プロポーズに加工したツノを貰った話
いきおいで書いたけれど……と言うあれ
やあ、私は一般転生者。種族は人間。知識チートは実験で失敗したから諦めた。
今日はいつも通りパン屋の仕事を終えたあと、余ったので貰ったパンを再加熱していたら風呂場にいる恋人であるアンリの「あっ、ツノが」と言う声が聞こえた。
この世界の竜人のツノは鹿のように抜け落ちるものだ。
この異世界の竜人に人々は神秘性みたいなものを感じる人は多い。実際千年超える人も多いらしい。
ツノは効果のある薬になるから狙う人間もいる。私はそのことをこの竜人の国に来てから知った。
風呂から出たアンリの手にはツノが無かった。おそらく燃やしたのだろう。
それにしてもイケメンだなぁ。タオル巻いているだけの姿で様になっている。
その日の夕食は、ツノがあった場所がとても痛そうで食事の後は薬を塗らなければと思い、夕食後薬を塗ったけれど塗った時は案の定、うめき声あげていたから痛痒かったのかも知れない。
この世界の騎士は竜になって戦う。明日は非番だから、デートはやめて明日は家にいよう。
次の日、デートはアンリのツノを癒したいから外じゃなくてボードゲームをしようと言ったらちょっと悲しそうな顔で頷かれた。
本当は私に服を買いたかったようだ。
次の日、ボードゲームをしている時のアンリのテンションが低かったからなんでか聞くとやっぱり引きずってしまったらしい。行くべきだったのだろうか。
それからの日々はなぜかちょっと耳が赤いアンリの姿があった。
アンリは寡黙な人だが、代わりに耳がちょっと赤くなることがある。
私への、私目線ど直球ではないけれどその単語をスマホの検索結果とかで見られると恥ずかしい程度のものをお願いする時だ。耳かきとかそう言うの。
でも今回は、なぜかこっちは用意していてもお願いすることはなかった。
1ヶ月後、アンリから「結婚してほしい」と言う言葉とともにアクセサリーをわたされた。ちょっとマットな黒色のブローチ。金具は金色のものだ。
涙で景色が少しぼやけてきた。
泣き顔はあまり見せたくなくて顔を伏せる。
……この世界には、瞳や髪の色を使ったアクセサリーを贈る文化がある。そういや、髪の毛は私も黒髪だけれど、瞳の色は私は茶色、アンリは赤色で違うから、どうして黒色なんだろうと思っていると、「君と同じ色で……おそろいにしたかったから」と言われた。……こっちも黒色のやつを買わねば。
エナメルとも違う質感のそれに、これは?と質問をすると「この前抜けたツノを加工した」と返された。
「ツノって加工してもいいんだ」
「多分竜人でもなかなかいないと思う。ごめん、材料をツノにしたのは君とお揃いにしたかったのもあるけれど……君を見失いたくなかったから」
「見失いたくない?」
詳しく聞くと、GPSのそれもあるらしい。
ツノに自動的にその機能があるのではなく、どうやらブローチに加工してもらってから追加したらしい。
本当は他にも機能を入れたかったけれど、無理だったようだ。
針金や工具があれば、彼のツノを加工したパーツでピアスやネックレスを作りたかったな。
ブローチから顔を上げてアンリをみると、ほっぺまで真っ赤になっていた。口に出ていたらしい。




