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116.無限頑強のアルフレッド

走る刃はマスタークラス五人の巨竜をも一撃にて切り捨てる至高の五閃。


魔法の加護も、エンチャントも薬物もマジックアイテムもないただのドワーフにその攻撃を防ぐことは叶わず。


アルフはその場で首を刎ねられ、この戦いは終了になるはずであった。



そう……普通の場合――この世界のステータス――ならば、そこで終了――ゲームオーバー―—であった。



ぽきん。


『ふぁ?』


間の抜けた音が五つ……。


死霊騎士たちは剣を振るい、その首を落とさんと全身全霊の一撃を叩き込む。


しかし、アルフを両断するために放たれた剣は。アルフに触れると同時に音を立ててへし折れ砕け散った。



『なっ』


驚愕に言葉が出ない……当然だ


彼らはアンドリューが誇る精鋭部隊、剣もすべて迷宮最下層付近のものであり、こんな形で折れることなど……ましてや丸腰の人間を切ることで折れることなどあり得ないのだ。


しかし……。


まるで鋼を叩いたなまくらのごとく、その宝剣は砕け散る。


【まだ何か隠し玉を! ならば貴様の斧ならば!】


アンデッドハントは何が起こったのかを瞬時に分析し、それが自分たちが感知干渉のできないものによる防護だと判断をする。


後ろに誰かがいるのか、それとも隠密性の高い高度な魔法か……その判別がつかないことは彼らにとっては脅威であり、自らの攻撃はすべて通用しない可能性すら存在するが。


しかしそれも、敵自身が使っていたものによる攻撃であれば意味はなくなる。


敵が何らかの力の加護を受けているならば、その加護を受けた武器で攻撃を仕掛ければいいだけの事。


そう思案し、アンデッドハントはアルフの武器によりアルフにとどめを刺すことを決める……が。


「あー、やめといた方がいいぞそれ……」


アルフは困ったような気を使うような間の抜けた声でそんなことを言う。


【何を今さ……らああああああああああああああ!?】


絶叫が響き渡る。


【!? ドウシタ!】


斧を握った瞬間……アンデッドハントはその場に倒れ伏し、動かなくなる。


剣の折れた死霊騎士たちは慌てて仲間に駆け寄るり様子を確認する。


……生きている……が、しかしその姿はまるで生気が感じられず、生命活動を維持することに全能力を費やさなければすぐさま消滅してしまう……そんな状態にまで追いやられている。


「あーあ……今ので12レベルは持ってかれたぞ……だから言ったのに」


【貴様ナニヲシタ!】


怒りに身を震わせながらアンデッドハントはアルフを問い詰めるが。


「何もしてねーよ……ただ、その斧は少し特別製でな」


【持ち主を選ぶということか?】


「そんな大層なもんじゃねえさ……ただ、俺は昔から特殊な体質でな……呼吸する、心臓を動かす……存在しているだけでレベルが上がっていっちまう、それも際限なくありえない速度でだ……そんな呪いにかけられているせいで、普通のまんまじゃいろんなもんをぶっ壊しちまうから、昔ロバートの野郎に作らせたんだよ……その、無限に経験値を喰らいつくす化け物斧をな」


【レベル……ドレインをする武器だと!? そんな馬鹿な話が……いや、まさかそんな】


しかし、上がり続ける力に、斧を手放した瞬間のこの飛躍した力。


マスタークラスの剣を生身で受け、逆に迷宮最下層の宝剣をへし折ったその強靭な肉体。


そんな不可能を現実に見せられたら……その原因は圧倒的なレベル差でしか説明ができない。



そして、不幸なことにその化け物を知らない人間などこの世にはいないのだ。

少なくともこの王都リルガルムに住むものには……。



世界に存在する神の寵愛であり、呪いでもあるスキル……ゴッズスキル。

その一つである、無限の成長を与えるという恐ろしいスキル

~ジャイアントグロウス~(巨大なる成長)

魔法の名前にもなるほど有名であり、人々の憧れとなったその魔法の持ち主は

森にすむ怪物であり、世界の平和のためにその力を振るった。



無限に成長をする英雄……其れは斧を振るい、ロバート王の何よりも堅き万能の盾となり、いかなる敵をも粉砕する巨人の怪物。



【スロウリーオールスターズ…… 貴様まさか……無限頑強のアルフレッドか!】



「今は面倒くせえからアルフって名乗っているがな」


【ぐっ……】


死霊騎士は絶望をする。


もはや勝機はない。


スロウリーオールスターズとは伝説の英雄であり、そしてその一人一人がアンドリューに匹敵するほどの力を持つ。


いかにアンデッドハントと言えども本気のスロウリーオールスターズを前に、5分と生きながらえる術を彼らは知らない。


ゆえに。


【撤退だ】


「なっ!?」


その場に取り残されたアンデッドハントを残し、残りの死霊騎士たちはその場で陰に消える。


「にがすかてめえ!」


アルフはすぐさま斧ではなく、石のつぶてを投げる。


瓦礫の一掴みであるが、すべてのステータスが999となったアルフによるその一撃は


もはや大砲の一撃に近い。


しかし。


【いいや! 逃げるね!】


しかし、その石つぶてが相手を打ち抜くより早く、アンデッドハントは闇へと潜り

その背後にあったオーキーのドーキドキ研究広場が爆発四散する。


「ちっ、逃げられたか」


それはもう迷いのない、潔い撤退であった。


すでに気配はなく、感知もできない。 


不意打ちでもだまし討ちでもなく、アンデッドハントは完全に撤退したのだった。


「なに逃げられてんのよ馬鹿アルフ!」


ティズは敵の気配がなくなったのを察知したのか、ひょっこり出てきてそう怒鳴り散らすが。


「そういうなってティズ、あれだけきれいに逃げられちゃ俺にだってどうしようもできんよ……まぁしかしあれだけ潔い撤退じゃ、もう戦争には参加しないだろう……それに」


取り残され、必死に生命活動を続ける一人の騎士。


その傍らにはアルフの斧が落ちており、アルフはそれを拾うと同時に、その騎士を引きづっていく。


「こいつには聞きたいことがあるからな……もうここは大丈夫だろうし、あとは若いもんに任せるとするぞ……じゃあなティズ」


そういうとアルフは王都防衛戦からの離脱を宣言する。


「あによ! 一人で何をするつもり!」


取り残されたティズがそう聞くと、アルフは一度あごひげをなぜた後。


「決まってるだろう、聖女……カルラの居場所を吐かせるんだよ」

 

 そう答えた。


                       ◇

錬金術広場、 制圧完了!


名称 アルフ 年齢 343 職業 ファイター (アンデッドハントとの戦闘終了時)

LV9999999999999999999999999999999994 (現在進行形で更新中 以下9999と表記)


筋力  9999     

生命力 9999

敏捷  9999

信仰心 9999

知識  9999

運     8


保有スキル  

GODSスキル 巨大なる成長ジャイアントグロウス

etc


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