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私のわがままな自己主張(プロット)  作者: とみQ
第2章 私はこんな関係にはなりたくないのである
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5月29日


高野にみんなで出かける話をした次の日。工藤は登校してくるや否や私のところに来た。


「君島!君島!で!?どうなった!?」


「なんだ。やけに嗅ぎ付けるのが早いのだな。」


私はため息混じりに答えた。


「いや。昨日もお前が高野と一緒に帰るのが見えたからよ!さすがの工藤様もピンと来たわけよ!で!?で!?」


「工藤。近いのだが。もっと離れてくれ。」


「うるさい!いい返事を聞くまでは離れねーぞ!」


目と鼻の先にいた工藤が更に顔があと5センチでひっつくかという距離に詰めてきた。正直気持ち悪い。


「いや。それだと断られていた場合ずっとこのままということになるのだが・・・。」


「そうだ!だから早く俺をこの気持ち悪い空間から開放しろ!」


「誰得なのだ?工藤。とにかく離れてくれ。行くことになった。」


「・・・マジか?マジなのか!?」


工藤はワナワナとしながら2、3歩後退る。


「ああ。マジだ。行くことになったよ。」


「うっしゃあー!!君島!恩に切るぜ!」


工藤が絶叫しながら喜びを体いっぱいに表現している。そうなのだ。あの後結局家につく頃に高野からメールがあって、椎名を誘ったら即オッケーということらしかった。私の中で高野も椎名も男子と気軽に出掛けたりするようなタイプだとは思っていなかったので、まさかこんな簡単に遊びに行くことが決まってしまうとは。正直戸惑っていた。


「おはよー!お二人さん。何盛り上がってんの?」


「あの。おはよう。」


後ろから高野を連れた椎名がやってきた。


「ああ。おはよう。高野。椎名。」


「おはよう!椎名!高野!」


「工藤くん朝からテンション高すぎ!そんなんじゃ今日1日持たないよー。」


どうやら椎名と工藤は普通に会話する仲らしい。


「大丈夫だよっ!この後寝るからなっ!」


「お前は中間テストの後も何も変わっていないな。期末はノートは貸さないと言ったからな。覚えておけ。」


一応工藤を突っ込んでおいた。


「まあまあ、そんな話は置いといてさっ!二人とも君島から一緒に出かけるって話は聞いて、オーケーしてくれたんだよなっ!?」


私を無視して話始める。全くコイツは・・・。


「うん。美奈から聞いたよ!なんだかいきなりだねー。どういう風の吹き回しなのかな?」


椎名が私の方を見ていたずらっぽく笑った。


「いや。それが工藤が・・・」


私が工藤が言い出しっぺだと答えようとしたら工藤が間に割り込んできた。


「いやあ!それが君島がお前らと仲良くなりたいなんて言い出すから、じゃあ誘ってみればいいじゃんって言ったんだけどさ。普段から口べたな奴だからさすがに1人では無理だーとか言うんで、親友の俺が一緒に行ってやるから誘うだけ誘ってみろって言ったのが始まりでさ!」


などと訳のわからないことを口走り、目でウインクしてくる。なぜ私がそんな役回りをしなければならないのだ!


「ふーん。そうなんだ!だって!美奈。」


なんだか椎名はいつにもまして楽しそうだ。


「え?うん。・・・そんな・・・別に言ってくれればよかったのに。」


高野も目を泳がせながらも私をかばってくれた。

なんだかこうなってしまぅてはもう変に否定するのも面倒だ。ここは黙ってやり過ごそう。


「でよー!肝心のやることと行く日はいつにする?」


この話は工藤も長引かせたくないのだろう。さっさと話を変えてきた。


「そうだねー。私は基本的に部活あるから、土日の夕方か早くても4時くらいになっちゃうなー。」


「私はいつでも大丈夫だよ?」


椎名と高野が順に答える。


「俺も部活あるから土日がいいぜっ!君島は?」


「私も次の土日なら問題ない。」


「よしっ、じゃあ土曜日の4時半くらいに集まるか。」


サクサクと予定が決まっていく。


結局最終的に4時半に小久保駅に集合して駅前のショッピングモールで軽く食事してから椎名が観たいという映画を観に行くことに決まった。


なんだか皆思っていた以上に乗り気なようで、予定を決める時も楽しそうだった。


まさかこんな結果になるなんて思いもしなかったが、私も別段嫌な気分ではないのだった。


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