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はじまり。

 この世の万物は歯車で成り立っている、と考えることはできないか。赤ん坊から老人まで、全てが世界の、宇宙の歯車であると。


 社会の歯車、なんて言葉が良い例ではないだろうか。会社を、経済を、日本を、世界を回すために人間が働き、働いた分の金銭を貰い、その金銭を欲するものに使う。受け取った金銭はまた次の働き手に渡り、ジョーカーの無い、無尽蔵な数字のババ抜きが如く回り続ける。


 学校もそうだ。教師が授業を、道徳を、集団生活を生徒に教える。教わった生徒は基本的にその通りに回って日々の学校生活や行事を回す。時にはその周回から外れる生徒も現れるが、その通りに回るよう指導され矯正されて一部となる。そこに順応できない生徒はその場所を拒み、家庭という歯車の一つに執着して奔放に回る。しかし奔放に回っているように見えて、それは家族という歯車達が自由に回れるように適応しているに過ぎない。


 野生界では、弱肉強食というヒエラルキーが確在している。しかし、命あるものはいずれ死を迎える。そしてその死骸は例え頂点に座す大獣であっても、別の肉食獣に食われ、その残骸から蛆が産まれ、小虫が育つ。育った小虫はピラミッドの一つ上に座る生物に食われ、その生物はまた一つ上に…といった形で、結局は野生界という世界を回す歯車として日々生物は生死を迎える。


 これらの歯車達が日々あくせくと回って万物が成り立っている。しかし、時にはどうしようも無く逸れて、外れて、やがて万物を構築する歯車集団に戻れない歯車もあるかもしれない。


 これは、その逸脱してしまった歯車達が刻む物語である。

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