Stage33:2063/01/12/18:11:47【-0341:49:13】
いつも通り、夕食のカップ麺を食べてトイレを済ませて、仮想世界に没入した。
入ったばっかでトイレ行きたくなったら、元も子もないしな。
ブレゴスのメニュー画面からフレンドのログイン情報を見てみると、三枝さんと柏木以外はみんなインしてる。
あ、みんなって言っても、この場合は咲希や松井先輩だけじゃなくて、それ以外のゲーム仲間も含めての話。オンラインだけの関係だけど、六人で色んなゲームで同じギルドやチームやら組んでやってきたから、けっこう気の知れたメンツだ。
ブレゴス始めてからこっち、たまに連絡とってるだけだったから、久々に一緒にやるのもいいか。
レベル帯はぁ…………よし、俺がちょうどド真ん中。
そうと決まれば俺は早速ゲームを起動させて、メールを飛ばした。
いやぁ、久々のメンバーで遊べて、すんげー楽しかったよ。
国が同じ奴もいれば違うやつもいて、それなのにわざわざ遠くの国からこの辺まで来てくれてて。
でさ、そろそろ三枝さんと約束した時間だから、昨日ログアウトした東の森の村まで帰ろうとしたら、しつこく理由を聞いてきたわけですよ。
それで、初心者だから装備屋の知り合いのところを一緒に回る話をしたら、
『案内ねぇ』
『でもおかしくね?』
『キャラ違うよな』
『まさか、中の人女なんじゃね?』
『嘘だろ』
『お前、オレたちを裏切ったのか!!』
ってなったわけですよ。
おいこら待て、確かに怖いぐらい図星だけど、知り合いの初心者プレイヤーを案内するだけで、なんで女性プレイヤーって答えがでてくんだよ。
おかしいだろお前ら。
そんでまぁ、俺も売り言葉に買い言葉で、学校の同じ部活の女子だって言っちゃって、
『リア充め』
『もげろ』
『はぜろ』
『爆発しろ』
『このド変態』
『有罪、死刑』
って、一方的に罵声を浴びせられました。
しかも、全員女の子アバターだったので、打ちひしがれ度が半端じゃないです。中身は全部野郎だけど。
半分はノリだけど、半分はガチで襲ってきて、危うく殺されかけたぜ。せっかく貯めた経験値と金を、奪われてたまるか。
そんなわけで、ようやく昨日三枝さんと別れた村までやってきた。
すると、到着と同時にフレンドリストの三枝さんのアイコンが、ログイン状態に。視界の端にある木製の鳥居みたいな場所から、亜麻色の髪をした女の子のアバターが構成されて出てくる。
三枝さんもといユイさんは、辺りをキョロキョロと見回すと、俺を見つけて手を振ってきた。
それを見て、俺も手を振り替えす。あぁ、なんかいぃなぁ、こういうの。
「お待たせぇ。待った?」
「待ってはないけど、知り合いに殺されかけてた」
小首をかしげる仕草が何とも言えん。
ただ、その殺されかけた原因って、ユイさんなんですけど。
いや、しゃべったのは自分だから、俺なのか。これぞまさに、リアル口は災いの元
「た、大変だったんだ、ねぇ……」
「おかげで残りHPが赤色。ちょっとポーション買ってくる」
「それじぁ、私もアイテム補充しとこうかな」
「じゃ、終わったら村の出口んとこに集合って事で」
「おっけー。じゃあ、また後で」
来て早々だけど、ここで一旦別て準備を整える。
そうそう。MP自動回復スキル出すのに使った、MP回復用のポーションも補充しないと。
それから二分くらいで準備を終えて、村の出入り口前に向かった。
三枝さんは…………まだみたい。
さて、今の内からどんな衣装があるのか見とこう。
これから行くのは、昨日松井先輩こと、レヴィたんが嬉々として着せ替え人形になった人の店に、武器は俺の知り合いのところの。
実は、昼間に三枝さんに見せたやつ以外にも、展示用大量のスクショをもらってある。
ホログラスの画像フォルダにアクセスすると、視界を埋め尽くす勢いでホロが出てきた。
レヴィたん以外にも、五、六人のモデルがいる。
「うぅ……。これは、ダメだな……」
女王様ボンテージ……。誰だよ、これ考えたヤツ。こっちは、後ろTバック……。際どい魔法少女物のパロったのまである……。
そういや、どんなのがいいか希望聞いときゃよかったな。
と、そうこうしていると……、
「お待たせ~」
手を振りながら、ユイさんが小走りでやってくる。
俺は慌てて画像フォルダを閉じて、ユイさんに向き直った。
「それじゃ、行こっか」
そう言って俺は、移動用アイテムのペガサスの靴を実体化させて、ユイさんに渡す。
「ありがと。それで、行き先は【シルフィーダ】だよね?」
「うん。間違って、別のとこ押さないように」
「わかってま~っす。それじゃ、レッツゴー!」
そう言って飛び出していったユイさんに、俺はちょっと緊張しながら付いて出た。
どうか、エロ目的みたいな変な装備を見せなくて済みますように……。




