238.お決まりのステータス
「ステータス!」
サリアやシオンたちが町へ繰り出す準備を進めている最中、僕とティズは二人でステータスをみる。
「何がステータス増えているかな?」
「そう慌てないの……ほら、出てきたわよ!」
ブリューゲルとの戦い……マスタークラスのアンデッドハントも倒したとあって、レベルアップをしていることはほぼ間違いはなく、僕ははやる気持ちを抑えながら、羊皮紙に印字されたステータスを確認する。
名前 ウイル 年齢15 種族 人間 職業 戦士 LV 7
筋力 16 状態 正常
生命力 18
敏捷 14 使用可能魔法
信仰心 3
知力 15
運 22
保有神聖魔法 なし
保有スキル new 【メイズイーターLV4】【リビングウイル】【性質変化】
【形状変化】【ク・リトルリトル】【形与え】【心眼】【侵食】【精神操作・中】
【剣士の心得】【忍びの心得】
/繁殖力/逃走/消滅/パリイ/芸術/軽業/剛力/頑強/
状態異状耐性・強/疾走/蜘蛛の糸/子宝/火と氷/隠密/見切り/回避性能/
戦技・消滅の一撃
「お、よかったじゃない……レベルがまた一つ上がって……て、何よこの生命力。
一気に限界値までいっているじゃない」
そういわれ、僕はティズの指さす方を覗いてみると、確かにステータス欄の生命力が限界値まで一気に伸びている……。
この前まで信仰心の次に低かった部分なのに……これは意外な成長だ。
「本当だ……リビングウイルを手に入れたからかな? 確かにもう、僕には生命力の概念っていうのが必要ないみたいだし」
「とうとう化け物の仲間入りってわけね……末恐ろしいわ……スキルもなんだかんだ増えてるし……ってかこれ、ほとんどあの腐れ司祭のスキルじゃない……止めてよね、いきなり叫びだしたりしない? 大丈夫?」
「心配するところそこなんだ……まぁ、呪いじゃないし大丈夫なはずだよ……あんまりほしいとは思えないようなえぐいスキルばかり手に入っちゃったのはなんとも言えないけれども」
「まぁ別に使わなければいいだけじゃない……スキル多いに越したことはないんだし……ってあら? ウイル、メイズイーターがレベル4に上がっているわよ?」
「え?」
僕はそう言って、スキル欄を見てみると。
「本当だ……でも相変わらずどんな能力なのかは書いてないね」
「それはいつもの事でしょうに……またいつもの部屋で検証実験するしかないわ」
「面倒くさいけどそれしかなさそうだ……」
もはや幸運がまた一つ成長していることにティズは触れはせず、こんなものねといってステータスの羊皮紙を丸めてトーマスの大袋に入れる。
「さて……と」
ティズは一つため息をもらすと、そのまま飛び上がり、僕の肩の上に座る。
「あの蛇は今日はお留守番なんでしょう? あの蛇が来てから、なかなかここを独占できなかったからね、今日は一日独占させてもらうわよ!」
「はいはい……」
耳をすませば、シオンとカルラとサリアが楽しく話し合いながらやってくる声がうっすらと廊下から響いており、女性陣の出発の準備が整ったことを察する。
「後でカルラのステータスも取らなくちゃだけど……それはまた今度でいいわね」
「そうだね……みんなの準備もできたみたいだし」
別にステータスの確認は明日でも問題はない……。
僕はそう判断をして立ち上がり、扉の方に視線を向けると。
「やっほー! 準備できたよー! 行こう行こうー!」
やはりというか、予想通りというか、シオンが満面の笑顔で扉を開けて入ってくるのであった。
◇
短くてごめんなさい。




