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窓越しの空  作者:
9/100

グレーな心

 スカイさんからのメールが届いていなかった事を想定していなかった。


 私はこんなにも残念に思った事はなかった。



 どうしたんだろう……?

 何かあったのかな……?



 私の中の初めての感情をどう処理していいかわからず、とりあえず寝ようとスマホを閉じた。


 私は少し眠っては起きを繰り返し、起きる度にスマホを手に取りSNSをチェックする。


 けれど、私の期待とはウラハラにスカイさんからのメールは来なかった……。



 結局、ほとんど寝れないまま朝を迎え、朝ごはんの支度を始める事になってしまった。



 静まり返ったリビング。

 カーテンを開けると、空はどんより曇り空だった。



 何か私の気持ちみたい……。



 何の迷いもなくそのグレー一色の空を撮った。

 すぐSNSにこの空を投稿した。



 『浮かない気持ちとはこんな気持ちかな……』



 こんなに早く今日の一枚を撮り終える事もなければ、こんなに早く投稿する事もなかった。



 私は朝ごはんの準備を始めた。


 夫も起き二人で朝ごはんを食べたけど、何を話したのか覚えてない。


 そもそもそんなに話す事もないから会話も少ないけど、私は完全に上の空だった。


 食欲もないし珍しく残した。



「ユウ、どうしたの? 欲しくないの?」



 珍し過ぎて夫が聞いてきた。



「……なんか、あんまり欲しくなくて……」



「横になってれば? あ、そうそう。 今日夜、ごはんいらないから。 今日もお客さんところ行かなきゃいけないから」



「わかった」



 夫も出社しまた部屋に一人。

 さっきのどんより雲は雨に変わっていた。


 しばらくボーーっとしていた。

 無気力になってしまっていた。



 このままボーーっとしてる訳にもいかないな……。



 私は重い腰を上げた。


 雨の音を聞かながら後片付けを済ませ、掃除機をかけ、今日は拭き掃除も始めた。


 何かをして、何かに没頭してスカイさんのメールの事は忘れていたかった。


 窓拭きをしながら空を見ると遠い向こうの方まで厚い雲でいっぱいだった。

 今日は一日雨みたい……。


 窓を拭いていき、綺麗になった家中の窓を見て満足する。


 前はいつ拭いたっけ……?

 いつもこうしてると気持ちいいな……。


 集中している間はすっかり忘れていたのに、終わった途端またメールの事を思い出す……。

 気持ちの浮き沈みに疲れる……。


 けれど、よく考えると、最近よくメールするだけで、相手の事は知らないし、毎日メールをしなきゃいけない訳じゃないし、そういうのはお互い自由だし……。


 そう思うと気持ちも楽になる。


 そうだよね。

 考えるのはよくないね。

 スカイさんも気の向く時にメールくれてるんだろうし……。


 そんな気持ちでSNSを開いた。



 !!!!



 目が覚えている、メールの表示。


 何度も何度も確認したその表示が付いていた!



 開くと、スカイさんからのメールだった。



 『仕事で今、帰ってきました。 浮かない気持ちとはどうしたんですか? 俺でよければ聞きますよ。 yuuさんにはいつも楽しくいて欲しいです。』



 優しいその文面にホッとしたと言うべきか。

 メールが来た事が単純に嬉しかった。



 気にしない、考えない、隣町に住んではいるけれど知らない人、少しSNSで仲良くなっただけ……。


 だけど……、その言葉たちを打ち消してしまう気持ちも存在する事に気付いていた。

 その言葉たちは私のストッパーだったのかも知れない……。



 私はそのメールに返信した。

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