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私のわがままな自己主張(プロット)  作者: とみQ
第3章 揺れる想いなどあってはならないのである
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期末テストは月曜日から木曜日の計4日間かけて行われる。


科目も数学Ⅱ、数学B、化学、現代文、古文、英語、地理、家庭科、美術、保健体育と11科目になり、教科も細分化される。

勉強会は結局日曜日の夕方までやったのだが、果たしてどこまで効果を発揮できるのか。

やはりここまで教科が増えると普段からの積み重ねが物をいうのだろう。


7月5日


ようやくテストも終わり、今日から図書委員の活動も再開だ。

テスト期間中は時間を短くして、先生方が持ち回りで開放してくれる。とはいっても普段のような本の貸し借りはなしで、勉強するためのスペースとして開けてくれるだけとなっている。


今日から図書室の開放は普段通りとなるといっても、もう夏休みまでは短縮授業となるので1時から4時までと時間を変更する。


図書室はテストが終わり、本の貸し借りを目的とする生徒でそれなりの賑わいを見せていた。


いつもはカウンターの作業など見向きもしない城之内も、今日ばかりは手伝ってくれていた。


だが、それでも図書室を開けて一時間程すれば、いつものような落ち着きを取り戻した。


「ふう。今日はさすがに多かったですね。この僕まで駆り出される羽目になるとは。」


そう言って眼鏡を右手でくいっとやった。今日もやはりいつも通りなのだな。それでも何も言わずとも手伝ってくれた城之内には感謝だな。


「そうだな。しかし、城之内はこんな時まで手伝ってくれないのではないかと少し冷や冷やしたのも事実だがな。」


「ふっ。僕を何だと思っているのですか。そのくらいの空気は読みますよ。」


そして眼鏡をくいっと。いや、それならばいつもそうしてもらいたいものだ。こんな調子だと夏休みに当番が1人になった時に危ぶまれるとは思ったが、まあ全く業務をこなさないというわけではないということもわかったのでそういう意味では良かったのかもしれない。


「さて。先輩。今日は僕も働きましたし、先輩にも僕の質問に答えるという仕事を全うしていただきましょうかね。」


城之内は何故か得意気な顔で、等価交換にもなっていない交換条件で私に質問を迫ってくる。もちろん眼鏡をくいっとやっている。


「はあ。お前の小説を書くための情報源が私ばかりというのも、凝り固まった内容になるのではないかと懸念してしまうが、まあ答えられる範囲でなら答えてやってもいいだろう。」


「ふっ。先輩。相変わらず素直じゃないですね。」


「で、今回は何なのだ?」


私の回りにはまともに相手をすると疲れるやつが多いのではないかと感じつつ、話を進める。


「そうですね。先輩。人を好きになるってどういうことなんでしょうか?」


「ん?その質問は前にもされなかったか?」


「いいんですよ。以前と考え方が変わっているかもしれないじゃないですか。それに以前は月並みな回答だったので、ノーカンとさせていただきます。」


そう言ってニヤリと笑い眼鏡をくいっと上げるのだった。


人を好きになる。か。その気持ちが一体どういうものなのか。もはや私にははっきりとしたことはわからない。誰かに教わったこともないし、誰かにそれが人を好きになるという気持ちだと指摘されたこともない。私の心の中を覗いて確かめる方法などないのだから、そんなことは不可能だ。


人を好きになるということが、以前答えたようにいつの間にかその人のことを目で追ってしまったり、ちょっとのことでドキドキしたり、ずっとそのことばかり考えてしまうようなことだというのなら、ここ最近の私はそれに当てはまる人物が2人いることになってしまう。


ただ、2人に対する思いが全く同じかと言われるとそうではない。


椎名に対して、目で追ったり、ドキドキしたりすることはあっても、椎名のことばかり考えてしまうようなことは常ではない。

ドキドキに関してもどちらかと言えば緊張してしまう方が強いのかもしれない。


高野に対しては、目で追ったり、一緒にいてドキドキすることはあまりない。だが、この前プールで工藤の高野に対する気持ちを聞いた時、しばらく心の中がもやもやしてしまって、ずっと高野のことを考えてしまっていた。


私の心は、私にしかわからないはずなのに、なんとも滑稽な心の有り様だ。私自身にもわからないこの心の有り様を、誰が理解できるというのだろうか。


「さあ。それでは先輩。お話を伺いましょう!」


城之内のニヤリとした顔にパンチをお見舞いしたら、さぞや気持ちいいだろうなどと一瞬思ってしまったが、


「だから前にも言ったであろう。お前に答える義理はない。」


私の心は日々揺れ動いていた。


ここまでこのお話にお付き合いくださりありがとうございます!これにて二章が終わり、この後から三章へと入っていくわけなのですが。君島くん、椎名、高野、工藤、皆が最後を納得して迎えられるよう、ラストに向けて執筆中です。今、次の三章は書き終えて、四章を書いているのですが、登場人物の気持ちを想うと、ツラいしもやもやするし、頑張れよって思うし、でも、これを書いているのは結局作者である自分で・・・。小説を書いていると、普段の生活でも色々なことを考えさせられます。あと人の気持ちとかね。今このセリフを言ったあの日とはこういう心情で、こう答えると、こう返してきて・・・そこから妄想入るwとか。

とにかくこの7月から書き始めた小説によって、新たな自分を発見させられて、いい刺激になってます!

ではでは、ここからいよいよ第三章、四章、終章?と続いていきますので、最後までお付き合いください!

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