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私のわがままな自己主張(プロット)  作者: とみQ
第3章 揺れる想いなどあってはならないのである
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君島くんとめぐみちゃんが2人で勉強会をしている頃、私は工藤くんと2人きりで勉強していた。


そう言えば、工藤くんと2人だけの空間にいることなんて初めてのことだな。


「高野は勉強けっこーできんだっけか?」


工藤くんが顔を上げて話し始める。


「え?んー、どうだろう。そりゃ、君島くんに比べれば全然だけど、普通かな。学年で100番くらいだよ。」


「いや、そりゃいー方だぜ!俺なんか下から数えた方が早いからな!ははっ!」


「でも工藤くんはバスケットボールの練習、すごく頑張ってるんだよね?私は何かを頑張ってるとかないから。何やったって、普通か、平均以下だもん。」


「何言ってんだ!普通っていーじゃねーか!逆を言えば、何でもそれなりには出来るってことだろ!?俺なんかバスケ以外取り柄ねーからな!」


「え・・・う、うん。ありがとう。」


工藤くんは、話し方や行動こそ荒っぽいものの、根はすごくいい人なんだよね。最初は声も大きくて、びくびくしてしまったけれど、最近ようやく彼の雰囲気にも慣れてきた。


「それに!・・・高野はすごくいい娘だと思うしな。おしとやかだし!控え目で、守ってあげたくなるってーか!」


「え・・・?。」


「あ、いや!何でもない!忘れてくれ!今のなし!な、なんか勉強するってーのに話し込んじまってわりー!勉強しようぜっ!」


工藤くんは顔を真っ赤にしてノートに目を向けるのだった。


私はそれ以上は話しかけられなかった。


風鈴の音が、またカラカラと聴こえてきた。






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