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私のわがままな自己主張(プロット)  作者: とみQ
終章 私はわがままなのである
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時間は7時20分くらいになった。


今は2人、花火を見るために場所を早々と確保して、並んで海岸の方を向いている。


今日は一時間ちょっとという短い時間だったけど、2人でチョコバナナを分け合って食べたり、その他の露店を手を繋いで見て回ったり、本当に楽しい時間を過ごすことができた。


君島くんもいつもと変わらない優しさで。


ううん。何だか、君島くんは終始穏やかな表情で私の話を聞いてくれて、手を取ってくれて、いつも以上に優しくて、温かくて。


私はずっと胸がドキドキしっぱなしで、苦しいくらいで、それがとっても幸せだった。


めぐみちゃんに、花火大会の日に私から大切なものを奪われたような気持ちになってしまって、工藤くんにも、思わぬ告白をされて、私は恋だったり、友人だったり、そんなことを考えることが嫌になってしまって、自分の殻に閉じ籠ってしまっていたけれど。


結局めぐみちゃんが私をその殻から引きずり出してくれて、こんな場所まで用意してくれて。

私は結局、いつも自分が落ち込んだり、ダメになってしまいそうな時に、回りにいる誰かに助けられてばかりだ。


でも、今日だけは、君島くんに想いを伝えることだけは、私自信の精一杯の勇気を振り絞って伝えるんだ。


君島くんはもしかしたら、これが終わったらやっぱりめぐみちゃんのところに行ってしまうのかもしれない。


だから、これが最初で最後なのかもしれない。


だけど、もしそうなっても、私はもう大丈夫。


こんなにも大切な想いをたくさんもらえて、君島くんにも、めぐみちゃんにも感謝している。


2人がそれで幸せになってくれるんなら、私はそれでいい。


きっと笑顔で祝福してあげられる。


花火大会の始まりを告げる、最初の花火が空に上がった。


ドーンという音がなって、私は意を決して思いっきり声の限りに叫んだ。


「君島くん・・・!」





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