VRMMO考察ハード編
まずはVRMMO世界において使われるハードについての考察から。
VRMMO世界のハードについて考察する。
VRMMOを実現するにあたって最も技術的に困難だと思われるのは、ハードではなく医学的分野である。具体的には生身の5感よりゲームから与えられる5感を優先させるという技術を実現させるのが、最大の技術的難所だと思っている。
その技術が実現される頃のハードはどのようなものかという考察から入っていきたいと思う。
結論からいえば、どのようなハードが実用化されているかはわからない。が答えである。
ちょっと表に出ろとか言われそうだが、もう少し読み進めて欲しい。
未来のハードを語る際には現在のハードを知る必要があるので、現在のハードについて説明する。
現在のハードはトランジスタを小型化することによって性能向上を図ってきた。20年前のCPUも今のCPUも大きさに差はない。トランジスタが大幅に小型化されているので、同じ体積ならば今のCPUの方がはるかにトランジスタが多いというだけの話である。
そのトランジスタの小型化だが現在では限界が見えてきている。具体的には分子より小さいトランジスタは作れないという物理的制約に阻まれようとしているのだ。
よってMMORPGのハードを考える際には現行のハードの発展型。つまりトランジスタを使用したタイプを設定するのは妥当とは言えない。
(SAOは現行のハードの延長線上設定だが、一般に現行型の限界が知られる遙か前に原型が書かれた小説なので仕方がない)
これはMMORPGが実用化されるであろう数十年後にはトランジスタ方式のマシンが無くなっているだろうという話で、現行のマシンでVRMMOが動くかという問題はまた別である。
筆者は5年ぐらい前のCPUであるi5 2500Kを使っているが、今のi5と比較して処理性能は誤差レベルである……というか下位モデルと同等のスコアは叩き出す。
その更に5年前に買ったCPUは実クロック2Gくらいのアスロンだった、勿論シングルコアである。処理能力は2500Kとは比較にならない。おそらく桁1つは違うだろう。つまりここ5年ほどCPUの演算能力の向上は頭打ちになっていると言える。最上位モデルはまた別だが。
では5年間何をやっていたのかと言われれば3D性能の強化である。2500Kと今のCPUでは3D処理能力は全く違う。
これは一般的な用途においてCPUの性能が過剰になっていることを意味する(CPUの演算性能が不足しているなら、トランジスタを3D性能に回さずに演算性能の向上に回すはずだ)
逆に3D処理を行うGPUの性能はここ5年間で格段の進歩を見せている。5年前の最上位モデルは確かGF580で今は1080である。処理能力は比較するのが馬鹿らしくなるレベルの差がある。
そしてVRMMOというのはハード的に見た場合ただの画面が広い3Dゲームでしかない。
つまり3D性能が向上の一途を辿っている今のPCパーツを考えると、近い将来充分VRMMOは実現可能になると考えられる。
結論が正反対になってしまった。結局どっちなんだと言われそうだが、工場における9801のようなものだと思って欲しい。
日本の工場ではかつて9801というNECのパソコンが使われていた。今でも9801で処理をしている工場は少なくなく、9801が故障した時の替えとして、9801の中古が大人気!などと記事で特集されるほどである。
だが今工場を作るなら、9801で足りる程度の処理でも、新しいパソコンを使うに違いない。わざわざ骨董品の9801を持ち出す理由がないからだ。
それと同じ事。VRMMOそのものは充分現在の延長線上のマシンで実現できると思われるが、他の分野との兼ね合いを考えた場合、VRMMOが実現する頃にはトランジスタ方式のマシンは骨董品扱いであり、わざわざ選ぶ意味はなくなっているであろうと考える。
では未来ではどのようなハードが採用されているか……というのは今のところわからない。インテル辺りが必死に基礎研究をやっているとは思うが、基礎研究で試行錯誤している段階だと思う。
つまりVRMMO時代のハードの事なんて今の人間にはわからない。
よって好き勝手に設定してしまえばいいのではないかと思われる。
未来はわからんよね。が結論では芸がないが、他に書きようもないので仕方がないのかなと。