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「いた。。。って、今・・・!」
「へっ」
色気もなく鼻で笑う・・・・・・・・・・・・・・・・・魔法使い?
その時、扉が開いて一人の少女が入ってきた。
「ねー、さっきからうるさいよー?僕内職やって・・・お客さん?」
ポニーテールを横に下げた美少女は言う。
「あぁ、ごめんね。シア。全部この男が悪いのよ。」
「はぁ?!今の立場じゃ俺が被害者だぞ?!」
「お黙り!」
「はぁ・・・。何があったの?」
「この人、人間界から来たらしいの。」
「へー。それは面白いジョーク。」
「目。シア、顔。」
口をへの字に曲げた現在顔面崩壊の少女は、瞬間的に輝きを失せた冷たい目で俺を見つめた。
「いや、本当なんです。謝りますから、その顔やめてください」
「?!カイラ聞いた?!顔やめてだって!ひどいよーー!この人でたらめ言う上に最低だよー!」
「いや、顔そのものじゃなくって」
「なーーーー!!!!もう!!!」
バン!
また新しい奴が来た
「シア!なんのために行ったんですか??悪化してるじゃないですか!だから私が行くって言ったのに!これではただの野次馬ですよ!」
おさげの三つ編みのおとなしげな顔の少女が来た
「カイラ、この人、どっから拾ってきたんですか?名前は!身元は!経緯は!」
「ひぃいいいい!ごめんなさい!ハンヒタバのコニウの壁の前で拾いました!名前と身元と経緯は知りません!」
「はぁ。もう・・・。君。名前は?」
「ななななな、成田叶斗です!」
「そ。私はリック・フーナ。この女装の女はトールン・シア。さっきからうるさいこの人はハンダッツ・カイラです。」
「え、女装、て誰が」
「僕。」
ポニーテールのシアが言う。
「誰かさんが僕の髪に呪いをかけたから、まったくもう」
「へぇ。それで。」
かなり可愛いから気づかなかったなぁ。でも何も女装しなくてもいいのに。髪伸びただけで・・・
「って俺の髪!!!鏡、鏡あるか?!」
「お風呂行ってみなさいな」
「おう!」
おれはあの時からどうなってんだ?
「!!!ぬあぁぁぁ・・・・」
頑張って伸ばしたのに・・・
男が後ろで不器用にくくる姿に憧れてたのに、
俺の髪は見事に切りそろえられていた。
いわば、どこにでもある普通の髪型に今までの名残の寝癖がついただけ。
「また伸ばさないと・・・はぁ」
「あー、あのね。叶斗。落ち込んでるとこ悪いんだけど、私の呪いはただの呪いじゃないわよ☆」
「・・・・・・・は?」
「カイラの呪いは恐ろしい・・・。呪いが解けるまで一生この髪型だ・・・。」
「・・・・・・・え?」
「切ってもすぐに伸び、その状態から伸びることはまずない。そのくせ呪いの解き方を知らないっていうたちの悪くて一番怖いやつですよ。」
「ごめんねー?本当にゴメーン☆」
「このなんちゃって魔法使いが!かえせ俺の髪の毛!」
「なんちゃってですって?!あんたもシアみたいな髪型になってもいいの?!」
「僕を例にしないで!」
「あ、それは・・・その・・・・」
「気まずそうに否定しないでよ!」
「うるさいですって!」
この戦いは日が暮れるまで続いた。