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05 ムズムズが、プルプルで・・・。


「タ、タマ・・・」


「なぁにー?」


「また・・・ 故障じゃ・・・」



プルプル・・・ プル・・・




何個かの梨を食べたチセは身体を震わせながら

何度目かのそのセリフをまた口にした。




「どしたん?

 プルプルして・・・寒いん?

 ちゃんとパンツはいてるぅ?」


「バ、バカ・・・

 そういう事ではない!

 あ、いや、あながち遠くないかもしれぬが・・・」


「どゆこと???」


「じゃから・・・お、おかしいのじゃ!

 ずっとこう・・・なんというのじゃ?

 ムズムズしておかしかったのじゃが・・・

 ムズムズが、プルプルで・・・

 もう・・・ッ!」



プルプルはエスカレートしていき

チセはその場で駆け足したり

内股をモゾモゾさせたりしながら

眉を八の字に寄せ、口をぎゅっとへの字に絞め

その可愛らしい顔を、苦悶に歪めていた・・・。



なッ?! なにこの可愛い小動物様っ?!


プルプル めっちゃ助かるぅぅ・・・・


・・・ってちゃうちゃう!



「あ、もしかして・・・ おしっこ?」 


「おしっ・・・ こ???」


「そういえばお水とか沢山飲んだし

 水分の多いリンゴや梨ばっかりで

 よく、ずっとおトイレ我慢できてたなぁ?

 ・・・てか、おしっこまでするんや。」


「・・・ハッ!! 排泄か!」


「ハイセツって・・・ ま、まぁそうやけど・・・。」


「そ、そうか・・・

 こ、こ、これすらも、故障ではない、のか・・・

 いちいちムカつく無駄機能が多いのぉぉ?!

 人間というのは!!!

 ああああ・・・ダメじゃ!!

 イライラして、ムカつくのじゃぁぁ

 やッ・・・ あッ・・くッ・・・ ダメじゃ・・・

 も、もうッ・・・ 我慢でき・・・ッ!!!」


「ちょっ!!!

 待って!! 待って!!

 そこでしちゃダメぇぇッ!!!」


「ん”な”にぃぃぃッ・・・?!?!

 バ、馬鹿・・・

 出そうとした瞬間に・・・

 くッッ・・・くぅんぬ”ぅうぅぅぅぅ・・・

 どッ、どうすれば良いのじゃッッ!

 ししッ、死ぬッッ!!!

 このままでは・・・ 妾は死んで・・・」



ジリジリ・・・ プルプルプルプルプルプルプルプルプルッ!



「わ、分かったッ!

 してええからッ!

 せめて、パンツだけは下ろそッ! なっ?」


「ぱぱぱぱ・・・ぱんんんちゅぅぅッ!!」



ズリリ・・・・ 





※ しばらくお待ちください・・・。 m(_ _)m





「はぁぁぁぁ・・・・

 生き返ったのじゃぁぁ・・・

 なんという解放感じゃ・・・

 素晴らしい・・・。」


「あ、う、うん・・・

 すんごく、ええ顔してるね・・・。

 見てるこっちが恥ずかしい、です。」


「・・・ハッ?!

 ぱぱぱ・・・パンツ!!!」



ぐいっ・・・ (////)ぽっ



「み、見ておらぬじゃろうな・・・。」


「み・・・見てへんってば・・・」



嘘である。



「いちいち癪に障るシステムじゃが

 何かを我慢すると、その後の美味しい褒美が・・・

 ガチじゃな・・・

 うむ・・・ガッチガチじゃった。」


「ガチ・・・気に入ったん?」


「うむ、ガチでスコじゃ。」


「・・・;」


「はぁぁ・・・

 人間になって一番の心地良さじゃった・・・

 この快感はガチスコじゃ・・・」


「き、聞いてるこっちがはずいし・・・(////)」


「なぜじゃ?

 確かにパンツを下げるのは恥ずかしいが

 誰も見ておらぬのなら

 素晴らしい解放感と、甘い夢心地以外に

 何があるというのじゃ?」


「・・・。

 うちも今度おトイレで試してみよ。」


「あぁ、そういえばおトイレというものがあったな。

 人間があんな狭い場所に閉じこもって

 何をコソコソとしておるのかと思っておったが

 こんな楽しい事をしておったのじゃな・・・合点がいった。

 この素晴らしい行為の唯一の弱点、お尻の露出をカバーできるとは・・・

 中々やりおる、生意気に。」


「う、うん・・・ 次からはおトイレで鍵かけて

 お尻、見られちゃわないようにしてするんよ?」


「タマ・・・やはり見ておったであろう?」


「そ、そんな事、ネーシ・・・。」


「じゃが、今のは仕方ネーシじゃろう?

 おトイレなどどこにもないのじゃ・・・。

 ちなみに、次、こうなったらどうすれば良いのじゃ?」


「ぅ・・・ チセ様はネーシとか言わん方がええかも・・・。

 ちょっと、威厳が保ててないってゆーか。」


「そうなのか?

 それはどうでも良いが、で?

 おトイレがない場合はどうするのじゃ?」


「しばらくおトイレがないって分かってたら

 先におしっこしっかりしておいて

 次のおトイレまでもつようにするんやで?

 おトイレのご利用は計画的にせなあかんねん。」


「いちいちいちいち面倒じゃのぉ・・・

 もう、人間など辞めたくなってきたのじゃが。」


「でも、気持ち良かったんやろ? ガチで。」


「た、確かに・・・ ガチじゃった。

 ぐぬぅ・・・

 この世界を作った神は巧みに飴と鞭を使い分けよるのぉ・・・。

 いつか、愚痴をぶつけたおさねばおさまらぬぞ?」


「どうかーん・・・

 そん時はうちもめっちゃ愚痴ったろ。」


「で・・・ また故障しかねぬから

 妾もタマの前でパンツを下ろすのは避けたいのじゃが

 甘やかしポイントでおトイレはもらえるのか?」


「この前寝たお家の中にもおトイレあるから

 おしっこや・・・

 えっと、おっきぃ方の時は言ってくれれば・・・。」


「ふむ・・・

 ん? 大きい方・・?」


「そ、そこは流して欲しかったぁ><。

 説明・・・ いるぅ?」


「当然じゃ・・・ また死にかけたりするのは御免じゃぞ?」


「えっと・・・ カクカクシカジカ・・・ おk?」


「なるほど・・・

 別パターンがあるのか、楽しみじゃな?

 さっき出てきた穴とは別のあ・・・」


「わーわーわーわぁぁ?!

 人前で、そんな事ゆったら、めッ!!」


「なぜそこで、タマが故障するのじゃ?

 タマとてするのであろう?

 おしっこも、うん・・・」


「うわぁぁぁ! そんな単語言わなくていいからぁ ><

 うち、そうゆうの、恥ず壊れるから、もう堪忍して。」


「謎じゃ・・・。

 あぁー ところで

 妾の記念すべき、初めてのおしっこは

 このまま放っておけば良いのかぁ?」


「え、ええんちゃうかな・・・

 うちお外でした事ないから知らんし。」


「まぁ、次は早めにお家を出してもらうとしよう。

 我慢しすぎると死にかねんからのぉ。」


「そうしよそうしよ。

 あ、お家ってゆうたら・・・

 忘れてた、ってか、気付かへんかったんやけど・・・」


「ん? まだ何かあるのか?」


「えっと・・・身体、汚れて気持ち悪かったりする?

 ちょっと汗臭かったりとかあるんかな? やっぱし。」


「どうじゃろうな?

 人間独特の匂いは最初からするのじゃが。

 あえて、不快な臭いがあるとすれば

 タマの着ている服が一番臭いぞ?」


「いぃいいやあぁぁぁッ! ><。

 早よぉゆってーなぁ!!!

 こっちの世界でお洗濯とか、その発想すらなかったしぃ!

 そもそも、匂いが本当にあるとか知らんしぃぃぃ><

 てか、うちはお風呂の話しようとしてたのにぃ・・・。」


「中々見事な壊れっぷりじゃな・・・?

 まとめるとタマのその故障の原因は

 お洗濯とお風呂で、タマは臭いのが恥ずかしくて壊れたという事か?」


「あ、はい・・・お上手におまとめできてございます。

 てことで・・・うち、お洗濯とお風呂するからッ!!」


「ほぉ・・・興味深いな?」



そんな訳でタマは早速チートで家を出し

今まで使った事もない洗濯機とお風呂

ついでにおトイレの点検をする事にした。



ジャーーーー・・・



「大丈夫っぽいかな?

 チセ様、今度からはここで、おしっこしてね?

 このボタンで流せるから。

 その、おっきぃのも・・・流してね。」


「おぉぉ・・・ ここでも水が飲み放題か?!」


「メッ!!

 ここの水はばっちぃから飲んじゃダメ、絶対。」


「う、うむ・・・分かった。

 パンツを下ろして、座って、シャーじゃな?

 で、こっちの紙で拭いて・・・

 最後にこれを押して・・・流す。

 ・・・であっておるか?」


「うんうん、賢い賢い!」


「こっちのボタンはなんじゃ?

 ポチ・・・

 ん? 何か伸びてきたぞ・・・?」


「あっ・・・」


ピシャーー・・・・


「おぉ・・・ 噴水か!

 飲めば良いのかぁ?」


「だから、ダメってば!

 それは・・・ ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・ おk?」


「なるほど・・・ これで穴を・・・」


「わあぁぁ!!

 だからそこは故障しとこうよぉぉ ><。」



おトイレの点検と使い方の指導をなんとか終えたタマは

次に洗濯機の点検を始めた。



「んー・・・ 洗濯物いれて、スタートでええんかなぁ?」


「異臭を放つ服を洗う機械じゃな?」


「ぅ・・・ぅん;

 ちょっとやってみよっかな。」



服を脱ぎ始めたタマだったが

洗濯に興味津々な様子で、こっちを見つめるチセの視線を前に

下着姿になったところで、手がピタッと止まった・・・。


タマ的にはアバターの裸を見られて恥ずかしいという事などない。

そのはずなのに、なんだか妙にそれすら恥ずかしかったのだ・・・。



「さ、先にお風呂にしよっかなー・・・。

 チセ様もお風呂入った事なんてないよね?」


「もちろんじゃ。

 水で身体を洗う所なのであろ?」


「そそ・・・シャワーで洗ったり。

 あったかいお湯をはった湯船につかってのんびりしたり。

 色んな入り方がある・・・かな?」


「ほぉぉぉ 興味深いな!」


「入ってみるぅ?」


「もちろんじゃ!」


「当然なんやけど・・・その・・・

 は、裸にならなあかんで・・・?」


「何? 服を着たままでも良くないか?

 裸になるなど・・・

 きっとまた、故障してしまうぞ?」


「おトイレと一緒で一人で入るなら

 恥ずかしくないやろ?

 服着てたら、身体洗えへんし。」


「それもそうじゃな?」


「んー・・・

 でも、色々説明せな・・・分からへんよねぇ?」


「じゃな?」


「今日だけ、一緒に入ろっか・・・

 あ、ち、違うでッ!?

 下着は、特別につけたまま・・・

 説明会みたいなんを・・・

 下着つけてたら、そんなに恥ずかしないやろ?」


「まぁ、そうじゃが・・・

 下着よりも、タマのその態度が

 どうにも妾を 恥ずかしい にさせるというか・・・

 妙な危険を感じる気がするのは、気のせいか?」


「きッ・・・気のせいだってば!

 大丈夫! うちも下着付けて入るし!

 それにうちは例外ちゃんやから

 目と耳は動いてるけど

 味も匂いも触った感触とかも感じへんから・・・

 そこまで壊れへん・・・と思う。」


「あぁ、そうじゃったな・・・。

 まぁ、良い。

 とりあえず入ろうではないか。

 正直なところ水に浸かるのは初めてじゃからな

 楽しみで仕方ないのじゃ!

 全身を温かい水に浮かべるなど・・・

 やってみねば想像もできぬ・・・

 どんな感じか早速試そうではないか。」


「じゃぁ・・・お湯はるね!

 最初やし、ちょっちぬるめにしとこかな?」


「任せる! ふふふっ・・・楽しみじゃのっ!」



カポーン・・・


そんな経緯で二人は仲良く

初お風呂を体験をする事にし

脱衣場で下着姿になったあと浴室へ入った。



「な、なんか恥ずかしいね・・・。」


「そういう事を言うでない・・・

 余計変な感じになるではないか。」


「せ、せやな;

 じゃぁ、うちの知ってるお風呂マナーを教えとこかな?

 全然好きに入ればええんやけど

 基本を知っておくんもええやろ?」


「うむ! とりあえず何でも知りたいぞ?

 湯船ではやはり息を止めねば溺れ死ぬのかぁ?」


「あ、全身っていっても顔はつけへんからな?

 ちゃんと呼吸しながら入るんよ?

 誰もいなくて、広ければ、泳ぎたくなる時もあるけど

 これ、泳げるほど大きないし。」


「なるほど・・・“泳ぐ”もいつかしてみたいのぉ。」


「うんうん、いつか一緒に泳ごっ。 海とかもええなぁ。」


「そうか、あの水たまり・・・

 端っこでよく人間が遊んでおったが、そういう事か。」


「水たまりってw さすが元神ちゃんやな。

 じゃぁ・・・まずシャワーで身体洗おっか。

 綺麗になってから湯船に入った方が

 お湯が綺麗なまま入れるから、気持ちええと思う。」


「うむっ!」


「あ・・・こんな事なら石鹸とか買っとくんやったなぁ。

 まさか、必要になるとは思ってもみいへんかった。」


「知っておるぞ?

 アワアワするやつじゃろう?」


「そぅそぅ、それそれ。

 見つけたら、必ずGETしようね。」


「うむっ アワアワも楽しみじゃ!」


「シャワーはこれをひねって水を出すんだけど

 こっちのレバーで温度の調整ができてー

 水だと冷たいと思うから

 35~40度くらいがいいかな、多分?

 まぁ、好きな温度にして・・・ こう。」


シャワワワー・・・


「おおー・・・ふふっ♪

 少々くすぐったいが、これはなんとも楽しいのぉ?!

 んふふふふっw」


「ふふっ・・・楽しそw

 うちも、一緒にその感覚分かればええのになぁ。」


「そうか・・・タマはこれも、感じられぬのじゃな。」


「うん・・・そんなん、当たり前やったのに

 今は、ちょっち寂しいな・・・。

 チセ様の身体を触っても温度も、感触もないなんて・・・。」



ピト・・・ ツゥー・・・



「ひゃッ?!

 きゅ、急に触るでない!

 あ、いや、別に触っても良いが・・・ 触るでないッ!

 ギュッとするのは良いが

 そ、そんなのはダメじゃ!

 こ、壊れてしまうではないかッ!」


「ハッ ・・・ごめッ!

 何か感じないかなーって・・・つい。」


「い、言い訳してもダメじゃ!

 なぜか頭がグルグルする仕様なのじゃ!

 そこにはちょっと、気を、つかえ・・・」


「うん・・・ごめん・・・。」


「まったく・・・。」


「・・・ごめ。」



「「 ・・・・・・。」」



「むうぅぅ・・・解せぬぞ!

 妾がこんなになっておるのに

 タマは何も感じておらぬだとぉ?

 ・・・馬鹿にしておるのか!」


「そんな訳ッ! ・・・ないもん。」


「・・・。」


「でも、うちが、この世界の例外ちゃんなんかで、ごめん・・・。

 せやけど・・・うちにしか出来へん事でチセ様を大事にするから。

 堪忍な・・・

 うちは温度分かれへんけど

 シャワー、熱かったり冷たかったりしてへん?」


「嫌じゃ・・・

 妾がタマのぬくもりに安らいで、癒されておった時に

 タマは何も・・・ 感じてなかったのか・・・?

 そんな事、許せぬ・・・

 そんな、惨めで、寂しい・・・

 そんなの、妾に対して、あまりにも無礼ではないか・・・。」


「うん・・・ うちも今、心からそう感じてる。

 一緒に、肌の温もりや、その感触も感じて

 同じように癒されて、満たされたら

 どんなに幸せなんやろ・・・って

 うちだって、めっちゃ、そう思ってるんよ・・・」


「・・・・・・バカッ。

 3つ目じゃ!

 ラーメンもカフェオレも・・・

 タマの故障をなおす事も・・・全部する!

 決定事項じゃ!

 それしかする事がないのじゃ

 ちょっと頑張れば、それくらい余裕のはずじゃ!

 100倍なのであろう?

 なおさら余裕に決まっておる!」


「うん・・・ せやな。

 チセ様となら、なおせそうな気ぃ・・・ ちょっとしてきた。」


「ちょっとではない! 絶対じゃ。

 それくらいの事、空を飛ぶより簡単なはずじゃ。

 空も飛べるタマが弱気でどうするのじゃ?」


「うん・・・ せやなっ

 あ、空も飛ばないと、やろ?

 それに石鹸も買おっ!

 海にも行こっ!

 やる事、いっぱいやねっ」


「うむ! どれもこれも、きっと余裕じゃ!」


「うんっ。」


「そうじゃ、まずは、湯船に浸かるぞ!

 妾がその感想を伝えるから

 タマも頑張って感じてみよ!

 あっさりなおるかもしれぬぞ?」


「うんっ!」




二人は、初めて湯船に、寄添って浸かった。

やっぱりタマは温度も感触も感じなかったが

そこにあるはずの自分の肌の温もりが

少しでもチセをあったかい気持ちしてくれる事を願いながら・・・。



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