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私のわがままな自己主張(プロット)  作者: とみQ
第2章 私はこんな関係にはなりたくないのである
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時間の流れというものは実に早い。特にこんなテスト期間中というのはあっという間だ。毎日テスト勉強に明け暮れていれば終わっていくのだから。

まあ私の場合普段と時間の使い方が大きくかけ離れているという訳では無いが、それでもテストという目標が近くにあるだけで集中力が増し、より日々を効率的に過ごしている気になるものだ。


中間テストは国語、数学、理科、社会、英語の5教科を2日かけて行うのだが、1日目に3科目、2日目は残りの2科目をやったあと、一時間ホームルームが行われて終わる。

今はそのホームルーム中だ。


今の時間は再来週に行われる球技大会にそれぞれが出る種目を決めている。

男子は綾小路が、女子は椎名が3つの種目から出る人をクラス男女に分かれて決めている最中だ。


男子は野球、バスケットボール、バレーボールの中から最低一つ選んで出場することになっている。ちなみに女子はバスケットボール、バレーボール、卓球だ。


私は運動自体は不得意という訳では無いが、如何せん普段から体を動かすという事をしていない。

そんな輩が運動部の面々と張り合える訳も無いので、競技はどれでもよく、人気のないバレーボールに真っ先に立候補して早々に輪の中から離れていた。


そうして時間を持て余していた私は教室の隅で窓の外に目を向けながら、一人耽っていた。

今週から一つ先週までと変わった事があったのだ。

椎名が朝挨拶に私の所へ来る際、一緒に高野も連れてくるようになった。

先週末のお泊まり会とやらで一層仲良くなり、高野と私がそれなりに会話する所を見たからだろうか。


とにかく私としては椎名と二人で面と向かって話すのはどうも慣れず、高野がいてくれる事によって以前よりは普通に挨拶を交わせるようになった。

だからと言ってどうという事はないのだが、やはりうまく話せず変に気まずくなったりしてしまうよりは遥かにいい。

本当は構われずにいる方が楽なのかもしれないが、私も流石にそれについては諦めていた。

今となっては深く考え過ぎず、普通に接せられるようになった方が楽なのかもしれないとすら思い始めていた。


そんな事をうだうだ考えていると、チーム分けが決まったようで、皆席につき始めたので私も席に戻った。


その後は綾小路と椎名が先生にチーム分けを書いた紙を提出して、先生が軽く確認して、ホームルームは終了となった。


今日でテストは終わったが、この日も午前中で終了で、そのまま帰宅しようとしたところ、工藤が私を呼び止めてきた。


「あー。君島。ちょっといいか?」


珍しく普通に話しかけてきた。私は少し勘繰る。まあ別にどうでもいい事なのだが。


「ん?どうした?元気がないな。よっぽどテストができなかったのか?」


「いや!ちげーしっ!ちゃんと赤点は免れたっての!」


いや、そこは自慢する所では無いとは思うがとは思ったが口に出すのはやめておいた。別に話を長引かせたい訳では無い。他の用事があるならさっさと用件を聞いてしまおう。


「ではなんだ?どうしたのだ?」


「あー。ちょっとここじゃあ話しづらいな。場所変えてもいーか?」


なんだかいつもの工藤らしくなく、えらく歯切れが悪かった。

今一得心がいかないが、まあ真剣な話のようだし急いでいる訳でも無いので少し付き合ってやる事にした。


「わかった。手短にな」


「ああ」


工藤は身を翻し教室を出ていく。ここでは話し難い事なのか。

私は少し不思議に思いながらも黙って後を追い掛けたのだった。



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