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【第三話『試行と錯誤の水曜日』】

主人公:名前はリゲル。太陽双子座、月魚座。孔雀のような雰囲気を持つ少年。

    戦術家だが感情に流されやすい。

    この世界の外側の異形と関わり合う職業のアバター使いを進路に志望。

    学校間対抗戦で年下の女の子に負けて現在新技を開発中。

 精霊:名前はぴーちゃん。孔雀の精霊。曜日ごとに性格や見た目が変わる。

    水曜日のぴーちゃんは、知的でさわやか。

    イメージカラーは青色。

    リゲルに知識をくれるが、スイッチが入ると早口のオタクになる。

 親友:名前はハクラビ愛称はハク。太陽天秤座、月蠍座。すごく顔がいい。

    知らない物の値段を当てる特技がある。

    裏表のない性格、深刻な場面でも軽口を叩く。育ちが良くて挫折知らず。


【第三話 『試行と錯誤の水曜日』】

――今日は、頭がいつもより回る。


● 水曜日の朝/登校直前


 昨日までと同じ部屋。昨日までと同じ目覚まし。

 でも、布団の中で浮かんでくる考えの数が、少しだけ多い気がした。


 何を変えれば、勝てるのか。

 何を足せば、あの時の“届かなかった一撃”を、届かせられるのか。


 昨日までは、そんな問いを思い浮かべるだけで、胸が軋んでいた。

 けれど今は、それを少しだけ、冷静に見つめられている気がする。


 ピッ、と端末の角が光った。


「おはよう、リゲル。今日は、水曜日のぴーちゃんだよ」


 ふわりと現れたのは、孔雀の羽を模した精霊――ぴーちゃん。

 火曜日の快活さとは打って変わって、今朝の彼は落ち着いた声で話しかけてくる。

 図書室の静けさみたいな空気をまとっていて、穏やかに、でもどこか好奇心に満ちていた。


「……なあ、ぴーちゃん」


「なんだい? 何か面白いこと、思いついた?」


「ビットってさ。射撃用のやつを、少しだけ、別の何かに変えるって、できる?」


 ぴーちゃんは空中でくるりと一回転し、羽をふわりと広げた。

 一瞬、黙ってから、まるで言葉を選ぶように口を開く。


「うーん、たぶんできると思うよ。

 たとえば、観測型ビット、防御型ビット、トラップ型とか……いろいろあるよね」


「そうじゃなくってさ、ビットを“ビット以外”の何かに変えることって、できないかな」


 その問いに、ぴーちゃんはまた一拍、間を取った。


「……なるほど、そういう方向だね。

 でもビットって、そもそも孔雀の模様から派生してる“操作できる球体”っていう枠があるんだ。

 構造上、そこから完全には逃げられないかな」


「……そっか」


 リゲルは軽くため息をついて、天井を見上げた。


「……あ、でも羽を撒くことなら、できるよ!」


 ぴーちゃんが急に声を上げる。少し得意げで、少し楽しそうだった。


「羽?」


「うん。孔雀の羽って、もともと広げて撒く構造を持ってるでしょ?

 ビットの応用で、散布式の羽にして拡散展開なら、可能だと思うなあ。

 エフェクトも綺麗だし、ある程度の威圧感も出せるかもしれない」


「……でも、それって」


「そう。ただ“飛び散る羽を増やす”だけだよ。

 追尾もできないし、配置で空間を封じるには弱いかもね」


 そのとき、不意に――カーテンがばさりと大きく膨らんだ。


 瞬間的な突風。窓の隙間から、冷たい空気が勢いよく流れ込んできた。

 ぴーちゃんの羽がふわりと舞い上がり、空中に数秒間、浮かんだまま静止する。


 リゲルは、その軌道を無意識に目で追った。


(……風が、使えるかも――)


 でも、その考えはすぐに、煙のように散っていった。


「……やっぱ、意味ないかも」


「でも、考え方としてはおもしろいと思うよ?

 “撒く”って発想は、“封じる”に繋がる可能性があるからさ。

 ねえ、他に何か思いつかない? もっと面白いこと、さ」


 ぴーちゃんの瞳は、まっすぐこちらを見ていた。

 好奇心と、問いかけの熱で、静かな光を帯びているようだった。


● 午前の授業/因果律の講義


 午前の授業は、「因果律」だった。

 リゲルは窓際の席で、なんとなく空を見ていた。

 まだ少し冷たい風が、雲を流している。


 あの突風で舞った羽の軌道が、頭から離れなかった。


(……あれ、本当に“意味ない”のか?)


 そんなことを考えていたとき、教師の声が教室に響いた。


『この前の復習ですが、魔法とは、因果構造の一部に作用する技術である。

 また、属性魔法とは、その干渉に使われるエネルギーの形式です。』


(はいはい、“構造の一部に作用”ね……)


 リゲルは、頬杖をついたまま、まぶたを半分だけ下ろす。


『今日扱う因果律とは、ある出来事が他の出来事に与える影響の強さを表す法則です。

 この世界では、物事はすぐには変わりません。

 目に見える変化を起こすには、均衡ホメオスタシスを超える因果的影響力の強さが必要です。』


(“すぐには変わりません”って……そう言われると変えたくなるんだよなあ)

(……変わらないからこそ、工夫するんじゃないか)


 教師の語りは、相変わらず穏やかで、教科書的だった。


『因果律を構成する主な要素は、次の三つです。

 ① 原因事象が有する影響力(何がきっかけか)

 ② 介在事象の伝播構造(どのようなルートで影響が伝わるか)

 ③ 外部条件の異常性(魔力飽和や時空の歪みなど、例外的な状況)』


(③があると、どこかご都合に見える……“例外”って言っちゃえば何でもアリになるじゃん)

(まあ確かに、勇者のせいで魔王はいつも世界を支配し損ねているな)


 リゲルは手元のノートに、ほんの少しだけペンを走らせる。

 「散布」「封じ」「拡張性」――ぴーちゃんの言葉から抜き出した語を、端に書き込んでいく。


『魔法使いにとって大切なのは、「どの部分が因果の中で鍵を握るか=枢要因子か」を見抜き、そこに的確に作用することです。

 優秀な魔法使いになると、因子同士のシナジー効果や因子の限界比率、さらには時間的要素までも見抜いて操作します。』


(……それができたら苦労しないんだけどな)


 思わずペンの先で、机の縁をカチカチとつついた。

 因果の“鍵”がどこにあるか――

 そんなの、感覚で掴むしかないときだって、あるだろうに。


『さて、近年は「因果予測魔法」が流行し、未来を読む能力ばかりが注目されています。

 しかし、予測は出発点にすぎません。未来を変えるには、因果の鎖の中でどこに干渉すれば最大効果があるかを見極める力が必要なのです。』


(……それってつまり、“風が使えるかも”って思った昨日の俺、正しかったんじゃないか)


 ふいに、背筋にうっすらと熱が走った。

 あの羽の軌道。風の流れ。その一点を変えるだけで、全体の意味が変わるかもしれない。


『では、今日は実習を行います。

 水槽の水位(原因)と魔法魚の行動(結果)に対し、風魔法で水面を揺らしたり、闇魔法の引力(局所的な重力操作)で環境を変えたりするなど、

 介在事象の操作をどう行えば結果が変わるか、確かめてみましょう。』


(――え、今日の実習、風魔法?)


 リゲルは、ほんの少しだけ姿勢を正した。

 水槽と魚、風と重力。それだけなら、ただの因果操作の練習かもしれない。


 けれど。

 風で羽を撒く。羽で行動を封じる。その応用は――まだ、誰にも見られていない。


(……やってみる価値、あるかもな)


● 午後の戦術演習/模擬戦形式の演習


 模擬戦形式の演習が始まった。

 ペアは、リゲルとハクラビ。

 何度も戦ってきた、手の内を知り尽くした相手。


「で、俺たち今、何勝何敗だっけ?」


 弓を軽く担ぎ、肩越しに笑みを見せるハク。


「三勝三敗二分け」


 リゲルは、あくまで淡々と返す。


「そっか。じゃあ、今日は決着つくかな」


 そんな軽口を交わしながらも、互いの目はすでに戦いの中にあった。


 開始の合図が響いた瞬間、ハクが先に動いた。

 分身矢が三発、風を裂いて走る。反射性の光を帯びた矢は、空中でさらに分裂する。


(来た……開幕はいつも、それ)


 リゲルは背後に浮かぶビットを展開。円を描くように配置し、レーザー状の魔力光を放つ。

 交差する光線が、分身矢を追い、次々と撃ち落としていく。


 だが――


「……一発、抜けた」


 肩口をかすめる光の痛みが走る。ハクの矢は、一本だけ読みを外した軌道を混ぜていた。


(俺の癖、完璧に読まれてるな)


 ハクは矢筒から新たな矢を取り出しながら、言う。


「マナの残り、どのくらい?」


「お前に教えるかよ」


「だよな」


 互いに笑みすら浮かべながら、次の一手を組み立てていた。


~ 中盤 ~


(リゲル、風の読みがズレてる。右斜め上、吹き返し注意だよ)

 ぴーちゃんの声が、頭の奥に響いた。


(でも、そこに羽根出したのは、ちょっと面白いね)


(風向き、東から……いけるか?)


 羽根をばらまく。孔雀の尾を模した羽が、風に乗って舞う。

 視界を封じ、動線をかき乱す作戦――だったが。


 風が乱れた。

 校舎の壁面の反射流か、ギャラリーの微弱な魔力干渉か。

 羽根の一部が思わぬ方向に流れ、散布の軌道が歪んでしまう。


「それ、昨日ぴーちゃんと話してたやつ?」


 ハクが矢を構えたまま、声をかけてくる。


「試しに来たの、バレてたか」


 お互い、どこか楽しそうだった。


(……まだ使いこなせない。でも――)


 リゲルは剣の柄に手をかけた。

 なら今は、体で押し切る。


「そろそろ、遠距離は限界だな」


「……ああ」


 同時に動く。


 リゲルはしなる剣を抜いた。

 薄く、しなやかに波打つ剣身が、空気を切るたび独特のうねりを生む。


 一方のハクは、両手に輝水の双剣。

 刃から滴るように流れる魔力の水が、光を反射しながら揺れる。


 二人が交差する。

 剣と剣が打ち合い、音を立てて弾ける。


 リゲルの斬撃を、ハクが片手で受け止め、もう一方の剣で左脇腹を狙う。

 だがリゲルはそれを読み、膝を抜いて身をずらすと、逆に体勢を立て直して追撃を仕掛ける。


「ほんと、やりづらい」


「そっちこそ」


 ギャラリーが増えていた。

 演習場の外周には、生徒たちが何人も集まり、ガラス越しに様子を見守っている。


「リゲルとハクだ」

「今日はハクが勝つかな? 対抗試合でも調子よかったし」

「いや、俺はリゲルだと思う」

「今の羽、何だったんだろ」


 そんな声が飛び交う中でも、戦場の二人には聞こえていない。


 ラスト数秒。

 お互いに渾身の一撃を放つも、届かず、打ち切り。


 ブザーが鳴った。

 静かに戦いが終わる。


「また、引き分けか」


「でも――」


 リゲルは、小さく笑った。


「悪くなかった。ちょっと掴めそうな気がした」


 羽根は制御しきれなかった。


(うん、でも“面白い”ってことは、大体“惜しい”ってことだよ)


 試合の余韻の中、ぴーちゃんの声が再び脳裏にこだました。


 でも、ほんの一瞬、世界が静止したような感覚があった。

 その一手前の手応えが、かすかに残っている。


「その“ちょっと”を、次は潰すからな」


 ハクもまた、口元を綻ばせる。


 アバターたちの輪郭が、光にほぐれていく。

 武器、装甲、衣服――すべてが粒子となって、風に消えていく。


 そして。

 細く光る筋が、空を走った。

 演習場から見える隣の校舎、演習棟のベース装置へ。

 光は一直線に伸び、二人の本体が眠るカプセルのもとへと還っていった。


 観客たちは、その軌跡を黙って見送った。


 風はまだ、微かに吹いている。

 羽根は舞わなかったが、

 風の輪郭だけが、確かに胸の奥に残っていた。


 アバターは解かれ、

 本体は、確かにそこへ、帰っていった。


● 模擬戦の後/出会いと決意


 訓練室の魔法陣が収束し、淡い光とともにリゲルとハクのアバターが粒子となって還元されていく。

 二人はゆっくりと装置から出て、戦いの余韻を振り返るように無言で歩いた。


「……まあ、引き分けでも悪くなかったな」


 ハクが首を回しながら言う。


「うん。少し、感覚が掴めてきたかも」


 リゲルも静かに応じる。


 そのとき――


 対面の自動扉が音もなく開き、二人の女生徒がゆっくりと入ってくる。


 先頭の少女は、ウェーブのかかった長髪を揺らしながら、まるで舞台に登場するかのような気品ある所作で歩いていた。

 制服は完璧に着こなし、一切の装飾もない。なのに、視線を奪われる。

 その鋭い釣り目が、まっすぐにリゲルを見つめる。


 隣の少女は、対照的だった。

 活発なショートヘアに、前髪を止める小さなニワトリ型のクリップがひときわ目立つ。

 満面の笑顔で、きょろきょろと周囲を見回している。


「2on2の模擬戦、申し込みますわ」


 ライサが端正な口調で唐突に告げると、場の空気が一瞬だけ硬直した。


 リゲルが足を止め、ハクと目を見交わす。


「ハク、どうする? 連戦だけど……」


「体、まだ余裕あるか?」


 リゲルが小声で尋ねる。


 ハクはひとつ肩を回し、首を鳴らしてからさわやかに笑う。


「まあ、軽くなら。全開でやったらもたないと思うけど……相手次第かなあ」


「そういえば、リゲルとペア組む2on2って遊び以外でやったことないね」


 その「相手」を、リゲルがちらりと見る。


 釣り目の美少女――ライサは無言でただ立っている。まるで嵐の前の静けさ。


 その隣で、多動で陽気な少女が元気よく手を挙げた。


「お二人さん、強そだねえ! うちの主演女優がぜひやりたいって!」


 明るく弾む声。

 にわとり型の前髪留めがきらりと光る。


「……主演女優?」


 ハクが思わず反応する。


「そうそう! 美しくて、気高くて、怒るとドカンって感じの――」


 アレッタは両手を大きく広げて、なにか巨大な“なにか”の爆発を表すような仕草をした。


「名前はまだないけど、たぶん演習室で一番目立ってる女優さんです!」


「いずれは、学園都市……そして全世界に名を轟――あ痛っ」


 言いかけたその瞬間、隣から細く伸びた手が、アレッタの脇腹を軽く小突いた。

 ごく自然な動作。だが鋭い。


 振り返ると、ライサは微かに頬を染めたまま、目を逸らしていた。


「な、なにするの~ライサぁ~……」


 アレッタは小声でむくれるが、その顔にはどこか嬉しそうな色も混じっている。


「あはは、ユニークなお連れさんですね」


 ハクが苦笑しながら肩をすくめた。


「少なくとも、学園祭でお二人さんが漫才でもやるなら、見に行かないわけにはいかないな」


 リゲルが冗談めかして言うと、アレッタは「ほんとにやってもいいよ~?」とすぐさま反応し、ライサが再び無言で目を細める。


 けれど、その瞳にはもう、明確な光が宿っていた。


「で、受けるの? 受けないの?」


 アレッタの無邪気な問いが耳に残っていた。だが、それ以上に――

 正面から向けられたライサの視線に、リゲルの中の何かが応えた。


 たとえ即興でも、逃げたくはなかった。

 それ以上に、ただの模擬戦じゃない、上手く説明できないけど、もっと大きな存在に何かが試されている――そんな気がしていた。


 ハクが口を開こうとした、その直前――


「受けよう!」


 リゲルの声が、静かに、だがはっきりと空気を裂いた。


 一瞬、隣のハクが驚いたように目を見開く。

 リゲルの顔は、冗談の一切ない真顔になっていた。

 目だけが、真っ直ぐに前を射抜いている。


 言葉に迷いも逡巡もなかった。

 むしろ、胸の奥に眠っていたものが一気に起き上がったような――そんな、確かな決断。


「軽く、でよかったんだよね?」


 ハクが苦笑しつつ、気圧されないよう口元を緩める。 そしてリゲルを一瞥し、わずかに口角を上げた。 軽口の裏にある真意を、静かに受け取ったかのように――


 リゲルは一度だけ深く頷いた。


 二人が再びアバター装置へと向かいかけた、そのときだった―― 魔法陣がわずかに起動の兆しを見せ、青白い光が床に滲み始める。


「――そこまでです」


 張り詰めた声が、訓練室の音響から突き刺さるように響いた。

 天井の魔力灯がぼんやりと明るみを帯び、フロア全体に「時間切れ」のサインが立ち上る。


「非正規の模擬戦は、訓練日程外では許可できません。次に空いているのは――金曜午後です」


 リゲルとハクはぴたりと足を止める。


 ライサは静かに髪をかき上げると、一歩だけ前に出た。


「ご無礼をお許しください。突然の申し出、配慮を欠いていたことは承知しております」


 その声音は、非を詫びながらも、どこか凛とした光を宿していた。


「ただ――」


 一呼吸置いて、彼女はリゲルとハクをまっすぐに見つめる。


「お二人の戦い方には、既存の型にはない“意思”のようなものを感じました。

 反応でも応用でもない……その場に宿った物語のような、あるいは、定まった因果の流れを変えるような何か」


 少しだけ視線を伏せ、言葉を探すように間を置いてから、続ける。


「それを、もっと確かめたいと思ったのです。個人的な好奇心に過ぎないかもしれませんが……」


 再び顔を上げたライサの目には、柔らかながらも揺るがない意志があった。


「日時については、それで構いません。金曜午後、あらためてお相手させていただきますわ」


 彼女の言葉に、少しだけ熱を帯びたものが混じっていた。


 アレッタは一瞬だけ黙り、横目でライサを見た。 ――本気なんだな、という顔だった。


「そいじゃ、また明後日ー!」


 アレッタが陽気に手を振り、ふたりは軽やかに回れ右し、そのまま出ていく。


 しばらく残っていたのは、淡く残光を帯びた空気だけだった。


 リゲルは深呼吸ひとつ、静かに自分の胸に手を当てる。


「今度こそ、一段階上に進みたいんだよ。

 多分、この壁を越えた先に、すごい風が吹いてる気がする」


 それは独り言というには、あまりにはっきりした言葉だった。


(……このままじゃ終われないよな)


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