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私のわがままな自己主張(プロット)  作者: とみQ
第4章 告白などしてはいけないのである
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7月21日


一夜明けて、いよいよ今日が花火大会の日だ。

待ち合わせは花火大会のある明岩駅の前に6時に集合ということであったが 、私は5時40分に高野と魚ヶ崎駅で待ち合わせていた。


私は昨日高野に貰った時計を確認して、5時30分には駅に着いていたが、高野はぎりぎりになって現れた。


「お待たせ・・・。」


声をかけられ、振り返るとそこには浴衣姿の高野と、隣には椎名もいた。


「お、おう。椎名もいたのだな。」


「なあに?私がいたらまずかったのかな?」


いたずらっぽい笑みを浮かべる椎名。椎名のこういう表情には未だにドキドキさせられてしまう。どうやら2人して高野の家で浴衣に着替えてから来たらしい。


高野は今日も眼鏡をコンタクトにしており、群青色の浴衣に赤の花柄が散りばめられた浴衣、椎名はピンク色の浴衣に白の花柄が散りばめられた浴衣に、髪は2人ともアップにして纏めていた。頭に簪も刺しており、色違いで姉妹のように並んでいる。

とはいえ椎名は活発で健康的な振る舞いはそのままに、高野はおしとやかな緩やかな振る舞いで、対照的な魅力を放っている。

カランコロンと下駄の音が心地よく響いて、2人とも、本当に可愛らしかった。


私は黙ってしばらく2人のことを見てしまっていた。


「な・・・なんとか言いなさいよ!君島くん!」


バツが悪そうに頭を掻きながら椎名が言ってくる。この時くらいは素直になってもいいだろう。


「2人とも。・・・本当に綺麗だな・・・。」


「「・・・!」」


この時はさすがに椎名も高野もしばらく俯いてしまった。そんな姿も本当に可愛らしい。


「では、行くとしようか。」


そうして3人は、まだ明るい夏空の下、いつもより人の多い駅の中へと入っていった。

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