたちは集めているらしいとの事だった。


で、その採掘場までの道は知っている

という事だった。


採掘場にも牢屋があり男たちのほとんどはそこにいるらしいが

警戒しているのか、一か所に多くの人間を集めたりはしていないとの事だった。



「そっかそっか。

 そしたら、うちが先頭行くから

 おっちゃんたちは後に特に注意して

 絶ッ対ッにッ! チセ様にケガとか・・・」


「グウォ?!」


「「「 わッ・・・ 」」」



ヒュンッ!  パスッ!!  ドサッ・・・



「ビ、ビビった・・・

 や、やったのか?

 いきなり来たな。

 しかし、さっきのといいワラワちゃん、弓うめーなー?

 流石エルフ族だ。」



作戦会議中のタマたちの所へいきなり現れたゴブリンを

いち早く見つけたチセが急所を見事に撃ち抜いていた。



「ふっふっふっ♪

 もっと褒めて良いぞ?

 あやつらは臭いからな? 造作ない。」


「チセ様マジすげー・・・。

 ん? てか、おじちゃん、エルフ知ってるん?

 絶滅したって聞いてんけど。」


「ああ、そういえばそんな話もあったな?

 だが、ついこないだ、エルフの村が見つかったって噂が流れてな?

 なんでも名産品の森の木の実や薬草

 あとは弓矢が素晴らしいとかなんとか・・・

 オレもそのエルフの村へ行ってみたかったんだが

 そんな矢先、ここのゴブリンに・・・」


「おおぉぉ! エルフちゃん復活したんやっ?!

 あ、でもじゃぁ、ゴブリンが出たんは

 やっぱつい最近なんや?」


「そう、だな・・・

 ん? もうどれくらい経つんだっけな?

 まだ、数日の様な・・・もう、随分と前からの様な?」


「・・・。

 なんか、胡散臭ぁ・・・。」


「いや、ほんとだぞ?

 あれ・・・

 どうも、記憶が曖昧だな・・・。」


「はぁ・・・

 これ絶対、神様の仕業やろ・・・。」


「カ、カミサマ???」



出てきたゴブリンもあっさりと倒してしまったからか

少々緊張感が薄れた感じではあったが

4人は村人救出の為に、奥へと進んだ。


途中、突然もう1匹、横道からゴブリンが現れたが

おじさんがゴブリンの初撃を剣でなんとか受止め

その隙に、タマが1撃で仕留めた。



「は、ははは・・・ オ、オレもなかなかやるだろ?」


「脚がガクガクしておらねば

 もう少しカッコ良かったかもしれぬな?

 それに、妾が先に気付かねば、危なかったぞ?」


「確かに・・・ 助かった、ありがとう。」


「焦ったぁ・・・あんな狭いとこから来るとか。

 ナイスおっちゃん、その調子で頼むで?

 おっちゃんが死んでもええけど

 チセ様にかすり傷一つでもつけたら

 一生許さへんからなッ?!」


「お、おぅ・・・ も、もちろんだ!」



そんなこんなでなんとか4人は洞窟内を奥へと進み

意外とあっけなく採掘場のすぐ傍まで到着した。



「よし、この先が採掘場で男たちが沢山捕まってる所だ。

 上手く解放させれたら奴らの武器を奪って

 大勢で制圧できるかもしれん。」


「ふむ・・・ 仲間は多い方が良いな。

 見つかる前にカギを開けれたりするなら

 そうした方が良いかもしれぬな。」


「だな、4人であんなのを相手にするのはマズい・・・。

 とりあえず、し、慎重に行こう・・・な?」


「おっちゃん、あんまビビらんとって!

 こっちまで怖くなるからぁ!」


「ビ・・・ビビってなんかねーぞ。」



ちょっとビビりながら、そんな感じで作戦はまとまった。

いつも通りならこの先には10匹以上の団体でゴブリンがいる。

4人は、気を引き締めなおし、採掘場へと進んだ・・・




・・・その時



ゴゴゴゴゴォォォォッッ!!!!



「「「「 うわッあぁちぃぃいぃぃぃッッ!!!!! 」」」」




それは業火・・・なんかそんな感じの、炎の壁の様な物だった。


先頭にいたタマはモロにその炎をくらい

チセは咄嗟にタマの影に隠れたが

その後ろにいた男たち2人には炎が回り込んできて

かなりの火傷を負う事となった・・・。



「無理無理無理無理ムリムリムリムリむりぃぃぃぃッッ!!!!

 あッつぅぅッ!!

 ちょ・・・肌焦げて・・・

 治ってくけど・・・まだ熱くて痛いぃぃぃ・・・

 こんなんむりぃぃぃッッ!!!!!

 無理ゲー!!!!」


「ななな、なんじゃ?! 今の炎のでっかいのは?!

 わ、妾も無理じゃ・・・

 タマがいなかったら、あやうく焼き耳長じゃ・・・。」


「「 い”でででででッ!!! 」」




「はーーーははははッ!

 愚かな人間ども!

 問答無用だ!! 焼肉になれぃッ!

 オラァぁぁ!!!」



そこに居たのはなんかよくしゃべるゴブリン?みたいな何かだった。

遠目で見てもゴブリンにしてはちょっと大きく

チセくらいの背丈はあり、それなりに綺麗な服を着て

明らかに他のゴブリンとは違い・・・人間っぽかった。


その見た目もあれだが、そのゴブリンっぽい何かは

どういう仕組みのものなのか・・・

いわゆる火炎放射器を担いでいて

狭い通路の奥を陣取り、来るもの全てを焼き払う気満々で

2度目の火炎攻撃を開始してきた



ゴォォォオォォッ!!!!



「もおぉぉ い”いぃぃやあぁぁぁぁぁぁッッ!!!!!」



ブンッッ!!!!! ブブブブブンッッ!!!!



上手にこんがり焼けました!

・・・と言わんばかりに、タマは一度見事に焼けた。


スーパーボディのお陰ですぐに焼けた肌は元に戻ったが

短時間とは言え、自分の身体が焼肉になる感覚など

常人が正気を保てるようなものではなく

まして、ヘタレの甘ちゃんのタマにとっては

言葉のとおり、無理ゲーだった。


そして、そんな炎が再び迫ってきたとあっては堪らない。

チセを置いて逃げたり躱したりする訳にもいかず

タマは未だかつてない程に

必死にならざるを得なかった。


剣を抜刀して団扇のように、炎を扇いだ!

とにかくめっちゃ本気で。


炎を剣で斬ったところでアニメの様に

炎がかき消されるとは到底思えなかったので

ぶっちゃけどうしていいか分からなくなり

咄嗟にこの行動をとっていたのだ・・・。


だが、幅10cmちょっとの剣ではあったが

タマはチート腕力で目一杯扇ぎ

爆風を起こすことに成功した。




ブオオオオオォォォッッ!!!!


メラメラゴゴォォォォ!!!



「ぬああぁぁッつぅぅッッ!!!!!!

 おッ! おのれぇ!!!

 貴様! なんて出鱈目やらかすんだぁ!!!!

 このオレ様の炎を押し返すとは・・・!!

 絶対にこんがり焼いて食ってやるからなぁぁ!!!

 ぐぬうううぅぅ!!!」



ゼー ゼー ゼー・・・・



「チセ様・・・ 炎は何とかするから・・・

 あいつ・・・

 ブチ抜いちゃってくれるかな

 ここじゃ、近付く前にまたアレが・・・」


「よよ、よし、ま・・・任せろ。

 ぞ、造作ない・・・。」


「おのれぇぇッ!!!

 こうなったら最大火力で

 程よくこんがり燃え尽きろぉぉ!!!」




ゴゴゴゴォォォオォォォッ!!!!!




「「「 ひいぃぃぃぃッッ!!!! 」」」




ブォン!!! ブブブブブブブブブンッッ!!!!!


ゴゴゴゴッブウォォォオォッ!!!!



火炎と爆風は中央あたりでぶつかり

均衡を保ち炎も風もグチャグチャになっていた



「なッ・・・ クソッ!!

 なんだこのメチャクチャな人間ッ?!

 バケモンかッ?!」


「・・・ッ!

 チセ様ッ! 今ッ!!!」



キリキリ・・・


ドヒューーーーンッ!!!!  ・・・・ザクゥゥッッ!!!!!



「ぐあぁぁッ!!!」


「「 よぉーーーしッ! 」」



「お、おのれッッ!!!!

 貴様ら・・・ 飛び道具とは卑怯だぞッ!!!!

 男なら正々堂々と・・・」


「うわ・・・

 しぶとぉぉ、まだ生きて・・・」



ザクゥゥッ!!!!



「ぐあぁぁッ!!! ごめん! 痛いッ!!!

 マジ痛いッ!!!

 無理! オレも無理!!!

 待て! 降参!!

 もう1本食らったらマジたまらん!

 ストップッッ! ストップってッ!!」


「のぉ・・・ タマ?

 今さらじゃが、あやつ、しゃべるぞ?

 本当にゴブリンか?

 いきなり焼きにくるなど最低じゃが

 ここまでしゃべられると

 止めを刺すのは、どうも躊躇してしまうぞ・・・

 あとはタマに任せても良いか?」


「え・・・

 うちもちょっと・・・

 絶対やばいヤツやけど殺すんは・・・

 誰かに代わってほしい・・・。」


「「 ・・・いや、オレも。 」」



 ・・・・・・・・。



「おい、そこのペラペラよくしゃべるヤツ!

 休戦じゃ!

 次何かしたら殺すからそのつもりでおれッ!

 とにかくまず、その物騒なものを下ろすのじゃ!」


「お、おぅ・・・

 分かった・・・ 男に二言はない。

 痛ッ・・・てぇぇ・・・」


「さて・・・どうしたものかの?」



よくしゃべる人間っぽくゴブリンっぽい何かは

刺さった矢を抜きつつ

チセの指示通り火炎放射器を地面に置き

人間っぽい感じで、両手を上げ降参のポーズをとってこっちを見た。


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