1000万PV達成番外編 泉でガーガー 後編
この世界の水着が現代風なのは、沢山水着会社の人間と下着会社の人間が異世界転生しているからです。
「ウイル君! どうかなー?」
リリムは言うことなく巨大で豊満な果実をしっかりと誇示するようにホルターネックタイプの水着を着用しており、胸の露出が多いわけではないが、黄色を基調とした明るい色合いと、谷間のチラリズムが相まって色々と大胆な仕上がりに仕上がっており、動くたびに揺れる胸に僕は視線を釘づけにされる。
リリムさんにもうぞっこんです。
「に、似合って……ますか?」
反面、カルラは露出少なめのワンピースタイプの水着であり、黒を基調としたかわいらしいフリルがたくさんついている。
胸の露出はない、しかし一切合切秘匿されながらも、布の下からもその存在感を最大限にアピールする強大さ……絶対不可侵領域とでもいうかの如く秘匿されるその禁断の果実には、神聖さとどこか謎のヴェールによる高級感が漂い(意味不明)カルラの魅力を最大限に引き出していると言える。 さらには、その秘匿のおかげで、僕の瞳にはカルラの肩、鎖骨……すべてのラインが妖艶に映ってしまう すごいかわいい! あと、その長い黒髪をみつあみにしているのはキュートだ。
「ほらー! みんな早くおいでよー!」
シオンはというと、ほかのメンバーに比べれば控えめな胸ではあるのを気にしてか、シオンを象徴するかのような真っ赤なフレアトップビキニである。フリルで胸全体を覆われているため、大きさ自体は正確に認識することはできず、胸の形等をしっかりと把握することは出来ないが……しかし、ふわりとバストを見せることにより、シオンのスタイルの良さがさらに際立つ結果を生み出している。
シオンって……こんなにかわいい女の子だったんだ。
そう今までの認識を一から塗り替えられてしまうほど、破壊力のある水着であり、その性格ゆえの無防備さがまた僕のエクスタシーをメルトウエイブさせる(意味不明)。
「今行きます……」
そして、宝玉に近いその柔肌を少しづつあらわにし、現れたのはサリアの水着だ。
上着をサマーベッドの上に置いて、かけていく姿はまさに天使。
胸元には二つ下がる白い水着結び目……純白のドレスの様なスカートタイプの水着に、ゆったりとした胸を震わせながら、金色の髪をたなびかせる姿はまさに天使。
脚の細さ、スタイルの良さ、全てが最高級のその姿に、僕は思わず息を飲む。
誰だ腹筋が割れているといったやつは……。
その柔肌は、誰がどう見ても可憐な少女のものであり、この腕があれだけの剛力を発揮していたなどと言われて、一体誰が信じるのであろう……それだけその少女の肌は透き通った宝石のようで、しわ一つ、割れた腹筋一つなかった。
ここにきて僕は思い知らされる。
あぁ、僕のやってきたことは、何一つ間違っていなかったのだと。
「あ、あ、あ……あんたら! そーやってエロい水着着て! 私のウイルを誘惑する気ね! そうはいかないんだから!」
ちなみに、ティズは桃色のフリルが付いたかわいらしい水着を着ている。
さすがクリハバタイ商店、妖精用の水着も売っているなんて……うん、かわいい。
「ちょっと! 私の水着の感想だけ短すぎるだろエロウイル!」
うお、心読まれた。
「大丈夫、かわいいよティズ。 溺れないようにね、浮き輪はちゃんとつけるんだよ」
「子ども扱い!! 子供の水着見る様なほほえましい目で私を見るな!」
ティズは叫びながら僕にそう突っ込むが。
「それは無理」
だってティズをそういう目で見たら、完全に犯罪になってしまうし。
「なんでよなんでよ! 胸なの! 胸の大きさなの!? 確かに、確かに私は胸は小さいわよ! でもしょうがないじゃない妖精なんだから! 普通サイズの人間に比べりゃ逆立ちしたって胸の大きさでは勝てるわけないじゃない!」
「ティズ、勘違いしないで……女の子は胸なんかじゃないよ」
「そ、そうですよティズ、元気出してください」
「と、ウイル君はリリムの胸に視線を釘付けにしながらいうのでしたー」
「えっ! 嬉しい♪」
「むっきーーーー!?」
「みみっ見てないよ! 誤解だよ誤解!」
「何よ何よエロウイル! 女の胸ばっかり見ちゃって! わ、私とシオンに失礼だと思わないの! 胸の大きさがすべてなの!」
「とんでもないとばっちりで余計なお世話だよティズちん!? それに私はまだほら、成長の余地があるもん」
「嘘つくんじゃないわよ! 知ってるんだからね! あんたがこの中で二番目に年上だってことぐらい!」
「ちなみに私は三番目です」
サリアはどこか得意げにそう語る。
「あれ? じゃあ一番は?」
「私よ! 文句あるっての!」
「うわぁ」
「かわいそうな目で見るな私を!」
ティズは盛大なブーメランに自分で怒号を上げて激昂するが、もはや何をどうフォローしたらいいかもわからない。
「リリム……は?」
カルラは意外とみんなが年上であることに驚いたらしく、一番大人っぽいリリムにそう問いかけると。
「私は21だよ」
「あ、じゃあ私が……一番、年下……なんですね」
「ちなみにいくつ?」
「15です」
『ん?!』
「あ、僕と同い年なんだね」
「え? ウイル君も?」
「うん、15歳だよ。 わー、嬉しいなぁ! 僕年齢近い友達少なかったから……」
「う、うう、ウイル君に喜んでもらえた!? え、えへへ」
「あれ? あれれ!? まずい、まずいですよティズ!」
「由々しき事態だわ……まさかこんなところに飛んだ伏兵がいるなんて」
「年齢が近くて、ウイル君に頼りにされてて……こりゃサリアちゃんも大変だねー」
「随分と余裕じゃないですかシオン!」
「私はーウイル君の友達ってだけで十分だからー」
シオンはぷかりぷかりと浮かびながら、一人呑気に泉の中で泳いでいる。
「くっ、さすがはシオンといったところですね」
「まだそういう年齢じゃないという事よ……放っておきましょう」
「頼れる年齢が近い人……完全に役目を持っていかれちゃったんだけど」
「胸だけじゃどうしようもないってことよ、ざまあみなさい狼娘」
「胸すらないティズさんには言われたくないよ!」
「あんですってー!」
「……随分と女性陣は盛り上がってるけど、何の話をしてるの?」
「さ、さぁ? わ、私にも……わかりません」
カルラは困ったような表情をし、騒がしく言い争いをする三人と、一人ぷかりぷかりと浮いているシオンを見る。
シオンはどこか暇そうだ。
「もー!そんなことよりー、せっかく泳ぎに来たんだから泉に入りなよ~ひまー」
シオンはそういうと、ほとりに置いてあるトネリコの木を取ると。
僕に向かって杖を振るう。
「えーいまとめてポーン!【引き寄せの風―】」
「え? ちょっしおっ!?」
急に何かに引き寄せられるような感覚を覚える。
たしか引き寄せの風って、人の背中を押すくらいの魔法だったはずなのに、シオンのアホみたいな魔力によりまるでサリアに投げ飛ばされるかのように、なすすべもなく泉へと頭から突っ込む。
「とう!」
かと思いきや、僕はシオンに抱き留められ、水しぶきは上げたものの、想像よりも穏やかに、しかも足から着水をする。
……フリルで隠れて小さく感じていただけだが、自らの背中で計測したところ、シオンの果実は見かけ通りのものではないことが判明した。
恐ろしい、これが水着の隠ぺい力なのか……。
「えっへへー! ひっとりじめー!」
そんなことを考えていると、水の中で体勢を整えて浮かび上がってきた僕の腕を取り、シオンがほとりにいる四人に対し悪戯っぽくブイサインを送る。
『や、やられたあああああああああああああああ!』
一斉に女性たちの悲鳴に近い怒号が響き渡り。
「え、えぇ!? ちょっ! みんな、なんで殺気が……」
同時に我を忘れたかのようにサリア、リリム、ティズが僕へととびかかり。
「……え、えーい!」
まさかのカルラまで少し遅れて僕へ向かって飛び込んでくる。
※飛び込みは大変危険です、彼らは特殊な訓練を受けていますのでマネしない様に。
「ごっはぁ!?」
「ほら! ウイル君こっちこっち! 私犬かきしかできないから! 泳ぎ方教えて!」
「あっ狡いですリリム! マスター! わ、私はその……足をつったので助けてください」
「現在進行形で泳げてるじゃない嘘つくな! 私の方が重傷よ! 溺れそうなんだから!!ウイル助けて!」
「てぃ……ティズさん……飛んでるし!」
おぉ、カルラが珍しく突っ込んだ。
「はっはっはー! ウイル君は渡さないのだ―! ねーウイルくーん」
「ちょっシオン……あんまりくっつくとその……む、胸が」
背中に当たって幸せになってしまいます。
「えーいもうこうなったら実力行使だ―! わっふー!」
「致し方ありません! マスター、覚悟!」
「う、うう、ウイル君! ふつつかものですが!」
「もうこうなりゃやけくそようりゃー!」
全員の意気込むような声が響き、同時に僕へと美しき美女がとびかかり。
僕は泉の中でその豊満な果実に包まれる。
全員が僕を引っ張り合い、その胸を押し付けるように僕は泉の中でもみくちゃにされる。
幸せだ……幸せだが、思春期真っ盛りの僕にとってこれは少しばかり刺激が強すぎ、僕は自分でもわかるほど顔を真っ赤に染め上げて心拍数をはね上げさせる。
「……ぐわーっぱ……青春さーねー」
「ちょっ!? 君たち! 少しいい加減に!?」
――――――――ボフン。
して!
と叫ぶのとほぼ同時に、僕の周りで五つ分の爆発の様な音が響き渡り。
「ういるにー!」
「ウイルおにーちゃーん!」
「にーにー!」
「うーいーるー!」
「……お、おにぃちゃん」
僕の目の前に元気な子供の声がいつつ響き渡る。
一体何が起こったのかと、その爆発により上がった煙だか水蒸気だかが消えるのと同時に
僕は自分にまとわりついている何かを確認すると。
そこには紺色の、胸元に白いワッペンの様なものが縫い付けられた独特かつ健全な水着を着用した五人がいた。
「てぃ……ティズまで」
泉の効果により全員が全員幼女化してしまったらしく僕は溺れないように必死にしがみ付くサリア、リリム、シオン、カルラ、と頭の上にしがみ付くティズをそれぞれ見回す。
全員が全員きらきらした目で僕を見つめている。
癒される。
「ウイルに―あそぼー!」
「ビーチボール!」
「すいかわりー!」
「……きゅう」
「おなかすいたわよウイル―」
「どうやーら、この泉―に適合しているのーは、あなただけのよーねー、ぐわーっぱ。
この子たち―は、明日起きるまでこのまんまーだーねー! ぐわーっぱ」
「そうですか」
僕は少し残念な思いを抱きながらも、思い思いの方法で僕にしがみ付いて僕に甘えてくる幼女達に僕は苦笑を一つ漏らす……。
まぁ、たまにはこんな日があったっていいだろう。
僕は苦笑を漏らし。
「よし、みんなであそぼっか」
『わーーーーーーー!!』
僕たちはそうして、一日中楽しく騒いで遊ぶ。
玉のように無邪気に笑う少女たちに負けないくらい僕も楽しく笑いながら……。
◇
お・ま・け。
そんで次の日。
「っさむううぅ!?」
昨日の暑さもあり、薄着で寝ていた僕は次の日のあまりにも凍り付きそうな温度に飛び起き、上着を慌てて羽織る。
外を見ると夏も近いというのに雪が降っており、一体何事かと僕は震えながらリビングにて同じく凍えているシオンとカルラの元へ向かう。
「一体全体どうなってるのさ!?」
「どうやら、異常気象の影響で熱血渡り鳥の次は、消沈渡り鳥、鬱林鳥
がリルガルムを大量に横断しているみたいです」
「便利な言葉だね異常気象!?」
「うぅぅう……そんなことよりどうするのよ……例のごとく火はつかないし、爆発娘も湿気たマッチ状態よ……このままじゃ私達凍死よ凍死」
そうティズが泣き言をいうように僕の頭に張り付きながらそういうと。
「そそ、そういえば……迷宮……五階層に……おお、温泉が……」
カルラが思い出したかのように……そうつぶやいた。
続く?




