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186.アルフの真の目的

「なんだこれは……えぇ? マキナ」


「後ろに並んでるごっついのが鉄の時代最強を誇ったガトリングガンアヴェンジャー6丁で、その隣のがアンチマテリアルライフルM6が8丁、アルフたちの眼前に構えられてるのショットガンは色々あって18丁に、そこらへんで二人を囲んでるアサルトライフルは手抜きをしまして鉄の時代に最も多くの人間を殺害したお手軽兵器カラシニコフに、個人的な趣味でファマスを少々。 ついでに奥の方にRPG7に迫撃砲etc……戦争は火力なんだよアルフ? 知らなかった?」


「いや、俺が聞きたいのはそっちじゃなくて」


淡々と説明をするマキナであったが、僕の知っている単語が一切出てこない。

同じ言語なのかもだんだんとわからなくなっており、僕はシンプソンを見てみるが。

「あ、アーティーファクトが一つ、アーティーファクトが二つ……一個金貨6枚として……全部売ると……」


だめだこりゃ。


「あ、私が持ってるのが気になるのかー。 いやしんぼめ! これはクレイドルの母、聖母ヤクモサクヒが使ってた魔道術式内蔵二丁拳銃、クローバーっていってなー。 4種類の特殊弾丸を撃ち分けられてすごーい! TUEEEE銃!! クレイドルお姉ちゃんが危なくないよ―にって、一個くれた! かっこいい! すごい文字がびっしり書いてある!」


「いや、銃がすげーのはよくわかったから。 俺が聞きてーのは、なんでお前が俺たちに銃口を向けてるのかって話だよ……」


「だってアルフ、このままだと暴れてメイズイーター殺しちゃうだろー? メイズイーターは試練以外で死ぬのだめ、禁止!」


「殺しはしねーよ……ただ少しどついて……依頼の品を取りに行くだけだっつーの」


「依頼? あの呪いのおっさんのとこ? 行くつもりもないくせに?」


「!?」


アルフはマキナの言葉に驚いたような表情をして振り返る。


「マキナしってるよ? アルフ本当は呪いのおっさんのためじゃなくてラビを奪いに来たって。 ロバートの頼みなんでしょ? あの女の子からラビの魔力感じた」


「……むっ……」


「どういうことですか?」


困惑する僕の代わりに、黙って二人の会話を聞いていたサリアがそうマキナに問いかけるとk。


「言葉の通り、アルフはお金なんかに興味のないし、迷宮教会にラビの力を渡すわけない。 だって、ラビはアルフにとって大事なもの」


「大事? 初耳ですよアルフ……一体何を隠しているのです?」


「っくそ……余計なことをべらべらと……おいマキナ、お前本当に何のつもりだ……」


サリアを無視して苛立たし気にアルフはマキナにそう問うと。


「アルフを一人ぼっちにさせないつもりだー」


マキナは無邪気な笑顔でそうアルフに言い放つ。


「…………お前」


「アルフ、メイズイーターのこと好きなんでしょ? 友達なんでしょ? 友達に隠し事して、友達の大切な物うばおーとしてる。 昔の友達も大切かもしれないけど、メイズイーターもアルフの大切な友達……マキナでもそれわかる。 だからちゃんと説明して、ちゃんとお願いしよ! だから喧嘩終わり! わへーこーしょーの時間です! ファイっ!!」


「………ったく、言葉の意味も知らねーくせに」


アルフはそう口では悪態をつきながらも、先ほどまでの遠くを見つめる様な濁った瞳ではなく、いつもの優しい熊さんの表情に戻っており、ため息を大きく吐くと両手を上げてその場にどっかと胡坐をかく。


「では、此度の凶行の本当の理由を教えていただけるということで、良いですか?」


「あぁ……マキナが余計なことしゃべっちまったからな……それに、こいつのいう通り……仲間に嘘をつくのは……いけねぇなと思ってよ……」


恥ずかしそうにほほを掻くアルフ。


争いはこれで終わり……ということのようだ。


僕は一つ胸をなでおろして立ち上がり、金勘定を続けているシンプソンを連れてサリアたちの元へ向かう。


と。


「や、やっと追いついたわ……こら筋肉エルフ!? 一人でたったか行くんじゃないわよ!?」


「わわ、わわわー!? なんだかすごいものがたくさんあるよー!?」


聞きなれた甲高い声と驚いたような声が響き渡り、見てみるとシオンとティズが息を切らしながらテコテコとこちらに向かってくる。


なるほど、どうしてサリア一人だけが来たのだろうと思ったが置いてきただけだったのか。


僕はそんな疑問を一人で解消させる。


「にぎやかになってきましたねぇ」


「マキナ、騒がしいの好き! 歓迎する!」


いつの間にかシンプソンの頭の上によじ上っているマキナはまたも髪の毛を抜くのを再開させながらオーケーを出してくれる。



「やれやれ……しゃーねー。 全員に話を聞いてもらうかね……俺の……いや、俺たちの目的を」


「ココでするよ! メイズイーター! テーブルー! 椅子―!」


「はいはい」


マキナに支持される通り、僕はメイズイーターでイスや机を作り、それっぽいものを作り上げる。


「おっけーおっけー! すごーい芸術的! それじゃあみんな座って座って! これからわへーこーしょー始める!」


簡易なものであったがマキナは偉く喜んでくれたようで、僕たちは結局、マキナの指示のもと和平交渉を始めることにするのであった。

                        ◇

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