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6月7日
今日はいよいよ球技大会の日だ。まあ私としては以前も述べた通り、待ちに待ったというよりは、遂に来てしまったというほうがしっくり来てしまうのだが。
椎名はというと、昨日にはようやく復活して、すっかりいつも通りだった。
さて、球技大会なのだが、男子は野球、バスケットボール、バレーボール。女子はバスケットボール、バレーボール、卓球で一クラス3チームずつ作り、全学年の全クラスでトーナメント戦を行う形式だ。なので勝てば何度も試合するが、負ければ出番はすぐに終わる。私はバレーボールを選んだので1試合目は10時頃の予定なのだが、室内競技が多いので、バレーボールの1試合目は全て外のグラウンドで行われる。体育館はバスケットボールと卓球に占領される形だ。
試合の時間になり、私がグラウンドのコートに向かうと、隣の女子のコートに椎名と高野がいた。
あの2人もバレーボールを選んだようで、ちょうど同じタイミングで試合をすることになりそうだ。
私はスポーツは得意ではないが、どちらかというとやらないから得意ではないという感じだ。さすがにこの年になるとバレーボールも全くの初めてというわけではない。
私は試合を無難にこなしていた。だが、得意不得意に関係なく、暑さと普段から運動をしていないという事実は変えられない。15点の2セット先取のルールとはいえ、さすがに試合がもつれて3セット目ともなると、少しフラフラしてきた。
「いたっ・・・!」
その時隣のコートから椎名の声が聞こえた。
「あっ、いつつつつっ・・・。」
どうやら跳んだ際に着地の時に足を捻ったらしい。
「めぐみちゃん!大丈夫!?」
高野と他のチームメイト数人が駆け寄ってきた。
「全く、最近ついてないなー。」
先生が保健室に行くように指示し、高野ともう一人の生徒に肩を借りながら保健室の方に歩いていく。
大丈夫だろうか・・・、と思っていたら・・・
「君島っ!」
その声に振り向くかどうかというタイミングで顔にバシンッ!と何かが直撃して、私はこの暑さとも相まってそのまま仰向けに倒れたのだった。




