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第一話

目を覚ますとそこはベットの上だった。

あたりは薄暗く、窓からは遠くの方に朝日が昇り始めているのが伺える。

どうやらちゃんと私は新しい世界へと降り立ったみたいだ。

自分の姿を確認するため、部屋に設置された鏡の前へと移動する。

そこには小柄な少女の姿が写っていた。

髪は色素が抜け落ちたような白色をしていて、腰の長さまであり

顔は幼く可愛らしい。

目の色は空色を思わせるような清んだ水色をしている。

一通り自分の姿を確認しため息を着く。


「酒を飲むには見映えが悪いな……」


日本で居酒屋に突撃しようものなら入店を拒否される年頃の少女だ。


少し考えを巡らせたあと、この体のこれまでの記憶を思い出す。

名前はマリー

カサブランカ家の三女で両親からは落ちこぼれ扱いを受けている。

というのもこのカサブランカ家は火の魔法の名家らしくその名家出身にもかかわらずマリーは火の魔法の適正がなかった。

それに他の姉妹と違い髪は色のない白

姉妹は火の魔法の適正が強いのを表すかのような真っ赤な赤をしていた。

母は父から不義理を疑われ、その腹いせにマリーへと強くあたり、父はそもそも自分の子ではないと母の暴力を見過ごしていた。

他の姉妹はマリーにたいして優しく、護ってくれているようだったが同じ子供のためかなりの迷惑をかけてしまっていた。

思い出す記憶の中でマリーは相当の苦労をしていたように伺えるが、私がここにいるということは彼女は私になっているのだろうか……

地球では誰にも苦しめられず幸せになってほしい。


「さてどうしたものか……」


これからの生活に不安を覚えつつ。

無意識にパンッと手をたたく。

するとどうだろう

ゴトンと、音の先には1本の瓶が転がっていた。

白をベースとしたラベルにはうす緑の枠ぶちと、文字が書いてある。

濁りのない透明な瓶のなかには液体が入っている。

私はそれに見覚えがあった。


度数96

火気厳禁の最強のアルコール酒

そう、スピリタスだ。


小さい頃、祖父が火をつけながら飲んで楽しんでいた酒が転がっている。


「…………ん。よし。」


私はあることを思いつき、覚悟を決めスピリタスの封を切った。


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