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私のわがままな自己主張(プロット)  作者: とみQ
第4章 わがままな想いは人をバラバラにするのである
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外に出ると道が濡れていた。

椎名の家にいる間に通り雨が降ったのだろう。

どうせなら今降ってくれれば良かったものを。

どしゃ降りの雨にずぶ濡れになって、こんな気持ちごと洗い流してくれればと思うが、今の私にはそんなわがまますら許されないのだろう。


私は何をやっているのか。


私は本当にどうしたいのか。


ただただ自分の気持ちを押し殺して、自分のわがままに全てブレーキをかけて、結果がこれだ。


もう、戻れない。


また、失くしてしまった。


4人で過ごした時間が、遠い昔のようだ。


これはあの日から私に課せられた呪いのようなものなのだろう。


望んではいけない。


そうだ。望んではいけなかったのだ。


ああ。だが、もう遅い。


全ての歯車が、悪い形で噛み合って、私をまた、孤独へと追いやったのだ。






家に着いて。


リビングに入ると、母親が声をかけてきた。


「お帰りなさい、隼人さん。随分と遅かったのね。またお友達かしら?」


「・・・ああ。そうだ。」


最早この答えが嘘なのか、本当なのか、そんなことはどうでもいいのだが。そのままいつも通りに奥の部屋に行こうとする。


「あ、隼人さん。」


「・・・なんだ。」


なぜこういう時に限って私を引き留めようとする。早く私を1人にしてくれ、開放してくれ。


「8月1日なのだけれど、夕方時間を空けといてくれるかしら?」


「・・・わかった。」


それだけ言って、扉を閉めて、ようやく1人になれた。


もう、眠ってしまおう。


何もかも、全て忘れて。


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