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窓越しの空  作者:
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お届け物

 私は急いで寝室に向かい、あの机の周りを私は探し始めた。


 ずっと同じところに置いてあるその机をちゃんと見た事もなく、机に模様がある事も初めて知った。


 毎日目にしているはずなのにびっくりだ……。


 質感も何もかもが新鮮だった……。



 芹沢さんを待たす訳にもいかないので自分でもびっくりするいろんな発見はあるがそんな事は後回しにして書類の入ったクリアファイルを探す事にした。



 机の引き出しを開けてみるが取引先の名刺のファイルが入っているだけで他には何も入ってないない。



 じゃあ、この3段の引き出しの中か……。



 私は最後の望みをかけ1番上の引き出しを引っ張った。




 ……?




 鍵だ……。


 1番上の引き出しには鍵がかかっていて開ける事ができなかった。


 引き出しに鍵がある事も私は知らなかった。


 鍵がかかっている、という事は夫が鍵を持っている、という事になる。



 どこにしまってあるんだろうか……。



 大切な書類ならここに入っていてもおかしくはないが……。

 でも私に持ってきて欲しい、というくらいなんだからここじゃないんだろう……。



 それに鍵を探す時間なんてない。



 私は2段目の引き出しを開いた。

 鍵のついていない2番目の引き出しを開けるとそれらしいクリアファイルを見つけた。

 念の為、3番目の引き出しも開けてみるが、いろんな書類は入っているもののクリアファイルはなかった。



 やっぱりこれかな……。



 私の電話を待っているだろう芹沢さんに急いで折り返した。


 この手にしたクリアファイルが目当てのものかどうかはまだわからないけれど、クリアファイルを見つけられた安心感で軽やかな気持ちだった。


 電話をすると芹沢さんがすぐに出た。



「お世話になります、安堂です。 お待たせしました!!」



 私は書類に書かれている内容を読んで伝えると、間違いなくこの書類の様だった。



「見つかってよかったですーー。 奥様のおかげです!! ありがとうございました!!」



 芹沢さんは夫から言い渡されたミッションをクリアし安心した様だった。



「すみません……。 忘れた本人が1番悪いんですけど……。 芹沢さんにご負担をかけてしまって申し訳ありません……。 すぐに支度して持って行きますね」




「いえいえ、とんでもございません! 気を付けてお越しくださいね! すみませんがよろしくお願いします」




 芹沢さんに1階の受付に話を通しておくので受付に渡して欲しいとお願いされた。



 昼一の会議には今から出発しても間に合いそうだ。

 私は出かける準備をして書類を手に駅へ向かった。



 駅までの道を歩くのも久しぶりだ。

 毎日歩いたこの道を懐かしく感じた。


 不安になりながら歩いたこの道……。

 どこにも寄らず小走り気味に歩いた事が懐かしい……。



 駅へ着くとちょうど電車が来て待つ事なく乗る事ができた。



 そんなにもこの書類を早く届けて欲しいのか……。



 そう思う程、驚く程スムーズだった。



 夫の会社の最寄りの駅までは45分ほど。

 電車を降りてゆっくり歩いて行っても時間はある。



 珍しいな……。

 忘れ物なんて……。

 大事な書類、忘れるかな……。


 昨日の夜も普段通りだし、今日の朝もそんなに急いでたって感じじゃなかったのにな……。



 電車に揺られながらそんな事を思い返していた。




 あれ…?



 でも今日出張の用意をして出て行ったのにな……。



 朝、夫はいつものキャリーケースを持って出た。


 急に出張がとり止めになったのか……。

 先方がある事だろうしそんなに大事な会議が急に入ってしまったのか?



 夫の会社まではあと少し。

 電車から見える空がさっきまでとは違ってどんよりとしているのがわかった。


 会社に着いてすぐ帰らなきゃ雨が降るかも……。

 買い物でもして帰ろうと思っていたけど無理そうかな……。


 少し残念に思いながら、雨にならずに帰れる事を願った。

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